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88 《番外編》天使は悪女に恋をする⑧
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取り巻き令息に支えられて去って行くアニエスの後ろ姿を見送ると、エリザベートは肩を抱いていたジェレミーの手の甲をペチッと叩いた。
「ジェレミー、いくらアニエスを牽制する為でも、演技過剰ですよ」
「全部本気だけど?」
「少しずつ距離を縮めるって約束でしょう?」
「……分かったよ」
ジェレミーは少し名残惜しそうな顔をしながら、彼女の肩から手を離した。
二人は少しずつ親しくなる努力をしようと、お互いを気安い呼び名で呼び合い、少し砕けた口調で話す様にはなったが、残念ながら、まだ恋人同士の様にベタベタいちゃいちゃ出来る関係では無い。
先程のは、アニエスを牽制する為に咄嗟にジェレミーが始めた演技に、エリザベートが調子を合わせただけなのだ。
ジェレミーとしては、早くエリザベートに心を許してもらえる存在になりたいと思っているのだが……。
「最後、アニエスに何を言ったのですか? 急に大人しくなりましたよね?」
「そう? もうリズには関わるなって言っただけなんだけど」
「本当に?」
訝し気に問うエリザベートに、ジェレミーは天使の様な無邪気な笑みを浮かべて頷いた。
「うん、本当だよ」
嘘では無い。
半分しか教えなかったけど。
「父が捕縛されたって話は本当ですか?
私は初耳なのですが。
アニエスの様子だと、貴方が何かしたのでしょう?」
「ぅん?」
とぼけて小首を傾げるジェレミーに、エリザベートはスッと目を細めた。
「かわい子ぶってもダメですよ。
後で全部話してもらいますからね」
「世の中には知らない方がいい事も…」
「今、私達が冷め切った夫婦になる未来が見えた気がしますわ」
「ちょっと待って、リズ、それは……」
「ジェレミーは妻に隠し事をする様な人では無いって、信じてます」
「う゛……ハイ…」
(そんな言い方は反則だろ?)
満足そうに微笑むエリザベートを見て、ジェレミーは彼女には一生敵わないのだろうと悟った。
その日、学園から帰ると直ぐにエリザベートに呼ばれたジェレミーは、彼女の部屋を訪ねた。
テーブルを挟んだ向かいに座ったエリザベートは、微笑みを浮かべながら優雅な所作でティーカップを手に取る。
(これがただのお茶会だったら、浮かれ気分でいられるのに)
妻の部屋に二人きりだと言うのに、全く心が踊らない。
「で? 何故、父が捕縛される事になったのです?」
「あー…、それはねぇ……、どこから話せば良いかな……」
「全部です」
観念したジェレミーは全てを話す事にした。
「えっ? 公爵邸に忍び込んだのですかっ!?
私、無茶はしないで欲しいって言いましたよね?」
咎める様なエリザベートの声に、ジェレミーはキュッと肩をすくませる。
「うん、まあ、そうなんだけど……。
リズにそう言われた時には、もう手遅れだったっていうか……」
「まさか、私に求婚した時には、既に動き出していたのですか!?」
「そうだね。作戦の目処が立ってから、リズにプロポーズをしようと思って……」
頭痛を抑える様に、額に手を当てたエリザベートは、深い溜息を吐いた。
「それで、入手したピンバッジはどうしたのですか?」
「違法な奴隷闘技場の強制捜査の予定があるって情報を入手していたから、その会場の中に転がしておいた」
ディオンがピンバッジを投げ捨てたあの建物は、奴隷同士を闘わせて勝敗で賭博をする闘技場だった。
あの日はそこに王宮騎士団のガサ入れが入る予定だったのだ。
この国でも数十年前に奴隷制度が廃止されており、奴隷の所持も売買も違法となっている。
そして賭博に関しても、国から認められているカジノや一部の剣術大会など以外は、治安維持の為に法律で規制されているのだ。
そんな違法行為の現場でピンバッジが発見されたので、公爵は騎士団に捕縛された。
盗品が多数出品されていると言うオークション会場にも、近々にガサ入れが予定されていたのだが、ジェレミーが公爵に罪を着せるのに奴隷闘技場の方を選んだのには理由があった。
そもそも、ラマディエ公爵には以前から奴隷を購入しているという疑惑があったのだ。
奴隷を複数人所有して、自領の銀鉱山で無償で働かせているという噂が、ごく一部の人達の間で囁かれていた。
だが、捜索を強行する程の証拠が見つからず、噂のみで動くわけにはいかないので、取り敢えず泳がせている状態だったらしい。
