青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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4章 柔道恋物語

柔道恋物語4-32

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一哉side

俺は…投げられてしまった。
審判『技あり!!……待て!!』
蓮『先輩!!…』
将太『油断するんじゃねぇ!!勝つんだろ!?』
海翔『ファイトー!!!』
勇人『まけるな…!!おせ!!』
俺『(ちっ…タメ口になってやがる…
だけど…その通りだな…行くぞ…)』
残り時間は30秒…。
本当に逃げ場がない。
相手が連続でトドメを刺す技
を繰り出してきた。
………俺は…………相手の技をもろに食らいそうになりながら…その技よりも
かなり素早く…左の1本背負いをやった。
相手は…綺麗に飛んでいった。
時間はあと6秒…。
『(間に合え!!)』
審判『…1本!!!!!それまで!!!』
将太『よし!!!希望は繋がった…!!』
蓮『あぁ…ヒヤヒヤした…』
海翔『あぁ……まだあるのか…』
審判『代表戦を行います。
代表者を顧問の先生は審判に伝えて下さい』
佐々木『西野君…いける?』
俺『まだまだ!余裕です!』
美月『気ぃ抜くんじゃないよ!!あと4分で決着つくんだからね!』
将太『勝って…最高にカッコつけてみろ!』
瑠夏『みんなでいくよ!全国!!!!』
美波『あと4分…ファイトです!!兄のためにも…頑張ってください!信じてます!』
美奈『皆で信じてます!頑張って下さい!』
七瀬『行こう…一哉…あと1歩だよ…!!』
俺『皆……ありがとう…任せろ…俺は勝つ』
佐々木『代表…西野一哉!!!』
帝南顧問『代表…乃村和人!!』
俺と乃村の再戦が決まった。
審判『代表戦…では、はじめ!!!!』
俺『っしゃ!!』
乃村『来い!』

美月side

一哉と乃村はお互い1歩も譲らず
有効をとれば取り返され
技ありをとられれば取り返し…。
本当に互角状態だった。
…しかし…悲劇が起きた。




乃村の…払い腰の…足が
一哉の左足に……

【直撃した】

一哉『ぐぁ……!!』
審判『ま、待て!!』
審判が試合を止めて一哉に近寄る。
審判『大丈夫かね…?』
一哉『…ハァ…ハァ…うぅ…』
審判『無理か…この試合…西野選手の棄権によ…』
一哉『できます!…棄権なんかしません!』
佐々木『西野君…無理しないで!!』
七瀬『無理しないでって…言ってるじゃん…』
一哉『俺は…こんなに楽しい試合久しぶりだから…最後までやる。皆を戦に連れて行く…だから…やらせてくれ…』
審判『うーん…仕方ない…試合続行!』
七瀬『一哉…』
将太『かっこつけやがって…』
蓮『頑張ってください…!』
私『…おもいっきりやってきな!一哉!』
愛実
美波『…信じてます…』
美奈『頑張れ!私の目標!』
海翔『ファイトです!!俺のライバル!』
勇人『負けないで下さいよ!』
里奈『最高にかっこつけてください!』
玲香『皆で応援してます!』
瑠夏『一哉…行こう!みんなで!』
一同『全国へ!!!!』
一哉は…開始線に再び戻っていった。


一哉side


俺『(ありがとう…皆…みてて…)』
審判『では…はじめ!!!』
残りは1分
俺は…ポイントも攻め具合も互角…。
このままいけば判定…。
『(俺は……俺は勝つ!……)』
そう思うと…体が勝手に技に入っていた。
乃村『!!!!』
次の瞬間…会場が一斉に盛り上がった。
審判『1本!!!!!!!それまで!!』
江西『やったー!!!お疲れ一哉!!!』
俺は…うちまたに入ってそのままうちまたをやるように見せかけて…巻き込み背負いを
やったのだった。
しかし…足が限界だった。
俺は……そこで意識を失った。
失う直前に七瀬に名前を呼ばれた気がしたが…本当のところは…わからない….。
















