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4 吉祥天のご神託

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他にも会社全体で定期的にイベントを開催している。
ホテルなどで開催する物が多いが、野外バーベキューやハイキングなどの野外でのイベントもシーズンには開催される。
そして一番多い季節はやはり12月に向けてのクリスマスイベントである。
ほぼ毎週末のように開催されてオフィス毎に順番にイベントスタッフとして参加しなくてはならない。
企画集客などは本社のイベント企画の部署がやってくれる。
あとは受付や進行などの補助。
その他会場内で出来るだけ参加者全員に楽しんでもらえるように気を配る。

本当に疲れる・・・というのが本音だ。

自分のこともままならないのに・・・・という気持ちを押し隠し毎回参加する。
この微妙な時期に喜んで参加表明してくれる人はいない、と思ったら明君が手伝ってくれることになった。
他のメンバーがくじ引きを免れたとほっとしているのが分かる。

「ありがとう。明君初めてよね? 大変って聞いてるでしょう?がんばるわよ。」

「はい。よろしくお願いします。」

会員さんが美味しいお酒やオードブルを手にしているのを横目で見ながら、ひたすら耐えるのもつらい。
終わった後、ホッとしながら飲むお酒の美味しいこと!
仕事後はそのままホテルのラウンジやバーでひとり飲むことが多い。

そして当日。
今回のイベントには自分のオフィスの会員さんも参加してる。
是非いい人とのご縁をつないで欲しいと思う。
見渡してみても壁の花になっている人はいない。
中には参加してもなかなか自分からは行けない人も多い。これは男女ともに。
そういう人にはさりげなく話しかけ中央に誘い、できるだけ溶け込みやすそうな輪に自分と一緒に加わる。
もちろんタイミングを見て退散。

ほかにも二人きりで話したいい人、逆に話したくない人、邪魔してでも割り込みたい人。
みんなの必死な思いを察知してできるだけ楽しんでもらうのは骨が折れる。
やってるこっちは大変気を遣うのだ。
これが野外バーベキューなどだともっと自分たちも普段着でいれて混ざりやすい。

もう一度全体を見る。明らかに人気の違いが見えたりもする、実に現実的だ。
中にはいい感じのカップルになっている二人もいる。
単純にちょっとうらやましく思ったり。
一つ息をついてると明君がやってきた。

「お疲れ様です。」

小さく声をかけてくる。

「明君も受け付けご苦労様。今日は皆時間通りに揃っていただいてよかったわ。次のゲームの準備も終わったの?。」

「はい、大丈夫です。皆パーティーみたいな格好で華やかですね。」

「そうね。この時期だしね。」

女性はもちろん、男性も普通のスーツよりはドレスコードが上がる。

「祥子さんも少し裏で飲み物を頂いて来たらどうですか?」

本当に気がきく。こういったさりげなさはなかなか身につかない。

「ありがとう。じゃあ、5分くらい下がるわね。少しお願いね。」

静かにバックヤードに行く。
違うオフィスの人でも何人も顔見知りがいる。
お互いに挨拶をし合い、知人の近況を教え合いながら飲み物を手にする。

「祥子、今回はずいぶん可愛い子を連れてきたのね。」

同期の丘野和子 カコが話しかけてくる。

「そうでしょう。今回初めての参加だからカコも初めての明君よ。3年目になったわよ。」

「ああ、噂の明君か。実は・・・・。」とカコが声を潜める。

「うちの新人ちゃんがときめいてたのよ。悪い子じゃないんだけどちょっとね。念のために言っとくわ。一応よろしくね。」

「何なのよ、はっきりしない言い方ね。仕事の時間以外なら知らないわよ。」

「まあ、仕事中はさすがに大丈夫でしょうけど。」

そんな話を聞いたせいじゃないと思う、ちょっと早めだったかもしれないけど表に戻る。
カコの言う噂って何だろう?そう思ったりもしたけど。
さっきよりかたまりのグループが小さく感じられるのはツーショットが増えたからみたいだ。

