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最近、原因不明の眩暈が起こる。
頭痛と吐き気が酷い。
前よりもイライラしている自分がいる。
毎週火曜日の六時間目に明夏は、東雲に抱かれた。初めて抱かれた場所と同じ、剣道部の部室で、無言で抱き合う。
繁殖期で盛っている動物のように、会話らしい会話もなく激しくセックスをする。
(今日も……石鹸の匂いしかしない)
一日中、体育の授業をしてほぼ外にいたはずなのに、汗臭さが全くない。それも明夏が嫌いと言った日からずっと……。明夏を抱くときは、お風呂あがりのような匂いしかしない。
『東雲先生はコーヒーが大好きで。俺が匂いすらも駄目だから、我慢させてて。すごく胸が痛いんだ』
南野の言葉を思い出す。明夏が嫌いと言ったから、気を使っているのかもしれない。
(そうだね……南野の気持ちがわかった。胸が痛い)
やっぱり、東雲はずるいと思う。婚約者もいて、同棲相手もいて……さらに明夏を抱いている。幻滅して、嫌いになってもいい相手なのに、嫌いになれないんだから。こうして足を広げて、受け入れてしまう。
足りないときは、一人ベッドの中で自慰行為をして処理をしてる。
「……んぅ、あっ……んぅ……もぉ、いっ……いっちゃ……」
ビクビクっと太ももが震えて、身体も震えだす。今日は正常位で、最初から激しく突かれた。
(もう……だめっ)
背中を反り返って、足先をピンっと伸ばして世界が真っ白になった。乱れた呼吸が整う前に、東雲のキスが降ってきた。
「あす、なっ……あすな」
下の名前を呼んで、キスの嵐が始まる。頬、顎、耳の後ろ……首、鎖骨と。鎖骨までくると、歯をたてて皮膚を噛んだ。
「いっ……いたっ」
「明夏……もっと……」
「先生?」
いつもと違う。東雲から求めるような言葉を発するなんて。
互いの手を握りしめ合うと、ぎゅうっと手を掴んできた。痛いくらいに強く握りしめられ、律動が早くなった。
「明夏……名前を、呼んで」
「東雲……せんせい」
「違う。下の名を」
「……とうや……?」
「あす、な……もっと」
「冬夜……とうや、あっ! やっ……また、イッちゃ……」
「……くっ。ああ」
奥まで突き上げた東雲が熱を吐き出した。東雲の呼吸も荒くなる。熱い吐息が耳朶に触れて、背筋がゾクゾクした。
一緒に果てると、すぐに東雲が中から撤退していく。溢れた精液が床を汚した。
頭痛と吐き気が酷い。
前よりもイライラしている自分がいる。
毎週火曜日の六時間目に明夏は、東雲に抱かれた。初めて抱かれた場所と同じ、剣道部の部室で、無言で抱き合う。
繁殖期で盛っている動物のように、会話らしい会話もなく激しくセックスをする。
(今日も……石鹸の匂いしかしない)
一日中、体育の授業をしてほぼ外にいたはずなのに、汗臭さが全くない。それも明夏が嫌いと言った日からずっと……。明夏を抱くときは、お風呂あがりのような匂いしかしない。
『東雲先生はコーヒーが大好きで。俺が匂いすらも駄目だから、我慢させてて。すごく胸が痛いんだ』
南野の言葉を思い出す。明夏が嫌いと言ったから、気を使っているのかもしれない。
(そうだね……南野の気持ちがわかった。胸が痛い)
やっぱり、東雲はずるいと思う。婚約者もいて、同棲相手もいて……さらに明夏を抱いている。幻滅して、嫌いになってもいい相手なのに、嫌いになれないんだから。こうして足を広げて、受け入れてしまう。
足りないときは、一人ベッドの中で自慰行為をして処理をしてる。
「……んぅ、あっ……んぅ……もぉ、いっ……いっちゃ……」
ビクビクっと太ももが震えて、身体も震えだす。今日は正常位で、最初から激しく突かれた。
(もう……だめっ)
背中を反り返って、足先をピンっと伸ばして世界が真っ白になった。乱れた呼吸が整う前に、東雲のキスが降ってきた。
「あす、なっ……あすな」
下の名前を呼んで、キスの嵐が始まる。頬、顎、耳の後ろ……首、鎖骨と。鎖骨までくると、歯をたてて皮膚を噛んだ。
「いっ……いたっ」
「明夏……もっと……」
「先生?」
いつもと違う。東雲から求めるような言葉を発するなんて。
互いの手を握りしめ合うと、ぎゅうっと手を掴んできた。痛いくらいに強く握りしめられ、律動が早くなった。
「明夏……名前を、呼んで」
「東雲……せんせい」
「違う。下の名を」
「……とうや……?」
「あす、な……もっと」
「冬夜……とうや、あっ! やっ……また、イッちゃ……」
「……くっ。ああ」
奥まで突き上げた東雲が熱を吐き出した。東雲の呼吸も荒くなる。熱い吐息が耳朶に触れて、背筋がゾクゾクした。
一緒に果てると、すぐに東雲が中から撤退していく。溢れた精液が床を汚した。
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