病院からやっと退院できた俺は
久し振りの部活へと向かった。
校舎が見えてくると
そこには…。
『男子柔道全国大会出場!おめでとう!』
『女子柔道全国大会出場!おめでとう!』『男子柔道個人 中居将太全国大会出場!』
『女子柔道個人 水野美月全国大会出場!』
『男子柔道個人 桐生蓮 第3位!』
『男子柔道個人 吉田勇紀 第3位!』
『女子柔道個人 山下瑠夏 第2位!』
『女子柔道個人 伊東美奈 第3位!』
『女子柔道個人 北野美波 第3位』
と…9つの垂れ幕が…。

俺は気を失った後すぐに病院へ運ばれたが、
メンバー達は俺が勝ち取った全国出場高校
の名前を守るために必死に戦ってくれた。
その結果…メンバー12人の内6人入賞。
俺が行けるはずだった個人戦の枠は
将太が守ってくれた。

俺は校舎を見ながら道場へ向かっていく。
俺がゆっくりと歩いていると…

??『あの…』
俺が振り返るとそこにいたのは…
愛実の彼氏の好一だった。
俺『どうした?』
好一『いや…試合お疲れさまでした。
愛実が興奮ぎみにずっとはなしてて
挨拶したくて…』
俺『そっかそっか。わざわざありがとな』
好一『西野先輩…モテるみたいですけど…
櫻井さん?を大切にしてくださいね』
俺『え、モテない…けど…もちろん…
俺は七瀬と一緒にこれからも歩いていくよ』
好一『家族にするつもりがないなら…
あまり心配かけちゃ可哀想ですよ?』
俺『そんな…気が早いだろ…』
好一『早くなんてないです。もう卒業まで先輩達は8ヶ月しかないんですから』
俺『まあ…』
好一『櫻井先輩と幸せに暮らしてくださいね…先輩と同棲してるって聞いたので…
じゃあ、僕はここで』
俺『(なんで同棲してるってなってるんだ…??居候なのに…)あぁ、愛実のこと
お前も幸せにしてやれよ』
好一『はい。もちろんです!』
好一が去っていった直後
前方から俺の名前を呼ぶ声がした。

美月『一哉!!!お帰り!!…お疲れ様!
江西のエース!!』
瑠夏『お帰り!!本当心配かけすぎ…』
将太『まったく…かっこつけエースの
復活か…』
蓮『またヒヤヒヤさせられそうですな…』
勇紀『おい蓮!…聞こえちゃうぞ…』
美波『せんぱーい!早く来てください!
練習始めますよ!!』
美奈『じゃ、また明日から居残りお願いしますね!』
愛実『あー!じゃ…私もお願いします!』
美波『愛実…あなた強いでしょ…』
愛実『いいじゃん!もっと…驚きの強さがほしい……アメイジングストロング~!』
美月『愛実…それ意味わかんないよ…』

俺は皆のところへゆっくりと
近づいていった。

すると後ろから…俺を呼ぶ声が聞こえた。


七瀬『一哉!!!』
俺『七瀬…!』
七瀬『本当にお帰り!…全国連れてくっていう約束…果たしてくれてありがとう!』
俺『あぁ…最後まで心配かけてごめんな』

すると七瀬がいつも出さないような大声で…
七瀬『私!やっぱり…一哉が大好き!!!』
俺『ちょ…皆いるところで…』
瑠夏『うわ…見せつけるね…でも私も大好きだし…やっぱり狙おうかな?』
美奈『あ!私も!』
美波『………私も……』
美月『……右に同意…』

七瀬『ダメだよ!…不安だったけど……
私は一哉と一緒にいたい!』
俺『だから、皆がいる前で言わな…』
七瀬は…いつも以上の大胆さで
俺の口を塞いできた。

将太『あー!!ハレンチな…かっこつけエースは…俺が撲滅してやる!!!』
蓮『せ、中居先輩…だめっすよ…』
勇紀『俺は協力しますが…』
美月『いいね!やっぱ…勝てないわ…』

皆の冷やかしと怒りの声を聞きながらも…

俺は七瀬に…自分からキスをして…
抱き締めた。


もう離さないという誓いの意味を込めて…。


本戦…必ず勝つ!

美月『一哉!七瀬!復帰祝いの円陣行くよ!集まって!』
 
俺たちは美月のところへ行った。

美月『エース、掛け声を!』

俺『次は全国…絶対勝つぞ!全国制覇!!』
一同『全国制覇!!』


まだまだ江西高校柔道部の夏は終わらない。

これから…長い長い夏が始まるのだった。



青春恋物語~柔道恋物語~完
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