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30 きちんとお礼が言える予感
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泊ってもいいのに、そう言われたけど、部屋まで送ってもらって、そのまま自分の部屋で過ごすことを選んだ。
別に二股とか、酷い別れ方をしたことはない。
何でなのか自分でも分からないけど、やっぱり心配症で自信がない、自分の心の問題だと思う。
一緒にいると安心する。
でも離れていても安心したい。信じたい。
取りあえず金曜日の夜ご飯を楽しみにしよう。
しかし、沙良ちゃん。
本当に大胆。
今、七尾さんに寄って行って手紙なんて渡したら、噂になるのは沙良ちゃんなのに。
お礼は素直に言えるだろうか?
前回の分も言えずじまいで。
ちゃんと言おうとは思ってるけど。
次の日、付箋をパソコンに貼りつけた。
チョコレートを一緒に置いた。
沙良ちゃんがやってきて気が付いた。
「大丈夫でした?」
「ありがとう。」
「本当にすごく・・・・・大変ですよ。私も気が抜けません。でももうバレましたけどね。あっさり陥落、もっと楽しみたかったくらいです。」
「あ・・・・・・。ごめんね。」
「いいです、別に。最初からバレてましたから。必死で首を振る感じを楽しめました。」
そう言われると余計に恥ずかしい。
「あの後、トイレでも聞いたの。なんだかすごく積極的な先輩みたい。」
「ええ~、そうだったんですか。何でそんなタイミングでトイレに入るんですか?」
「私に言われても仕方ない。」
「もう、うっかりが過ぎます。」
だから私に言われてもしょうがないじゃない。
一応仕事前だけど小声の会話だった。
社食には行きたくないと思ってた。
沙良ちゃんに誘われて三度目のベトナム料理。
「ねえ、私のことより、沙良ちゃん彼氏は?」
「いますよ、たった一人ですけど。」
「そりゃあそうでしょう。でも、どんな人なの?」
「う~ん、面倒な人です。すず先輩より面倒です。手がかかります。」
わたしよりとか・・・・面倒・・・・・って。
「お尻に敷いてても常にバランスはいいか、痛くないか、聞きながら面倒見て、手入れをしてます。もう、本当に敷くのが面倒になるくらい、面倒な人です。」
それは・・・言いなりにさせるにも指導が必要って事?
「年下?」
「残念ですが、それも先輩と同じで一つ上です。」
だから『それも』ってなによ。
・・・本当に先輩だって思ってる?
「なんだか、そういう役回りなのかなって思います。時々前世か来世は猿回しかもしれないって思います。」
彼氏のことだけを思って言ってると信じたい。
猿回し・・・・。
「でも先輩もうまくいって良かったです。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
最後にはお礼を言えた。
猿回し・・・・5パーセントくらい、心にひっかりがあったけど、素直に言えたはず。
本当に、可哀想なくらい妹の鈴ちゃんが兄離れをしたようで。
七尾さんの予約制の週末は埋まることなく、ほとんど私と過ごしてる。
「寂しくないですか?」
「リンがいなかったら泣いてたかも。暇すぎて泣いてたかも。」
「寂しすぎての間違いでしょう?」
「その辺はやっぱり妹は違うんだよ。」
「連絡はしてるんですか?」
「まあまあ、来るよ。」
妹の話をするときも優しい顔をする。
小学生じゃなくて、高校生とか、大学生だったら、私はもっとモヤッとした気持ちになってただろうか?もしかしたら鈴ちゃんも。
さすがに小学生の鈴ちゃんに抱きつかれてる七尾さんを想像しても、冷静でいられる。
隣に座り、くっついた姿勢で上を見ていた。
「何?」
「・・・・髪の毛大分伸びましたね。」
「そうかな?」
「見慣れたら、昔を思い出せないですね、本当に。」
今でも服装はスーツもどきのまま。
昔のようなパーカー姿に戻ることはない。
周りもすっかりそれに慣れたらしい。
今のところ新しくライバルに立候補してくる人はいないらしい。・・・本人の申告と沙良ちゃん情報によれば。
私服は時々買っているらしく、だいぶん見慣れない服が増えた。
新鮮だし、いちいち褒めていい気分にさせている。
そうすると張り切っておしゃれを楽しんでくれそうで。
ただ、花柄と帽子とサングラスはまだ見たことがない。
そこにはまだ壁を感じるんだろうか?
