落下

春川信子

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青い

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塗り絵をする時、青い色から無くなっていく。
私は青が好きだ。
病院の裏手には薮があり、そこには死体が埋まっているというなんとも妙ちくりんな噂があった。
私は、間違えてたまたまその場所にたどり着いてしまった。
生ぬるい風がぞわぞわと首筋をなぜる。
「うわ、」
絶句した。
青いキノコが、わらわらと生えている。
キノコはゆらゆらクラゲのように揺れていた。
髪の長い、美しい女性が埋まっているそうだ。
私はキノコを一番小さいのを1本だけカバンに入れた。
外出許可が出ていたので、キノコを水に浸したティシュに包んで、自宅へ帰った。
キノコを多肉植物用の土を入れたコップに植え、世話をする。
コップに植えたキノコちゃんをあちこち連れていった。
キノコちゃんはありがとうとたまに呟くようになった。
満月の夜には、優しい声でムーン・リヴァーを歌う。
その声は甘く優しい。
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