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2 ギイチ、現状把握と目標設定の日。
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前に一鉄をお気に入りの定食屋さんに連れて行ったら、その後から奈央さんとそんなお店を見つけて楽しんでると報告が来た。
アユさんにそれを言ったらあゆさんも興味を持ってくれた。
全然気取らなくてゆっくり常連さんやお店のおばちゃんとお喋りもできる居心地の良いお店、アユさんも気に入ってくれた。
食事はおしゃれなところも誘いにくい。きっと僕がマゴマゴしてしまうから。
だから気に入ってもらえてすごく嬉しかった。
今日もそんなところから二人で選んだお店に行った。
「あ、ギイチくん、いらっしゃい。アユさん、こんにちわ。」
名前もアユさんの分も覚えてくれてるおばちゃん。
テーブル席に座りメニュー表を見て注文する。
次のイベントの話をしたり、今度行く取材先の話をしたり。
「ねぇ、アユさんは誰か鉄友いるの?」
「ギイチさんの他にですか?」
「・・・・うん、そうだね。」
「いません。あんまりそんなに好きだって言ってないです。」
「そうなんだ。」
「宇佐美さんはさぁ、その辺は逞しかったみたいで、自分の友達何人も鉄子にしたって自慢してたよ。最初は可愛いから入って、すごいねからのカッコいいにレベルを上げるんだって。いろいろ喋ってたけど、詳しくは忘れた。とにかく巻き込む系みたい。」
「本当に歯医者で隣に座った人にすら自分のところの本を薦めて来るんだって。そこまでいくとすごいよね。」
笑って首を倒された。
そんな少しの仕草もかわいい。
でもさっき、さり気なく言われた。
僕は、まだ・・・・ただの『鉄友』なんだって思った。
僕だって一鉄すら鉄男にできなかったし、ほかにはイベントで知り合った同じ匂いの男たちしか鉄友はいない。
女の子なんて全く。
今は最初に悩んでいたことが嘘のように、もっと楽に誘えてる。
だから随分仲良くなれたと自信はある。
見たいと言われたコレクションを見せることになり、でも部屋からは持ち出せない。
『部屋にお邪魔したらだめですか?』そう言われてだめな訳はなく。
大切なコレクションだから、ちゃんと掃除もしてる。
ものは多いけど決して汚い部屋じゃない。
それでも前日までは細かいところまで見て掃除はした。
『大切に、きれいに整頓してあげてるんですね。』と褒められた。
それからも部屋には何度か来てもらってる。
外では無理なときに、最初みたいに持ち出しにくかったり、今日みたいに取材先の長い映像を見せたりする時に。
逆に二回くらいアユさんの部屋にもお邪魔した。理由は同じ。
コレクションは寝室にあると言われて、おとなしくリビングで持ってきてもらうのを待ったくらいだ。
お互いにお茶やコーヒーを飲んだり、ケーキを買ってきて食べたり。でも食事は外だった。僕はもちろん、アユさんが料理上手かどうか、人並みと言う言葉しか知らない。
初めて話しかけて、連絡先を交換して、イベントに誘い合うようになって、お互いの部屋で過ごすことも出来るようになって。
一鉄には『恋人になりました。』と報告をした。
自分史上一番テンション高く教えた。
どんなレアアテムをゲットしたときよりもハイになった。
文字でそれが伝わったかどうかわからないけど、きっと伝わったと思う。
何度も応援してるって言われた。
アユさんに文字じゃなくて、ちゃんと向き合って言葉で伝えたのだ。
「アユさんと過ごす週末が何より楽しいです。いろんなところに行ったり、知らない事に気がついたり。これからももっといろいろ行けると嬉しいです。」
本当に『特別な二人としてデートしたい。』という意味で伝えたのに。
「私も楽しいです。ギイチさんはやっぱり詳しいし、すごく楽しく教えてくれて私もお勉強できてます。そのうえお土産も頂いたりして、こちらこそありがとうございます。これからもいろいろ教えてもらえたらうれしいです。」
そう言われただけで舞い上がった。
うれしくてうれしくて。アユさんが笑ってそう答えてくれて、ぜんぜん考える間もなくそう答えてくれて。
だから自分では伝わったつもりだった。
でもやっぱり違う気がしてきた。
ある程度仲良くなって二人の距離も近くなったと思ったけど、それ以上は縮まらないまま。
その距離は何と言うんだろうって、時々思ってた。
何がどうしたら、もっと確信が持てるんだろう?