ピンバッジを切っ掛けに、今頃は家宅捜索がされて、奴隷の売買だけでなく、色々な不正が明らかになっている事だろう。
陛下はこのチャンスを逃さずに、公爵家を徹底的に潰すはずだ。
終身刑や死刑が科される可能性は低いが、少なくとも爵位剥奪は免れない。
ジェレミーは、奴等が平民になって放逐された場合、しばらくは見張りを付け、少しでも不穏な動きがあれば直ぐに処分するつもりでいる。
落ちぶれた元公爵一家が消えた所で、気にする者など誰もいない。
まあ、態々ジェレミーが手を下すまでもなく、勝手に野垂れ死んでくれる可能性もあるけれど。
「貴方が裏工作をしたってバレたらどうなさるのですか!?」
賭博が行われていた時刻に公爵はジェレミーと一緒にいたが、それを知っているのは、こちら側の者を除けば公爵とアニエスと公爵家の使用人だけ。
アニエスが証言した所で、どうせ父親を庇っているのだと思われるだろうし、使用人達も公爵に証言を強要されていると思われるだろう。
ジェレミーさえ認めなければ、公爵のアリバイは成立しない。
「証拠は無いから大丈夫とは思うけど、もしもバレたとしても、ランベール陛下はラマディエ公爵を潰したがっていたから、目を瞑ってくれるはずだよ」
現国王のランベールは彼の父とは違い、国の為ならば汚い手段も厭わないタイプの人物である。
国とってに必要なデュドヴァン家が国にとって不要なラマディエ家を潰すのに手を貸したのだから、感謝されこそすれ、咎められる事は無いだろう。
「……分かりました。もう良いです」
「僕の事……、嫌いになった?」
ジェレミーが悲しそうな顔で問うと、エリザベートは困った様に眉を下げた。
「……嫌いではありませんが、少し呆れています。
次から何かをする時には、私にも事前に教えて下さい。
仲間外れは嫌です」
「分かった。そうしよう」
「それから、一つお願いが……」
「何?」
「一度だけ、父に会わせて頂く事は可能ですか?」
「出来なくは無いけど、何故?」
「決別する為に」
そう言ったエリザベートは、ジェレミーが彼女に魅了されたあの時と全く同じ微笑みを浮かべた。
※ジェレミー&エリザベート編の終了まであと少し。
ジェレミーサイドはここまでで、次回からはエリザベートサイドでお送りします。
「ジェレミー、いくらアニエスを牽制する為でも、演技過剰ですよ」
「全部本気だけど?」
「少しずつ距離を縮めるって約束でしょう?」
「……分かったよ」
ジェレミーは少し名残惜しそうな顔をしながら、彼女の肩から手を離した。
二人は少しずつ親しくなる努力をしようと、お互いを気安い呼び名で呼び合い、少し砕けた口調で話す様にはなったが、残念ながら、まだ恋人同士の様にベタベタいちゃいちゃ出来る関係では無い。
先程のは、アニエスを牽制する為に咄嗟にジェレミーが始めた演技に、エリザベートが調子を合わせただけなのだ。
ジェレミーとしては、早くエリザベートに心を許してもらえる存在になりたいと思っているのだが……。
「最後、アニエスに何を言ったのですか? 急に大人しくなりましたよね?」
「そう? もうリズには関わるなって言っただけなんだけど」
「本当に?」
訝し気に問うエリザベートに、ジェレミーは天使の様な無邪気な笑みを浮かべて頷いた。
「うん、本当だよ」
嘘では無い。
半分しか教えなかったけど。
「父が捕縛されたって話は本当ですか?
私は初耳なのですが。
アニエスの様子だと、貴方が何かしたのでしょう?」
「ぅん?」
とぼけて小首を傾げるジェレミーに、エリザベートはスッと目を細めた。
「かわい子ぶってもダメですよ。
後で全部話してもらいますからね」
「世の中には知らない方がいい事も…」
「今、私達が冷め切った夫婦になる未来が見えた気がしますわ」
「ちょっと待って、リズ、それは……」
「ジェレミーは妻に隠し事をする様な人では無いって、信じてます」
「う゛……ハイ…」
(そんな言い方は反則だろ?)
満足そうに微笑むエリザベートを見て、ジェレミーは彼女には一生敵わないのだろうと悟った。
その日、学園から帰ると直ぐにエリザベートに呼ばれたジェレミーは、彼女の部屋を訪ねた。
テーブルを挟んだ向かいに座ったエリザベートは、微笑みを浮かべながら優雅な所作でティーカップを手に取る。
(これがただのお茶会だったら、浮かれ気分でいられるのに)
妻の部屋に二人きりだと言うのに、全く心が踊らない。
「で? 何故、父が捕縛される事になったのです?」
「あー…、それはねぇ……、どこから話せば良いかな……」
「全部です」
観念したジェレミーは全てを話す事にした。
「えっ? 公爵邸に忍び込んだのですかっ!?