「何?」
「え?」
「すごく嬉しそう。」
「嬉しそうでした?」
「うん。」
「リン、何だか最初の頃はいろいろと複雑で、大変だったよね。」
「そんな昔じゃないですよ。」
「リンがあの頃の俺を思い出せないくらいには昔のことでしょう?」
「あの犬には全く会わない?」
「多分、女の子が時々散歩してるのを見かけてますけど、分からないです。」
「そんなにわざとずらさなくても、犬と言えば飼い主だよ。男の人には会わない?」
「だってもともと週末の散歩係って言ってました。週末はほぼ、ここにいるし・・・・。」
「・・・・・そうか。」
「本当に、偶然って大切なんだね。」
「ん・・・・・、そうですね。」
「ねえ、もっとこっちに来てよ。」
腰を引き寄せられた。
斜め後ろを向いてキスをして、軽くお腹や胸に手を当てられて。
不自然な姿勢。
ゆっくり向きを変える。
鈴ちゃんが毎週お兄ちゃんに会いたいって言ったらどうしよう。
そんな事も思ってたのに。
「七尾さん。・・・・もっと。」
「あっちに行こう。」
七尾さんの時間をたっぷりもらってるのは私だった。
「七尾さん、鈴ちゃんに会ってないってことはご両親にも随分会ってないですよね?」
「そうだね。実家に近寄ってないから。」
「変だなあって思って心配してませんか?」
「どうしてそんなこと思うの?」
「だってあんなに帰ってたのに、急に帰らなくなったら心配しませんか?」
「ううん、逆に安心してるよ。彼女とラブラブに過ごしてるんだなあって。」
「ご両親はそう思ってるんですか?」
「鈴が教えたらしいよ。だから邪魔するなって言っといたって。」
「『邪魔』って何ですか?」
「さあ、しばらく放っといて見守ろうと言う家族会議の結果じゃない?」
何となく早く結婚した親の子供は早く結婚するみたいな感じだと思ってた。
そういえば七尾さんは違う。
でも、ご両親はすごく早いんだと思う。本当に驚きなくらい!
そして、七尾さんに今までそんな話があったのか、なかったのか知らないけど。
少なくともここ3年くらいはないらしいし。
ご両親も、鈴ちゃんもボサボサの髪で、いつも同じ服を着てる、いい年の息子がちょっとこざっぱりして、ラブラブな彼女がいて、うれしい?
安心してるんなら、少しは役にたってる?
「その内、鈴が会いたいって言うかも。」
「私にですか?」
「もちろん。」
「なんだか小学生相手に緊張しそうです。」
「大丈夫だよ。後輩のあの子に鍛えられてるでしょう?」
「沙良ちゃんですか?確かに鍛えられてると言うか、世話をやかれてます。」
「まあ、あの子に比べたら、まだまだ可愛いもんだよ。」
「同じグループって言うだけでも、恐ろしいです。」
「そこは否定しないかも。」
「でも鈴ちゃんがトニーについて来てくれなかったら会えなかったんですから感謝はしたいんです。お礼が言いたいです。」
「そうしたら社内で、何かの偶然を見つけて声をかけてたよ。」
「本当ですか?」
「うん。そうしたら、お互いに変な寄り道せずに、もっとすぐにこうなったかも。」
「いいんです。あのヘアバンド姿が衝撃的でした。」
だってどんな顔なのか、あの頃想像することはなかった。
顎しか見えてなっかった。
薄暗い中、顔を見る。すっかり見慣れた七尾さんの顔。
あの時は全く気が付かなかった。
先に私に気が付いてくれた七尾さん。
もし、会社であんなボサボサ頭バージョンの七尾さんに声をかけられて、私は反応できたかな?