さっきの『鉄友』の質問は宇佐美さんのことを思って聞いただけだった。
自分達二人の事を思ってたなんてことはなかったのに。
ふいに答えられた気がした。
アユさんにとって僕はただの・・・やっぱり鉄友なんだ。
あんなにうれしいを重ねてここまで来たのに、随分欲張りになったもんだ。
満足できない自分は、それに加えて不安も出てきた。
これじゃあ宇佐美さんとちっとも変わらないじゃないか。
趣味の共有。同志の二人。そんな関係の二人。
ため息はつかない、大切な時間だと思ってる。
たとえ鉄友でも。
ぼんやりと目の前のご飯を見てたみたいだ。
「疲れてますか?」
「ううん、ここはついリラックスするんだ。」
ああ、いけないいけない。
「なんだか私もすっかりお馴染みさんみたいに迎えてくれます。」
「僕の・・・・隣だからそうなんだよ、とっくにお馴染みさん認定だよ。」
「他に誰かと来ましたか?」
「うん、一鉄は2回くらい来たかな?一回かな?ほとんど夜に一人で来るから、昼はあんまり部屋から出なかった気がする。アユさんと一緒だと倍以上外に出てるかもしれない。」
鉄道イベント以外にも一緒に行ってる。
まるでデート気分で、アユさんに誘われればもちろん断ることはしないし。
「ギイチくん、なんだか痩せてきたね、お洋服もこじゃれてこざっぱりだし、なんでかなぁ?」
ニヤニヤしながらおばちゃんが言う。
「気のせいです!」
少し痩せたのは本当だ。
部屋にいる時間が少なくなって、少しおやつの量が減ったんだ。
取材のお土産もアユさんと二人で分けることが増えた。
自分が食べなくてもあげて満足したり。
外食は増えたけど、野菜も食べてるし、同じ量しか食べないからそんなにガッツリなのは、勝手に大盛りにしてくれてるここだけだ。
ありがたいけど、今日はまだ残ってる。
お腹いっぱいだ。
「多かった?」
おばちゃんも気がついたらしくて、声をかけてくれる。
「ゆっくり食べます。」
せっかく出してくれたんだから、食べる。
でも、次からは減るかもしれない。
時々お礼にお土産を買ってきたりしてる。
商売をしてると長く休むこともないから、旅行も少ないって前に言ってた。
だから遠くであんまり行かなそうな場所に行ったときだけ、買ってくる。
働き出してずっとあの部屋に住んでるから、馴染みのお店も長い付き合いになってる。
「ねえ、僕、一鉄の結婚式までに痩せようかな?アユさん、どう思う?」
「一鉄さんにびっくりされますね。でも、本当に少し痩せました?」
「ほんとに少しだよ。せっかく洋服選んでもらったから、キツくならないように。」
「だってパーカーですよ、大丈夫です!」
笑顔で言われた。
「そうだよね。」
今着てるパーカーは、確かにおばちゃんの想像通り、アユさんに選んでもらった大切な一枚だ。
「痩せたいのは他に原因があったりするんですか?」
だって、やっぱり。
一鉄みたいにカッコよくもないし、身長もない。
低い身長な上に、はっきり太めだし。
会社の年一の健康診断の時、お腹周りを測るのに看護師さんが一周ぐるっと回ってくださいって、おへそのあたりでメジャーの先っぽを自分で押さえてぐるりと回った。
痩せた人は看護師さんが背中に手を回すようにして普通に測られてるようだった。
手が回らないって思われたのかも。
ここ数年、ずっとそうなんだ。
一年ごとに少しずつ、でも着実に太っていったから。
逆に既に身長はゆるく下降気味なのだ。
やっばりなぁ・・・・。
「やっぱりって誰かに何か言われたんですか?」
「え、違うよ。」
「せっかく一鉄の晴れ舞台だから、僕もなんとなく・・・って。」
「本気なら協力しますよ。」
「え、なにかいい方法あるの?」
「私が試した方法です。私は効果ありました。」