見渡すとさっきと同じところに明君はいた。
すぐに見つからなかったのは会員ツーショットにまぎれていたからだ。
隣にスタッフの女性がいた。
ジャケットはシンプルだけどスカートはかなり微妙な短さ具合で、細い足の先にはこれまた繊細なヒールの高い靴が。
社員章を首からつけていなければ参加者としてもいけそう。
肩までの髪が朝仕上げたとは思えない完璧な状態のままクルンと巻かれている。
自分の魅力を引き出す方法を知ってるタイプの女の子だった。
まだ新人かしら?・・・・とさっきのカコの話を思い出し納得。
ああ、彼女ね。

明君はゆっくり会場に視線をやってるけど彼女はほとんどというか、がっつり体ごと彼のほうを見ている。
もう、知らないわよ。カコを探すけどまだバックから戻ってきてない。
時計を見るとあと15分くらいでゲームタイムに入る。
まあ、明君が準備に移動するからいいでしょう。
なんでスタッフの面倒も同時に見なきゃいけないのよ!!

明君とは逆のほうへゆっくり動いていく。
視線の先で自分のオフィスの会員さん同士が話しているのが見えた。
なるほど、こう見るとしっくり来るわね・・・・。

今日参加してくれる自分のところの会員さんのデータは大体頭に入れてきた。
男性は登録一年でパーティーは初めてだ。
しばらく前まで他の方と付き合い、しばらく休会の期間があった。
半年以上だったのでうまくいくのではと思っていたのにどうやら駄目だったらしい。
相手がどんな会員さんだったかは聞いてない。
活動再開してしばらくたっての参加だ。
そして相手の女性は最近の入会でもちろん初参加だ。
このカップリングがなんで思いつかなかったのかしら、う~ん。
二人の馴染感がよくてお邪魔かしらなんて思ったけど話しかけてみる。
この判断は大切で、かえって邪魔に思われたりすることもある。
それは避けたい。

「こんにちは。」二人の名前を呼びながらそれぞれ顔を見る。

いいじゃない、この感じ。
会場に入るとき自分のところの会員さんには全員声をかけてる。
二人とも向き直って挨拶を返してくれた。

「楽しんでいただけてますか?片瀬さん、内野さん。お二人とも参加は初めてですよね。」

「はい。」

まずは女性を褒める。大げさじゃなくて小さなことを見つけて。
そしてさらりと男性に同意を求める。
ここはポイントで男性の気がつかなさそうなところを一緒に褒めるとより好意が増すと思うのですが。
できるだけ一つはこうして素敵なところを印象づけたい。
女性があまりにもシャイな場合は男性を褒めることもある。
そして男性には同じオフィスで登録されましたよとご縁のかけらを埋め込む。
そしてこの後も是非一緒に楽しんでくださいといい、二人の世界からフェイドアウトしていく。
気の利く男性ならここでもう一度女性を褒めるだろう。
そして・・・後は自分でどうぞ。

離れて二人の表情を見てるとうまく行きそうな予感がしてやっぱりうれしい。
なんだかんだ大変でもそんな喜びがあると面倒なこの企画物も楽しめたりする。
別に自分のオフィスの会員さんには限らない。
日比谷の吉祥天、いろんな手管で対応できます。
どうぞ一押しの必要な方はこちらまで、って自分はどうなのよ。なんて反省と考察はあとあと。

そろそろゲームの時間になるらしい。
明君たちゲーム担当が準備を始めている。
ゲームといってもビンゴに始まりボードを使ったチーム戦のゲーム。
ビンゴは毎回開催の定番で自己紹介のチャンスも商品と共にもらえる。
自己アピール好きな人にはいいチャンスになる。
チームゲームは無作為のチーム分けをして少しでもいろんな人と会話して欲しいのでこれもよくあるものだ。
そうはいっても盛り上がるものだ。自己アピールのうまい人や率先してグループを引っ張っていってくれる人がいるとなお一層盛り上がる。