私、無茶はしないで欲しいって言いましたよね?」
咎める様なエリザベートの声に、ジェレミーはキュッと肩をすくませる。
「うん、まあ、そうなんだけど……。
リズにそう言われた時には、もう手遅れだったっていうか……」
「まさか、私に求婚した時には、既に動き出していたのですか!?」
「そうだね。作戦の目処が立ってから、リズにプロポーズをしようと思って……」
頭痛を抑える様に、額に手を当てたエリザベートは、深い溜息を吐いた。
「それで、入手したピンバッジはどうしたのですか?」
「違法な奴隷闘技場の強制捜査の予定があるって情報を入手していたから、その会場の中に転がしておいた」
ディオンがピンバッジを投げ捨てたあの建物は、奴隷同士を闘わせて勝敗で賭博をする闘技場だった。
あの日はそこに王宮騎士団のガサ入れが入る予定だったのだ。
この国でも数十年前に奴隷制度が廃止されており、奴隷の所持も売買も違法となっている。
そして賭博に関しても、国から認められているカジノや一部の剣術大会など以外は、治安維持の為に法律で規制されているのだ。
そんな違法行為の現場でピンバッジが発見されたので、公爵は騎士団に捕縛された。
盗品が多数出品されていると言うオークション会場にも、近々にガサ入れが予定されていたのだが、ジェレミーが公爵に罪を着せるのに奴隷闘技場の方を選んだのには理由があった。
そもそも、ラマディエ公爵には以前から奴隷を購入しているという疑惑があったのだ。
奴隷を複数人所有して、自領の銀鉱山で無償で働かせているという噂が、ごく一部の人達の間で囁かれていた。
だが、捜索を強行する程の証拠が見つからず、噂のみで動くわけにはいかないので、取り敢えず泳がせている状態だったらしい。
ピンバッジを切っ掛けに、今頃は家宅捜索がされて、奴隷の売買だけでなく、色々な不正が明らかになっている事だろう。
陛下はこのチャンスを逃さずに、公爵家を徹底的に潰すはずだ。
終身刑や死刑が科される可能性は低いが、少なくとも爵位剥奪は免れない。
ジェレミーは、奴等が平民になって放逐された場合、しばらくは見張りを付け、少しでも不穏な動きがあれば直ぐに処分するつもりでいる。
落ちぶれた元公爵一家が消えた所で、気にする者など誰もいない。
まあ、態々ジェレミーが手を下すまでもなく、勝手に野垂れ死んでくれる可能性もあるけれど。
「貴方が裏工作をしたってバレたらどうなさるのですか!?」
賭博が行われていた時刻に公爵はジェレミーと一緒にいたが、それを知っているのは、こちら側の者を除けば公爵とアニエスと公爵家の使用人だけ。
アニエスが証言した所で、どうせ父親を庇っているのだと思われるだろうし、使用人達も公爵に証言を強要されていると思われるだろう。
ジェレミーさえ認めなければ、公爵のアリバイは成立しない。
「証拠は無いから大丈夫とは思うけど、もしもバレたとしても、ランベール陛下はラマディエ公爵を潰したがっていたから、目を瞑ってくれるはずだよ」
現国王のランベールは彼の父とは違い、国の為ならば汚い手段も厭わないタイプの人物である。
国とってに必要なデュドヴァン家が国にとって不要なラマディエ家を潰すのに手を貸したのだから、感謝されこそすれ、咎められる事は無いだろう。
「……分かりました。もう良いです」
「僕の事……、嫌いになった?」
ジェレミーが悲しそうな顔で問うと、エリザベートは困った様に眉を下げた。
「……嫌いではありませんが、少し呆れています。
次から何かをする時には、私にも事前に教えて下さい。
仲間外れは嫌です」
「分かった。そうしよう」
「それから、一つお願いが……」
「何?」
「一度だけ、父に会わせて頂く事は可能ですか?」
「出来なくは無いけど、何故?」
「決別する為に」
そう言ったエリザベートは、ジェレミーが彼女に魅了されたあの時と全く同じ微笑みを浮かべた。
※ジェレミー&エリザベート編の終了まであと少し。
ジェレミーサイドはここまでで、次回からはエリザベートサイドでお送りします。
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