びっくりした。アユさんは細い、もちろん僕が言うのもなんだけど、でも普通の女の人と比べても細いほうだと思う。
顔も小さいし。肩幅も小さいくらい、だから体も細い。
洋服関係の会社にいるから、そうなんだと思ってた。
売り場じゃなくても、試作品を見たり、流行はいち早く知るだろうし。
みんなオシャレだって言ってたことがある。
太ってたの?なんて聞けない。
「どんな方法?」
それを聞くしかない。
「それがギイチさんのベストかは分からないです。私より他に手伝ってくれる人がいるかもしれないですし。」
え、ジム?運動、まさかの運動?それは苦手だ。
じゃあ何が得意かと言われても、そんな得意があればきっともっと普通でいられてる。
気がついたらこうだった。多分高校の頃からゆっくりと。
一鉄の記憶には少しくらい昔の自分も残ってるかもしれない。
あれからだって随分成長してしまったあらゆる部分の目盛り。
「アユさんの負担にならなかったら、アユさんの方法で、アユさんに・・・・叱られながら励まされながら、取り組む、そうしたいけど。」
「大変かな、やっぱり。」
方法が全く分からない。何だろう?
「もう少し考えます。ちゃんと目標を持って、頑張れたらいいですよね。」
「うん。」
一鉄の式までに、少しでも昔に戻れるように。
その時もアユさんが近くにいてくれたら、ちゃんと一度確かめたいって思うかもしれない。
だから・・・・そのくらいの気合で頑張りたい!
来年の健康診断の時には看護師さんの手が回るくらい、いけるかな?
並んだたくさんの数字も正常ギリギリだから、そこも良くなるかもしれない。
もし苦手な運動でも、アユさんがスパルタでも、とりあえず頑張る!
そのつもりだ。
アユさんにそれを言ったらあゆさんも興味を持ってくれた。
全然気取らなくてゆっくり常連さんやお店のおばちゃんとお喋りもできる居心地の良いお店、アユさんも気に入ってくれた。
食事はおしゃれなところも誘いにくい。きっと僕がマゴマゴしてしまうから。
だから気に入ってもらえてすごく嬉しかった。
今日もそんなところから二人で選んだお店に行った。
「あ、ギイチくん、いらっしゃい。アユさん、こんにちわ。」
名前もアユさんの分も覚えてくれてるおばちゃん。
テーブル席に座りメニュー表を見て注文する。
次のイベントの話をしたり、今度行く取材先の話をしたり。
「ねぇ、アユさんは誰か鉄友いるの?」
「ギイチさんの他にですか?」
「・・・・うん、そうだね。」
「いません。あんまりそんなに好きだって言ってないです。」
「そうなんだ。」
「宇佐美さんはさぁ、その辺は逞しかったみたいで、自分の友達何人も鉄子にしたって自慢してたよ。最初は可愛いから入って、すごいねからのカッコいいにレベルを上げるんだって。いろいろ喋ってたけど、詳しくは忘れた。とにかく巻き込む系みたい。」
「本当に歯医者で隣に座った人にすら自分のところの本を薦めて来るんだって。そこまでいくとすごいよね。」
笑って首を倒された。
そんな少しの仕草もかわいい。
でもさっき、さり気なく言われた。
僕は、まだ・・・・ただの『鉄友』なんだって思った。
僕だって一鉄すら鉄男にできなかったし、ほかにはイベントで知り合った同じ匂いの男たちしか鉄友はいない。
女の子なんて全く。
今は最初に悩んでいたことが嘘のように、もっと楽に誘えてる。
だから随分仲良くなれたと自信はある。
見たいと言われたコレクションを見せることになり、でも部屋からは持ち出せない。
『部屋にお邪魔したらだめですか?』そう言われてだめな訳はなく。
大切なコレクションだから、ちゃんと掃除もしてる。
ものは多いけど決して汚い部屋じゃない。
それでも前日までは細かいところまで見て掃除はした。
『大切に、きれいに整頓してあげてるんですね。』と褒められた。