その時々でイベントの雰囲気もさまざま。今日はいい感じできていると思う。
ビンゴカードを手にした顔見知りの会員さんに声をかけがんばってといい、周囲に人がいない立ち位置の人にはさりげなく誰かの近くまで背中を押し番号を聞き逃さないでくださいねと移動させる。
始まれば後は離れたところに移動。

カコがいた。そういえばさっきの話。近くに行って声を潜めて聞く。

「ねえ、どの娘?」

心得たもので何が?とは聞き返されることなく目線で知らせる。
やっぱりさっきの足出しクルン髪。その娘の視線はゲーム担当の明君。

「さっきガッツリ話しかけてたわよ。」

「ごめん、注意したわ。」

「いつもあんな服なの?」ヒールやメイクも。

「・・・・そう。」

そうなんだ。最近の新人は・・・・ちょっとお局様みたいで嫌な言い出し。・・・・
確かに若いスタッフは会員さんとも友達感覚の相談相手として対応するような時がある。
世代なのか?自分ではそんなに違うつもりはないけど・・・・。
ただそれでも相手に合わせてしっかりとした対応もできているので今のところ問題はない。
ちょっとたまに『んんっ?』と思っても注意するまではない。
あの娘は大丈夫だろうか?

「言いたいことはわかるし半分は当たってる。本音で言えば本社に引き取ってもらいたいくらいよ。さっき本当にお伺いを立てたところ。」

ため息をつく。気の毒に。

「ご苦労様。」ねぎらっておく。

なんだかんだ女性が多い会社でチームワークが物を言う。
自己表現もほどほどにといわれる仕事でもあるのだ。
仕事終わりかお休みの日にどうぞ。
中央ではビンゴあたりの人が続々出てきて賞品をもらっている。
自己紹介タイムは1分くらい。
苦手そうな人には司会者がうまくフォローして盛り上がっている。
よしよし。

続いてのチーム戦も進行もうまくいき、盛り上がったまま又フリータイムに。
これが30分、その後はおしまいになるのでここで気になる人の個人情報をもらうしかない。

見ると片瀬さんはビンゴの景品を持ち、隣には内野さんがいる。
さっきの片瀬さんの自己アピールはある種感動だった。

「会員になってずいぶん経ちまして始めて参加しました。今日来てよかったと本当に思います。こうやって景品ももらえました。この後誰かと一緒に開けるのを楽しみにしています。」

最初からずっと内野さんに向けたメッセージだった。他の人には響かなくても内野さんと私には響いた。ちょっと涙でそう。
つい私も言われたい!なんて思ったりして。
それはさておき賞品を手にして内野さんのところに戻るときの笑顔も素敵だけど、内野さんもきちんとメッセージを受け取ってるみたい。もう絶対いい感じ。
あとは邪魔をしないように。今も二人でグラスを合わせている。

「は~、良かった。」

ついつい二人に夢中になってしまった。
他の人は・・・と自分のところの会員さんで二人きりになれてる人は残念ながらいない。
小さなグループにそれぞれいる。
やっぱり自分だけの誰かに出会うのは大変なのよね。

