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第八章 自由への闘い!仲間を守る為に!

吹雪會対戸倉

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水原は世間では暴力団と呼ばれる吹雪會組長だ。
ある時、元の兄弟分の白薔薇副支配人である藤井に保護して欲しいと連絡をもらい急行したが間に合わずに藤井は失踪した。
代わりに百里という白薔薇関係者を保護した。
その百里から聞いた話だと藤井はやはり殺されたらしい。
予想はしていた事だが。

水原は見た目が全く極道っぽくはない。
髪はしっかりと固めて決めて、鼻の下に髭をはやしている。
そして逞しい身体にフィットした白いTシャツにジーンズ。そしてウエスタンブーツ。
外へ出る時は赤いジャケット。
古いアメリカ映画の不良の様なスタイル。
水原はスーツ姿が生理的に嫌いだったのだ。
なんで実録の極道映画やOVAにでてくる極道はみんなお決まりの紋切り型のスーツを着てるんだ?
服装の好みは千差万別だろう。
大体俺は中学高校の頃から学ランってやつが大嫌いで入学式以外着た事がない。
なんか昔の戦争中の姿みたいだろ。
おまけに無駄に高いしな。『笑』

そして吹雪會の事務所もあまり極道っぽくない。
バーカウンターにビリヤードにピンボール。壁にはダーツ。
古いアメリカ映画が大好きな水原の趣味だった。
そしてイージーライダーを始め水原が生まれる前の映画のポスターが壁には多数。
水原は古い映画のマニアだったのだ。

「百里さん。どうした?浮かない顔してるな。」

「ああ…水原さん。いや、調教師仲間から白薔薇の少年が二人亡くなったって聞いてね。」

「殺されたのか?」

「どうやらそうみたい。殺ったのは調教師頭の戸倉よ。」

「調教師頭の戸倉か。なるほど。じゃあそいつを捕まえて拷問に掛けて全部話させれば白薔薇を潰すのに一番手っ取り早いんじゃないのか?」

「それもいいと思うけど、水原さん。戸倉を捕まえられるの?
あの傭兵さんたちにでもお願いした方がいいんじゃない?」

傭兵さんたちとは石山の仲介で協力する事になった音成と仲間の外人たちだ。
音成たちが的にかけているのが、与党の最大派閥の大物の森田康彦。
森田の資金源やメディアでの協力者や森田に協力的な水原の同業者を次々に葬っている。
あの魔女どもは戦場崩れだけにやり方が凄まじく、この平和日本ではあり得ないような手口で無茶苦茶やりやがる。
金丸と言うジジイの金貸しはカジノごと爆弾で吹き飛ばされ、メディアの会長は狙撃で頭を吹き飛ばした。
ここは日本だぞ。
それだけに必要なバックアップはするが必要以上に関わりたくなかった。

「いいさ。百里さん。俺たちも暗黒街の人間さ。
たかがSM調教師くらい簡単に拉致れるさ。」

戸倉は白薔薇のあるビルを出て赤坂の街を歩いていた。右手にはステッキを持っている。
貴也には昨日からムクイン薬をペニスの内部と肛門の奥深くに塗り込んであり、今頃は痒みのピークで地獄を見ている事だろう。
ムクインを身体の奥に塗り込んだ拷問を掛けられた奴隷どもで、まともに正気を保った奴隷は過去に一人もいなかった。
あまりの痒みの凄まじさに、気が触れてしまったのだ。
貴也も生意気を言ってはいたが、今度私が調教室に戻る時にはまともに正気を保つのは不可能だろう。
クククッ!気が狂った貴也を犯すのが、本当に楽しみだ。
しかし先程から私をつける人間が二人!いや三人か。
ふん。警察か?いや!ジュンとトモを引き渡してくれた警察はないな。尾行のやり方が軍人っぽくもないし?筋者か。
ふん。まあいい!

✩戸倉をつけるのは吹雪會の3人。懐にはトカレフや短ドス。
そして近くに拉致用のミニバンも用意してある。
ミニバンには二人待機。
戸倉か狭い路地に入った。
よし!今だ!
3人が脱兎の如く路地に殺到するが。
戸倉が…いない。

野郎。どこに行きやがった。
探す吹雪會組員。
するとビル工事現場に戸倉が逃げていく。
追う吹雪會組員。

3人は工事現場内に戸倉を追い詰めた。

「私に何か用かな?」
戸倉が涼しい顔をして尋ねる。

「やっ野郎!」「尾行がバレてたか!」

「クククッ。そりゃああれだけ下手な尾行だからね。
それより見ない顔だが私になんのようかね?」

「まあ…いい。一緒に来てもらおうか。戸倉さん。」

リーダーの男が戸倉に尋ねる。
しかし戸倉は平然としたものだ。

「私があんたらとかい?面白い冗談だねえ。
何よりあんたたちは趣味じゃない。
私は美少年が好きだが、お前らみたいな親父で醜男は嫌いでね。
それよりあんたたちが何者か?
話してもらわないとね。『笑』」

「なんだっ!こらあ!」
「黙ってついてこいやあ!」

二人の若い組員が刃物を抜いて戸倉に殺到したが戸倉は無駄の無い動きで、片手でステッキを刀の様に使い、二人の胴を一瞬で払った。
二人ともに泡を吹き悶絶して動けなくなる。

「ひっひろし!とおる!
やっろー!戸倉!」

兄貴分は瞬時に戸倉にトカレフを構えたが、戸倉は風の様な動きでステッキを一閃させて相手の右手の人差し指を切り落とす。

「うっぎゃ!うぐっ…!」

戸倉のステッキの先端から刃渡り20センチの鋭利な刃物突き出て、兄貴分の喉を貫いていた。
一切声すら出させない。
戸倉は鮮やかにステッキを引くと伸びているひろしの衣服で刃物をしっかりと拭き取り、ステッキの手元のスイッチを押すと、カチッ!と音がして刃物がステッキの中に仕舞われた。
ナイフは使用後はしっかりと拭いを掛けて置かなければ刃物の飛び出しが悪くなる。
何よりもステッキの清掃が大変だ。

戸倉が白薔薇に連絡を入れた。
「私だ。壱。今、手が空いてるものを数人連れて私のGPSが指し示す場所にきてくれ。もしサムかジョーかメグがいたら一緒にな。
ああ。
念の為に得物は持たせよう。
ああ。そうだ。死体がひとつに伸びてるのが二つ。
そう。伸びてるのからは色々と聞き出さなきゃいかん。
始末はそれからだ。あと多少この場所を血で汚したからクリーン用の洗浄剤もな。『笑』」

戸倉はスマホを切ると一人で笑いながら呟く。

「クククッ何が起こってるかは知らないが、これより楽しい事になりそうだ❗」

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