それからも部屋には何度か来てもらってる。
外では無理なときに、最初みたいに持ち出しにくかったり、今日みたいに取材先の長い映像を見せたりする時に。
逆に二回くらいアユさんの部屋にもお邪魔した。理由は同じ。
コレクションは寝室にあると言われて、おとなしくリビングで持ってきてもらうのを待ったくらいだ。
お互いにお茶やコーヒーを飲んだり、ケーキを買ってきて食べたり。でも食事は外だった。僕はもちろん、アユさんが料理上手かどうか、人並みと言う言葉しか知らない。
初めて話しかけて、連絡先を交換して、イベントに誘い合うようになって、お互いの部屋で過ごすことも出来るようになって。
一鉄には『恋人になりました。』と報告をした。
自分史上一番テンション高く教えた。
どんなレアアテムをゲットしたときよりもハイになった。
文字でそれが伝わったかどうかわからないけど、きっと伝わったと思う。
何度も応援してるって言われた。
アユさんに文字じゃなくて、ちゃんと向き合って言葉で伝えたのだ。
「アユさんと過ごす週末が何より楽しいです。いろんなところに行ったり、知らない事に気がついたり。これからももっといろいろ行けると嬉しいです。」
本当に『特別な二人としてデートしたい。』という意味で伝えたのに。
「私も楽しいです。ギイチさんはやっぱり詳しいし、すごく楽しく教えてくれて私もお勉強できてます。そのうえお土産も頂いたりして、こちらこそありがとうございます。これからもいろいろ教えてもらえたらうれしいです。」
そう言われただけで舞い上がった。
うれしくてうれしくて。アユさんが笑ってそう答えてくれて、ぜんぜん考える間もなくそう答えてくれて。
だから自分では伝わったつもりだった。
でもやっぱり違う気がしてきた。
ある程度仲良くなって二人の距離も近くなったと思ったけど、それ以上は縮まらないまま。
その距離は何と言うんだろうって、時々思ってた。
何がどうしたら、もっと確信が持てるんだろう?
さっきの『鉄友』の質問は宇佐美さんのことを思って聞いただけだった。
自分達二人の事を思ってたなんてことはなかったのに。
ふいに答えられた気がした。
アユさんにとって僕はただの・・・やっぱり鉄友なんだ。
あんなにうれしいを重ねてここまで来たのに、随分欲張りになったもんだ。
満足できない自分は、それに加えて不安も出てきた。
これじゃあ宇佐美さんとちっとも変わらないじゃないか。
趣味の共有。同志の二人。そんな関係の二人。
ため息はつかない、大切な時間だと思ってる。
たとえ鉄友でも。
ぼんやりと目の前のご飯を見てたみたいだ。
「疲れてますか?」
「ううん、ここはついリラックスするんだ。」
ああ、いけないいけない。
「なんだか私もすっかりお馴染みさんみたいに迎えてくれます。」
「僕の・・・・隣だからそうなんだよ、とっくにお馴染みさん認定だよ。」
「他に誰かと来ましたか?」
「うん、一鉄は2回くらい来たかな?一回かな?ほとんど夜に一人で来るから、昼はあんまり部屋から出なかった気がする。アユさんと一緒だと倍以上外に出てるかもしれない。」
鉄道イベント以外にも一緒に行ってる。
まるでデート気分で、アユさんに誘われればもちろん断ることはしないし。
「ギイチくん、なんだか痩せてきたね、お洋服もこじゃれてこざっぱりだし、なんでかなぁ?」
ニヤニヤしながらおばちゃんが言う。
「気のせいです!」
少し痩せたのは本当だ。
部屋にいる時間が少なくなって、少しおやつの量が減ったんだ。
取材のお土産もアユさんと二人で分けることが増えた。
自分が食べなくてもあげて満足したり。
外食は増えたけど、野菜も食べてるし、同じ量しか食べないからそんなにガッツリなのは、勝手に大盛りにしてくれてるここだけだ。
ありがたいけど、今日はまだ残ってる。