「祥子さん、お疲れ様です。」

隣に明君がやってきた。余分なおまけはもちろんなし。

「明君もお疲れ様。良かったわね、今日は盛り上がったわ。」

「そうですね。さっき自己アピールした片瀬さん、すごかったですね。まるで告白のようでした。」

「気がついた?二人とも日比谷の会員さんだし、うまく行ってくれるとうれしいわ。」

「大丈夫でしょう、祥子さん又『ご神託』してたでしょう?」

私が時々やるおせっかいは『ご神託』と呼ばれることがある。
吉祥天の計らい。

「見てたの?」

「もちろんですよ、いつも見てますから。」 

何を?と聞き返したかったけど真剣な表情に見えてちょっと口にできなかった。
つい横を向いてしまった。フロアから視線をはずすことはないはずなのに。

「なんで二人のカップリングを思いつかなかったんだって悔しく思ってます?」

今度は冗談口調で聞いてくる。

「ばれた?」私は正面フロアを向いたまま答えた。

しばらく二人ともフロアを見つめる。会話はとぎれたまま。

「難しいです。やっぱりオフィスで見せてくれる顔だけじゃ知ることができるのはその人の一面だけです。仕事の顔と、プライベートの顔。その中にも色々ありますよね。仕事だけでも上司としての顔、同僚としての顔。部下には見せない顔。長い時間見ててもまだこんな表情をするんだって思うときがありますから。自分だけに見せてくれる表情があったら嬉しいなって思います。」

もしかして今何やらリアルなことを言われてる?
仕事?社内恋愛?着地点がよくわからなくなってきた。
会員さんのことじゃなくて?
フリータイムもそろそろ終わりのようで司会者が終了挨拶のセッティングを始めてる。
もういいだろう。

「明君、疲れてる?大丈夫?」横を向き顔を見る。

ちょっと眉間にシワがよってるけど。

「もう終わりだから、あと少しよ。」

軽く腕をぽんぽんと叩いて正面に移動する。
終了時間を感じてスタッフが皆移動を始めている。
挨拶をして閉会して、お開き解散となる。
コートを受け取り帰って行く参加者に挨拶をし送り出す。
良かった、例の二人はそのまま仲良く帰るようだ。

「吉川さん、お世話になりました。このあとお茶に誘ったんです。」と片瀬さん。

内野さんはクローク前にいてコートを受け取ったところだった。

「うれしい報告をお待ちしてます。」

内野さんが歩いてきた。二人に向け挨拶して送り出す。

「お気をつけてお帰りください。」

二人の背中を見ながら幸せのおすそ分けをもらえたような。
まだ残っている会員さんは連絡先を交換したり、会員さん同士で飲みに行ったりするようだ。
さてと、後は本社の仕事とばかりに皆に挨拶をして帰るだけ。
クロークから少し離れたところで明君があの娘につかまっているのが見えた。
なかなか積極的にアプローチするタイプらしい。
腕に軽く触れて見上げてしゃべりかけている。
横顔を見るに明君もまんざらでもなさそうな。
そうね、いろんな表情をするわよね。
さっきの話を思い出しつぶやいて背を向けた。

いつもならバーにと思ったけど一人街中に出るとイルミネーションが綺麗で。
首に巻いたマフラーを少し首元までタイトに上げ一人歩き出す。
のんびりと上を見ながら歩く。
路上にはこの寒い中でもテラス席を設け、ストーブの下で会話を楽しむカップルがいる。
なんだか無性に寂しさを感じて、目に付いた有名ホテルのバーへ上がっていった。
ここは初めてだ。
イルミネーションは遠く、街の明りがひたすら銀河のように眼下に広がる。
横目で見ながらカウンターに行こうとしたら・・・・。
何故ここに、このタイミングで。
暗がりでも残念ながら見間違うことはない。
元彼が女性と一緒にお酒を飲んでいるのを見つけてしまった。
回れ右・・・・・・。
すみませんと入り口の人に断り携帯を出して連絡が来た風を装いバーからでる。
エレベーターに乗り一人降りる。

どうしようもない気分の落ち込みを感じて。
ピンポーンとグランドフロア到着の音がする。
さっきのホテルに行っておけば・・・・・と悔やまれる。
へこんだ気持ちが何かむしゃくしゃ気分に変化して足音を立てながら駅に向かいまっすぐ家に帰った。
あの二人に分けてもらった幸せはどこかへ吹っ飛んで行ったらしい。

結局部屋にあったビールを飲んで寝た。
だってやっぱり疲れたから・・・・。

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