『もし』がいっぱいだけど、きっとこうなってたって言ってくれるんなら、そうだったんだろう。
七尾さんが私のパスワードを覚えててくれたように、私だって初めてのパソコンのセッティングが七尾さんだったって覚えてる。
まあ、あんな感じの人は他にいないから、忘れられないけど。
「七尾さん。良かったです。」
「そうだね。・・・・うん?何が?」
「もう、出会えて、良かったですって。今、近くにいれることも。」
「本当だね。」
別に二股とか、酷い別れ方をしたことはない。
何でなのか自分でも分からないけど、やっぱり心配症で自信がない、自分の心の問題だと思う。
一緒にいると安心する。
でも離れていても安心したい。信じたい。
取りあえず金曜日の夜ご飯を楽しみにしよう。
しかし、沙良ちゃん。
本当に大胆。
今、七尾さんに寄って行って手紙なんて渡したら、噂になるのは沙良ちゃんなのに。
お礼は素直に言えるだろうか?
前回の分も言えずじまいで。
ちゃんと言おうとは思ってるけど。
次の日、付箋をパソコンに貼りつけた。
チョコレートを一緒に置いた。
沙良ちゃんがやってきて気が付いた。
「大丈夫でした?」
「ありがとう。」
「本当にすごく・・・・・大変ですよ。私も気が抜けません。でももうバレましたけどね。あっさり陥落、もっと楽しみたかったくらいです。」
「あ・・・・・・。ごめんね。」
「いいです、別に。最初からバレてましたから。必死で首を振る感じを楽しめました。」
そう言われると余計に恥ずかしい。
「あの後、トイレでも聞いたの。なんだかすごく積極的な先輩みたい。」
「ええ~、そうだったんですか。何でそんなタイミングでトイレに入るんですか?」
「私に言われても仕方ない。」
「もう、うっかりが過ぎます。」
だから私に言われてもしょうがないじゃない。
一応仕事前だけど小声の会話だった。
社食には行きたくないと思ってた。
沙良ちゃんに誘われて三度目のベトナム料理。
「ねえ、私のことより、沙良ちゃん彼氏は?」
「いますよ、たった一人ですけど。」
「そりゃあそうでしょう。でも、どんな人なの?」
「う~ん、面倒な人です。すず先輩より面倒です。手がかかります。」
わたしよりとか・・・・面倒・・・・・って。
「お尻に敷いてても常にバランスはいいか、痛くないか、聞きながら面倒見て、手入れをしてます。もう、本当に敷くのが面倒になるくらい、面倒な人です。」
それは・・・言いなりにさせるにも指導が必要って事?
「年下?」
「残念ですが、それも先輩と同じで一つ上です。」
だから『それも』ってなによ。
・・・本当に先輩だって思ってる?
「なんだか、そういう役回りなのかなって思います。時々前世か来世は猿回しかもしれないって思います。」
彼氏のことだけを思って言ってると信じたい。
猿回し・・・・。
「でも先輩もうまくいって良かったです。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
最後にはお礼を言えた。
猿回し・・・・5パーセントくらい、心にひっかりがあったけど、素直に言えたはず。
本当に、可哀想なくらい妹の鈴ちゃんが兄離れをしたようで。
七尾さんの予約制の週末は埋まることなく、ほとんど私と過ごしてる。
「寂しくないですか?」
「リンがいなかったら泣いてたかも。暇すぎて泣いてたかも。」
「寂しすぎての間違いでしょう?」
「その辺はやっぱり妹は違うんだよ。」
「連絡はしてるんですか?」
「まあまあ、来るよ。」
妹の話をするときも優しい顔をする。
小学生じゃなくて、高校生とか、大学生だったら、私はもっとモヤッとした気持ちになってただろうか?もしかしたら鈴ちゃんも。
さすがに小学生の鈴ちゃんに抱きつかれてる七尾さんを想像しても、冷静でいられる。
隣に座り、くっついた姿勢で上を見ていた。
「何?」
「・・・・髪の毛大分伸びましたね。」
「そうかな?」
「見慣れたら、昔を思い出せないですね、本当に。」
今でも服装はスーツもどきのまま。
昔のようなパーカー姿に戻ることはない。
周りもすっかりそれに慣れたらしい。
今のところ新しくライバルに立候補してくる人はいないらしい。・・・本人の申告と沙良ちゃん情報によれば。
私服は時々買っているらしく、だいぶん見慣れない服が増えた。
新鮮だし、いちいち褒めていい気分にさせている。
そうすると張り切っておしゃれを楽しんでくれそうで。
ただ、花柄と帽子とサングラスはまだ見たことがない。
そこにはまだ壁を感じるんだろうか?
