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第三章 奴隷少年達の哀しい友情

奴隷少年達の休日

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♡カオル
僕は椿の部屋で最初に眼が覚めた。
まだ朝の6∶30、
ヒロもジュンも和希もまだ寝ている。
皆を起こさない様にクローゼットから衣装を取り出しそっと椿の部屋を出る。
更衣室でいつもの衣服に着替えて、首輪と枷もつける。
白シャツ、黒の短パン、白ハイソックスにローファー、そして首輪手枷足枷。
慣れてしまってこの姿になると妙に落ち着く。
完全なマゾになってしまったな。

僕は大型クローゼットの中にしまってあった三味線を取り出した。三味線からは弦は取り外して有り、僕は別にしまってあった弦を取り付けていく。音を合わせるのは後から合わせればいいやろ。
不思議やな。
もう二度と三味線は弾かんと決めとったんやけどな。

更衣室には次々と仲間が起きて来て着替えて行く。
そして安息日だからそれぞれ遊具を手にしている。
優は野球のグローブとボール。グローブは二つ有り誰かにキャッチボールの相手をお願いするらしい。
みんな安息日になると割りと早起きして、くる。
やっぱりまだみんな子供やからね。
僕も含めて。

僕ら奴隷少年はこのビルから下へ行く事は許されてはいない。
使えるエレベーターもこの20階から25階までだし。ただし安息日だけは25回までエレベーターで上がって、そこから屋上庭園に上がれるんや。
まあ、疲れて起きて来ない子は別に居住エリアで寝ててもいいんやけど。
大体みんな屋上テラスで終日過ごすね。
食事も昼食は弁当を持って上がれるし、鋭気を養って翌日からの辛い務めに耐える為にも。

7∶00に朝食が運ばれて来た。
僕以外に起きてる奴隷少年は5人。
僕、優、ソラ、ヒカル、トモ 
舞台を務めたミチルと綾人。
遅くまで起きていた貴也、ヒロ、ジュン、
そして和希と風太もまだ起きては来なかった。
安息日は一人一人。スマホで連絡を取り、鍵を開けてもらえる。
僕は今日。屋上のオープンテラスに一番に来た。
木陰の芝生の下にシートを引いて、携帯様座布団も。
そして三味線の弦の張りを直して、音合わせをする。
ギターでいうチューニングってやつや。
うまく音が合った。
しばらく弾かんかったのに、忘れんものや。

よし。久し振りに鳴らすか!
心が浮き立つ。

ベンベンベンベンベンベン🎶🎶🎶
ベンベンベンベンベンベン🎶🎶🎶

ここに来て始めて軽快に三味線を弾き鳴らした🎶🎶🎶

♡ソラ
僕ら蘭班の4人。トモ、ヒカル、優、僕は4人連れ立って屋上テラスへ向かった。皆白シャツ、半ズボン、白ハイソックスの僕らの衣装。
首輪、枷も居住エリア外では絶対に外せないんだ。
仕方が無いけどね。
何かカオルだけは一人で上がってしまったらしい。
いくら一人だけ椿班だからって水臭いよね。
階段を登り外への扉を開ける。
ああ~気持ちいい~☆
外の空気。外の臭い。そして頬を撫でる風がなんて心地いいんだろう。
幸せを感じる。

優「何をニヤニヤしてんだよ。ソラ。」

ソラ「うん。だって凄く気持ちいいんだもん!
優は嬉しくないの?」

優「だって月に3日はここに来てるじゃん。
特別感動はしねーよ!」

全くもう!
優は口が一番悪いんだよね。
おまけにツンデレ。本当は凄く嬉しいくせに。
トモとヒカルを見れば、二人で手を握り合ってベタベタしてるなあ。
見てるだけで恥ずかしくなるくらい。
まあ付き合ってるんだから、仕方ないかな?
菊班のミチルと綾人も付き合っているしね。
あ~あ。僕も誰かと付き合おうかな?
年が一緒だから、風太がいいんだけど、
風太は貴也が大好き!
だからな。
優は直ぐに怒るし、ジュン?和希?
何かしっくり来ない。
ヒロや貴也はしっかりしすぎて気後れしちゃうしね。
カオル?あっ一番しっくり来るかも。
顔は綺麗だし、女性みたいなんだけどね。

あれっ、なんだろう?この音?
始めて聞くけど綺麗な音だな。
優もトモもヒカルも音のする方を見てみると。
カオルが気持ち良さげに不思議な楽器を弾き鳴らしていた。
目を瞑りまるで楽器と一つになったみたいに、優しく微笑みながら。
凄く幸せそうな顔☆


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