12 / 54
12 最後の最後にやらかしたこと
しおりを挟む
すべてが真っ白になった。
私の頭も、近藤さんの実験データも。
今週は破壊が一つもなかったと安心してたのに。
最後の最後に一番ひどい。
去って行った近藤さんの背中を見てぼんやり立ち尽くしたまま。
坂井さんが腕を取って椅子に座らせてくれた。
「玉井ちゃん、大丈夫。期限には間に合うから。みんなで協力しよう。」
高階さんが慰めるように言ってくれる。
静かに立ち、皆に礼。
フラッと部屋を出て近藤さんを探す。休憩室にいない。
どこに行ったんだろう。
非常階段?社食?まさか外?
もしかしなくても今日から泊まりこみかも。
食事買いに行った?
休憩室前で呆然としてると廊下の向こうから高田さんがやってきた。
「玉井ちゃん?どうしたの?元気ないね?」
「あの、近藤さんを見ませんでしたか?」
「さっきどんよりとしていたけど、すぐに部屋に戻ったよ。」
それはその前の事だ。
「今出て行ったんです。どこに行ったんでしょうか?」
「何?会社で迷子?手がかかるね。」
高田さんが冗談を言いながらも私の表情に気がついたらしい。
「どうしたの?大丈夫?こっちに来て。」非常階段に連れていかれた。
「話があったんだけど、それより先に玉井ちゃんの話聞こうか?どうして近藤を探してるの?」
うつむいて正直に話した。
「う~ん、そうか。泊まり込みか。僕も手伝うから。ね。大丈夫だよ。あいつ暇だしさ。」
そんなことはないだろう。一応彼女・・・という人もいる。
約束があったかもしれない。
そんな事よりせっかく終わりかけで、まとめに入れる段階だったデータがきれいに消し飛んだ。データ記録はあっても続きがない、完成してないものは意味がない。
『無』になった、この数日の仕事が。
呆然としてる私の背中を撫でて励ましてくれる高田さん。
「うわ~ん。」声が出た。
しゃがみこむ前に背中を引き寄せられて慰められる。
高田さんにもたれて泣き出す私のしゃくりあげる声と鼻をすする音が非常階段に響く。
眼鏡を手に持ち酷い顔になってるだろう。
ハンカチはない。
何とか泣き止むと非常階段はまた静かでひんやりとした空気を取り戻した。
途中静かに上がってくる足音が聞こえたけど顔を見せずにやり過ごした。
高田さんには悪いことをしたかも。
意味深な二人がこんなところで抱き合って慰めてるなんて。
だってビクッとしてた。
上司だったりして、やばい、それはやばいよね。
急いで離れた。
「すみませんでした。私、社食と下の休憩室、探しに行ってきます。」
「俺も探してみるよ。あ、でも今はそっちの部屋、出禁になってるんだよね。」
「出禁?」思わず顔をあげた。
「そう、その話があったんだけど、また今度ね。」
ティッシュを渡された。いつもポケットに入ってるの?
ありがたく受け取り3枚抜いて返した。
「ありがとうございます。じゃあ探してきます。」
涙を拭き眼鏡をかけて非常階段を下りた。下の廊下に出て鼻をかむ。
途中の休憩室にはいなかった。ごみを捨て社食へ。
いない。
やっぱり、外?