「何?」
「え?」
「すごく嬉しそう。」
「嬉しそうでした?」
「うん。」
「リン、何だか最初の頃はいろいろと複雑で、大変だったよね。」
「そんな昔じゃないですよ。」
「リンがあの頃の俺を思い出せないくらいには昔のことでしょう?」
「あの犬には全く会わない?」
「多分、女の子が時々散歩してるのを見かけてますけど、分からないです。」
「そんなにわざとずらさなくても、犬と言えば飼い主だよ。男の人には会わない?」
「だってもともと週末の散歩係って言ってました。週末はほぼ、ここにいるし・・・・。」
「・・・・・そうか。」
「本当に、偶然って大切なんだね。」
「ん・・・・・、そうですね。」
「ねえ、もっとこっちに来てよ。」
腰を引き寄せられた。
斜め後ろを向いてキスをして、軽くお腹や胸に手を当てられて。
不自然な姿勢。
ゆっくり向きを変える。
鈴ちゃんが毎週お兄ちゃんに会いたいって言ったらどうしよう。
そんな事も思ってたのに。
「七尾さん。・・・・もっと。」
「あっちに行こう。」
七尾さんの時間をたっぷりもらってるのは私だった。
「七尾さん、鈴ちゃんに会ってないってことはご両親にも随分会ってないですよね?」
「そうだね。実家に近寄ってないから。」
「変だなあって思って心配してませんか?」
「どうしてそんなこと思うの?」
「だってあんなに帰ってたのに、急に帰らなくなったら心配しませんか?」
「ううん、逆に安心してるよ。彼女とラブラブに過ごしてるんだなあって。」
「ご両親はそう思ってるんですか?」
「鈴が教えたらしいよ。だから邪魔するなって言っといたって。」
「『邪魔』って何ですか?」
「さあ、しばらく放っといて見守ろうと言う家族会議の結果じゃない?」
何となく早く結婚した親の子供は早く結婚するみたいな感じだと思ってた。
そういえば七尾さんは違う。
でも、ご両親はすごく早いんだと思う。本当に驚きなくらい!
そして、七尾さんに今までそんな話があったのか、なかったのか知らないけど。
少なくともここ3年くらいはないらしいし。
ご両親も、鈴ちゃんもボサボサの髪で、いつも同じ服を着てる、いい年の息子がちょっとこざっぱりして、ラブラブな彼女がいて、うれしい?
安心してるんなら、少しは役にたってる?
「その内、鈴が会いたいって言うかも。」
「私にですか?」
「もちろん。」
「なんだか小学生相手に緊張しそうです。」
「大丈夫だよ。後輩のあの子に鍛えられてるでしょう?」
「沙良ちゃんですか?確かに鍛えられてると言うか、世話をやかれてます。」
「まあ、あの子に比べたら、まだまだ可愛いもんだよ。」
「同じグループって言うだけでも、恐ろしいです。」
「そこは否定しないかも。」
「でも鈴ちゃんがトニーについて来てくれなかったら会えなかったんですから感謝はしたいんです。お礼が言いたいです。」
「そうしたら社内で、何かの偶然を見つけて声をかけてたよ。」
「本当ですか?」
「うん。そうしたら、お互いに変な寄り道せずに、もっとすぐにこうなったかも。」
「いいんです。あのヘアバンド姿が衝撃的でした。」
だってどんな顔なのか、あの頃想像することはなかった。
顎しか見えてなっかった。
薄暗い中、顔を見る。すっかり見慣れた七尾さんの顔。
あの時は全く気が付かなかった。
先に私に気が付いてくれた七尾さん。
もし、会社であんなボサボサ頭バージョンの七尾さんに声をかけられて、私は反応できたかな?
『もし』がいっぱいだけど、きっとこうなってたって言ってくれるんなら、そうだったんだろう。
七尾さんが私のパスワードを覚えててくれたように、私だって初めてのパソコンのセッティングが七尾さんだったって覚えてる。
まあ、あんな感じの人は他にいないから、忘れられないけど。
「七尾さん。良かったです。」
「そうだね。・・・・うん?何が?」
「もう、出会えて、良かったですって。今、近くにいれることも。」
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