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第十章:その弱さを知ったとき
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しおりを挟む錫の部屋をでてからは、他の家族に会うことはなかった。正直、それで鑓水はホッとしている。これからも自分をアクセサリーとしてしかみないであろう親を好きにはなれそうにないし、棗と向き合う勇気もない。何度この家に帰っても、前に進めるような気はしなかった。
きっと、これからも波折に依存し続けるするんだろうな、と鑓水は思った。でも波折への想いは「トラウマからの逃げ道」から「愛情」に変わっていっている。
誰かをちゃんと好きになるのは、初めてだった。まだ高校生だから、愛なんて語るには早過ぎるかもしれない。でも、自分の中で今まで生きてきて最も尊い感情が芽生え始めている、それは確かだった。
これから自分は変われるのだろうか。波折と一緒にいれば、強くなれるのだろうか。「心に弱いところを持っている」。そんな自分が、いつか――
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