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pont-neuf~十字の橋とフランボワーズ~
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しおりを挟む「たまには外でデートするのもいいね。外だとあんまりくっつけないからほとんど家で会っていたけれど」
「はい……すっごく、満たされている気がします」
「……僕も」
人気のない道から出ると、するりと智駿さんが手を離してくる。男同士ってこういうところが不便だけど、こうして二人だけの秘密を共有している感じも悪くない。堂々といちゃいちゃしている男女のカップルに嫉妬したことがないといえば嘘になるけれど、このドキドキは男女では味わえないから俺は今が幸せだと思う。
「あの橋、よくテレビとかパンフレットにでてる奴だね」
「あれがメインみたいな感じでしょうかね」
細い道を抜けて、そうすれば大きな橋にたどり着く。島と島を繋ぐ、赤い橋。ちらほらといる観光客が橋の欄干に寄りかかって海を眺めている穏やかな風景が、俺たちの目に飛び込んできた。
「すごい……綺麗ですね」
俺たちも、他の観光客たちと同じように欄干に寄りかかって海を眺めてみる。静かな波の音が聞こえて、潮風が髪を揺らしてきた。
こうして海を眺めていると、不思議な気分になっくる。今、自分たちがこうして一緒にいるのは運命なんだな、とかそんな広大なことを考えてみたり。こんなに世界がでかいのに、二人が出逢えるのってすごいことだし。何億分の一の確率で出逢えたとかラブソングで使われるたびに「そのフレーズもう飽きた」とか思っていたけれど、実際すごいことなんだと思う。
「ね、梓乃くん」
「はい……あっ」
智駿さんは海をみながら何を考えていただろう。
智駿さんはちらりと周囲を見渡したかと思えば、俺にキスをしてきた。周りの目を盗んでするキスは特別な感じがして、ドキドキする。
触れるだけのキスだったけれど、胸は満たされた。そろそろ行こっか、って智駿さんが言ったから、俺たちは宿に向かうことにした。
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