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第五章 奴隷少年たちの哀しい日常(三)

雪彦の傀儡

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★貴也、優、ソラの3人が鉄大人に雪彦との顛末を語ってから一ヶ月が経った。
奴隷少年たちの待遇は相当に改まった。
菊班のリーダーは貴也。班員は風太、ミチル、綾人。
蘭班リーダーはヒカルになった。年はトモが上だがヒカルの方がしっかりしてると言う事だ。班員はトモ、優、ソラ。
椿班リーダーはヒロ、班員はジュン、カオル、和希。
全員のリーダーは貴也で副リーダーはヒロが務める。

少年たちの衣装はもちろん白シャツ、ショートパンツ、白ハイソックス、ローファーに首輪手枷足枷付き。
朝の奴隷の心得の唱和や少年たち各々が客たちに身体を売るのは変わらないが、少年たちの身体と心のケアは専門医がしっかりとしてくれる様になっていた。
また行動範囲が広くなる事が許されて20階の居住エリアが広くなり、務めが終わった少年たちのくつろげる休息室が設けられてかなり快適に過ごせる様になった。
休息室には大型ディスプレイが置かれてゲームなども用意されて、また娯楽用具にトランプや将棋などをして楽しめる様にもなった。
綾人やソラはゲームに熱中しすぎてヒロに早く休め!と怒られたり、ジュンとヒカルが将棋が滅法強く白熱した勝負が展開されたり。
カオルが三味線だけでなく、ギターもうまくカオルのギターに合わせてみんなで歌って楽しんだり、また優が酷い音痴だったり。
画家の息子だった風太がみんなの楽しそうな姿を描いて休息室に飾ったり。
そう。優とソラが交際する事になりみんなに祝福をされた。
これで少年たちのカップルはトモとヒカル、ミチルと綾人、優とソラ。
何よりも少年たちが喜んだのは、休息室には大きな窓が設置されていて常に窓の外が見渡せる事。
今までの住居エリアにはまるで牢獄の用にベッドルームに小さな窓が一つだけしかなく、そこから光が差し込んで来るだけだった。
もちろん20階の高さだけに窓は開かないが、そこから見える景色は少年たちを開放的な気持ちにさせてくれた。
またトルトゥーラのパーティーがあったが、ヒロ、ジュン、トモ、ヒカルの4人が舞台を務めたが、活力に満ちた奴隷少年たちの舞台は好評だった。

パーティーでの客への奉仕を務めて少年たちが一人一人と戻ってくる。
貴也が皆を待ってどうだった?身体は辛くないか?と聞いてやる。
貴也はリーダーなので少年たちが皆戻るのを待って休む様にしていた。
貴也が遅い時はヒロが。
貴也とヒロも遅い時はヒカルかジュンが務める。

風太「兄様。戻りました。」

貴也「お帰り風太。どう?今日のお勤めは辛くなかった?」

風太「うん。全然大丈夫だよ。
ねえ兄様はまだ休まないの?」

貴也「うん。みんな戻るまで、待ってるよ。
風太はもう休んで寝なさい。」

風太「僕も一緒に待つよ。兄様。
明日は安息日だから。」

貴也「………風太。もうしょうがないなあ。じゃあ早く服だけは着といで。
風邪を引いちゃまずいから。」

風太「うん、分かったよ。兄様。」

風太は貴也と同じ白シャツ、ショートパンツ、ハイソックス姿になり貴也の横に腰掛けた。
貴也は込み上げてくるものが有り、手枷を嵌めた腕で風太の肩を抱き寄せる。
風太も頬を赤らめて貴也に身体を預けた。
風太は貴也を見ると何故か貴也の眼から涙が流れていた。

風太「兄様。どうしたの?」
怪訝な顔で風太は尋ねる?

貴也「ううん…ただ。なんて幸せなんだろう?って。
みんなが楽しそうにしてる事が本当に幸せなんだ♡」

風太「兄様…♡」

風太は指先で貴也の涙を拭ってやる。
貴也は風太を優しく抱きしめた。

翌日。安息日で屋上テラスにて奴隷少年たちは各々楽しんでいた。
カオルは三味線を楽しみ、優とトモはキャッチボール。
風太は絵を描き、綾人とソラは休息室でゲームを楽しむ。
ミチルは芝生にシートを引いて寝転がりただ1台のスマホの配信で音楽を楽しむ。
カオルの三味線もいいけどやっぱりミチルは海外のロックが好きだ。
ジュンとヒカルは将棋の真剣勝負。
貴也とヒロは屋上テラスでこれからの暮らしをより良くするための話をしていた。
父、智也の事もあり悲しそうにしていた和希も、仲間たち特にカオルが優しくいたわってやる内に明るさを取り戻していった。

みんな年相応の少年らしく楽しく時を過ごす。
幸せだった。

しかし奴隷少年たちの幸せな時間はこれが最後だった。
悪魔がやって来て少年たちは悪夢の様な地獄に引きずり降ろされる事になる。
悪魔は同時刻に白薔薇の有るビルに到着する。
等身大以上の木箱も共に運ばれてきた。
悪魔の名前は戸倉修吾。

戸倉を白薔薇支配人の香坂が待っていた。
香坂直属の部下が4人等身大以上の木箱を運んでくる。

香坂「やあ、戸倉。待っていたぞ。」

戸倉「フフフフフフ。香坂さん。お待たせいたしました。」

香坂「随分と大きなモノなのだな。それが傀儡なのかね?
一体どんなモノなのだ。」

戸倉「それでは見て見ますかね?驚く事になるでしょうなwww」

戸倉が合図をすると香坂の部下は木箱の蓋を外していく。
木箱が外されると布を被った等身大のモノが。

戸倉「それでは御開帳と参りましょうwww」

戸倉が布を外すと香坂や部下たちは思わず息を飲んだ。
そこにあったのは!

裸に白いハイソックスだけを履いた等身大の人形が横になっていた。
等身大の人形は雪彦だった。
身長から髪型。
顔の輪郭まで寸分と違わずに再現された人形。
樫の木で出来ていて、身体の関節部分が動かせる様になっている。
樫の木の胴体を塗料でうまく塗装してまるで剥製のようだ。
唯一の違いは、ペニスに当たる部分が金属製のネジになっている事。

やや青ざめた顔で香坂は戸倉に尋ねる。
香坂「こっ…これは一体?」

戸倉「傀儡ですよw
まだ魂は吹き込まれてはいませんが、これで吹き込むのですよw」

戸倉の手には梵字がビッシリと書かれて勃起した肉棒と睾丸の模造品が握られていた。


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