お腹いっぱいだ。
「多かった?」
おばちゃんも気がついたらしくて、声をかけてくれる。
「ゆっくり食べます。」
せっかく出してくれたんだから、食べる。
でも、次からは減るかもしれない。
時々お礼にお土産を買ってきたりしてる。
商売をしてると長く休むこともないから、旅行も少ないって前に言ってた。
だから遠くであんまり行かなそうな場所に行ったときだけ、買ってくる。
働き出してずっとあの部屋に住んでるから、馴染みのお店も長い付き合いになってる。
「ねえ、僕、一鉄の結婚式までに痩せようかな?アユさん、どう思う?」
「一鉄さんにびっくりされますね。でも、本当に少し痩せました?」
「ほんとに少しだよ。せっかく洋服選んでもらったから、キツくならないように。」
「だってパーカーですよ、大丈夫です!」
笑顔で言われた。
「そうだよね。」
今着てるパーカーは、確かにおばちゃんの想像通り、アユさんに選んでもらった大切な一枚だ。
「痩せたいのは他に原因があったりするんですか?」
だって、やっぱり。
一鉄みたいにカッコよくもないし、身長もない。
低い身長な上に、はっきり太めだし。
会社の年一の健康診断の時、お腹周りを測るのに看護師さんが一周ぐるっと回ってくださいって、おへそのあたりでメジャーの先っぽを自分で押さえてぐるりと回った。
痩せた人は看護師さんが背中に手を回すようにして普通に測られてるようだった。
手が回らないって思われたのかも。
ここ数年、ずっとそうなんだ。
一年ごとに少しずつ、でも着実に太っていったから。
逆に既に身長はゆるく下降気味なのだ。
やっばりなぁ・・・・。
「やっぱりって誰かに何か言われたんですか?」
「え、違うよ。」
「せっかく一鉄の晴れ舞台だから、僕もなんとなく・・・って。」
「本気なら協力しますよ。」
「え、なにかいい方法あるの?」
「私が試した方法です。私は効果ありました。」
びっくりした。アユさんは細い、もちろん僕が言うのもなんだけど、でも普通の女の人と比べても細いほうだと思う。
顔も小さいし。肩幅も小さいくらい、だから体も細い。
洋服関係の会社にいるから、そうなんだと思ってた。
売り場じゃなくても、試作品を見たり、流行はいち早く知るだろうし。
みんなオシャレだって言ってたことがある。
太ってたの?なんて聞けない。
「どんな方法?」
それを聞くしかない。
「それがギイチさんのベストかは分からないです。私より他に手伝ってくれる人がいるかもしれないですし。」
え、ジム?運動、まさかの運動?それは苦手だ。
じゃあ何が得意かと言われても、そんな得意があればきっともっと普通でいられてる。
気がついたらこうだった。多分高校の頃からゆっくりと。
一鉄の記憶には少しくらい昔の自分も残ってるかもしれない。
あれからだって随分成長してしまったあらゆる部分の目盛り。
「アユさんの負担にならなかったら、アユさんの方法で、アユさんに・・・・叱られながら励まされながら、取り組む、そうしたいけど。」
「大変かな、やっぱり。」
方法が全く分からない。何だろう?
「もう少し考えます。ちゃんと目標を持って、頑張れたらいいですよね。」
「うん。」
一鉄の式までに、少しでも昔に戻れるように。
その時もアユさんが近くにいてくれたら、ちゃんと一度確かめたいって思うかもしれない。
だから・・・・そのくらいの気合で頑張りたい!
来年の健康診断の時には看護師さんの手が回るくらい、いけるかな?
並んだたくさんの数字も正常ギリギリだから、そこも良くなるかもしれない。
もし苦手な運動でも、アユさんがスパルタでも、とりあえず頑張る!
そのつもりだ。
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