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バラ庭にて

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はいはい。またしてもエリーナから実況させていただきますっ!(開き直りましたわよ)


ただいまリオ王太子と共にバラ庭に向かっておりますー。おっ!前方にバラ庭発見!っと言ってもながーーーーい廊下!100メートルはありますっ!未来はなさそうです!


「急に驚いてるでしょう?」

おっ!イケメンが話しかけてきたっ!なんということでしょう。もう私!未練はありません!


「はい。とても驚きましたわ。第2王子殿下と婚約など務まるかどうかも心配ですし、こんな異端な物と婚約など、申し訳ないです。」

1回実況はやめましょうっ!疲れましたわっ!

そう。私は社交界で一般的に異常化け物なのだ。
私の目は灰色。お母様とお父様は翡翠色と藍色だ。そしてお兄様はバッチリお母様と一緒の翡翠色。なのに私は灰色。


灰色や黒というのは縁起が悪いとされている。なぜかと言うと魔術を生み出した魔界の地面と空の色だとされているから。

魔界に住んでいた魔族の魔術師が色を作り出すためにこの別世界に来て色から生命などありとあらゆる物を作ったそうだ。


だからこそこの国の民は色を大切にし、 

私のような色を持つものを軽蔑し恐怖を抱く。

·····まぁ私は家族にも知り合いにも言われたことがないし、自分の色嫌いじゃないから幸せなのだけれど

私自身が幸せでも異常化け物なのは変わらないということ。

本当になんでこうなったのか·····。。


「何を言ってるんだい?エリーナ嬢は。私がいつあなたの色をおかしいと言ったかい?しかも私は第2王子だ。そんなやることも無いだろ。気楽に行こうよ」

はぁ。この王子どっかおかしいんだろうか·····



「ほら。そんな話より着いたよ?綺麗だろう」

というリオ王子(もういいやこれで面倒臭い)の声に合わせて私の視界には綺麗な色とりどりのバラがいっぱいに広がった

「·····とても綺麗ですっ!」


なんて美しいんだろう。こんな庭園は見たことがないっ!と私が笑いながら淑女とは思えないほどクルクル動き回り喋っているのを暖かな目で見ている人がいるとは知らずに


「そうだろう·····ここの庭は最初は王妃·····いやお母様が作り出した庭なんだよ。だからここは公開されないんだ。」

そういう訳か。だからこんな素晴らしい庭が世間で広まっていない·····私の知らないことが世の中には多いわ·····


「そうなのですか·····私は元々見るよりも作る。話すよりも遊ぶ方が好きな性格でして。このようなものを見ると。  とても惹かれます」

「そうか·····それは良かった」
とリオ王子は子供っぽい喋り方に似合わないあどけない笑顔を私に見せてきた

「あと、私はエリーナ嬢のそんな行動はとてもいいと思うよ?見ててとても楽しい」


最後の言葉いらないよねっ!と内心突っ込みながらも顔を赤くさせ、それを見てまた王子が笑ってたのを知るのはもっと後のこと·····
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