勝手に出る訳にはいかない。研究室に戻ろう。
非常階段を上り廊下に出て部屋の前で深呼吸する。
中からドアが開いた。
「玉井!」
聞きなれた声がした。戻っていたらしい。
急いで席の前に行く。
「お前には責任の半分を取ってもらう。」
「はい、申し訳ありませんでした。」
「他のメンバーも手伝うと言ったがそれだとお前が心苦しいだろう、これから実験終了まで早出と残業をしろ。」
「はい。やります。なんでも。」
「今日は終わりでいい。来週から頼む。月曜日は一時間早く来い。」
「はい、分かりました。週末は?」
「来週からでいい。」
そんな・・・・週末は一人でやる気でしょう。
「手伝います。」
「いや、邪魔だ。」
そんな・・・・。
「冗談だ。」小さく言う。笑ってるし。
「手伝います。」もう一度行ってみた。
「いや、別に必要ない。月曜日からでいいから。もう帰れ。週末はゆっくり休めよ。」
「はい。」
トボトボと自分の席に戻る。
となりからメモが差し出された。
週末に一緒に買い物に行こうと言っていたのだ。
初給料で両親とお自分にプレゼントなどと言っていたのに。
『約束は延期にしよう。』
坂井さんを見てうなずく。
しばらくしてもう1枚メモが。
『週末一緒に差し入れに来る?徹夜の泊まりになるだろうって、成井さんが言ってた。』
『一人で大丈夫。ちゃんと謝って、もう一度手伝いたいという。明日の朝来る。』
『そう、無理しないでね。』
「ありがとう」と口パクで伝える。
「もう帰っていいぞ、むしろ帰れ。」
皆が帰り支度をする。
私は先週の頭に読んだ実験レポートを思い出す。
最初は2時間おきの観察だった気がする。
それが2日間、あとは6時間おき。
電源入れたのが5時ごろとすると・・・予定表を作る。
どこかで代われたらと思う。
せめて2時間の最後の方、6時間の1回。
土日は完全に会社から出れない。
せめて睡眠だけでもとって欲しい。
最初のデータと同じようなデータがとれるはずだ、それを参考に私が代わる。
変な数字が出たらすぐ起こす。
明日の朝まで12時間あまり。
今ここにいても絶対代わってはもらえない。明日の始発電車を狙おう。
ちゃんと寝よう。皆が気をつかって明るく声をかけて帰った。
「お前も帰れ。」冷たい声で言われた。
ハッと顔を上げる。
ガラスにはぼんやりと姿が映るけど、まだ闇が足りずにはっきりは表情は見えない。
怒ってるだろう?呆れてるだろう?許せないだろう?そうかも・・・・。
もう一度、席の前に行った。
「本当にすみませんでした。迷惑ばかりかけてます。本当に・・・・。」
「いいから。昨日付き合ってくれたから、チャラだ。早く帰って休め。月曜日遅刻厳禁。」
「はい。」顔を上げると思った以上に優しい顔をしていた。
涙腺が緩む。
「泣くな、帰れ。」
「はい。」
小さく返事して、お辞儀をして部屋を出る。
エレベーターの前でもうつむいたまま。
明日早起きしよう。
何か買って来よう。
私の頭も、近藤さんの実験データも。
今週は破壊が一つもなかったと安心してたのに。
最後の最後に一番ひどい。
去って行った近藤さんの背中を見てぼんやり立ち尽くしたまま。
坂井さんが腕を取って椅子に座らせてくれた。
「玉井ちゃん、大丈夫。期限には間に合うから。みんなで協力しよう。」
高階さんが慰めるように言ってくれる。
静かに立ち、皆に礼。
フラッと部屋を出て近藤さんを探す。休憩室にいない。
どこに行ったんだろう。
非常階段?社食?まさか外?
もしかしなくても今日から泊まりこみかも。
食事買いに行った?
休憩室前で呆然としてると廊下の向こうから高田さんがやってきた。
「玉井ちゃん?どうしたの?元気ないね?」
「あの、近藤さんを見ませんでしたか?」
「さっきどんよりとしていたけど、すぐに部屋に戻ったよ。」
それはその前の事だ。
「今出て行ったんです。どこに行ったんでしょうか?」
「何?会社で迷子?手がかかるね。」
高田さんが冗談を言いながらも私の表情に気がついたらしい。
「どうしたの?大丈夫?こっちに来て。」非常階段に連れていかれた。
「話があったんだけど、それより先に玉井ちゃんの話聞こうか?どうして近藤を探してるの?」
うつむいて正直に話した。
「う~ん、そうか。泊まり込みか。僕も手伝うから。ね。大丈夫だよ。あいつ暇だしさ。」
そんなことはないだろう。一応彼女・・・という人もいる。
約束があったかもしれない。
そんな事よりせっかく終わりかけで、まとめに入れる段階だったデータがきれいに消し飛んだ。データ記録はあっても続きがない、完成してないものは意味がない。
『無』になった、この数日の仕事が。
呆然としてる私の背中を撫でて励ましてくれる高田さん。
「うわ~ん。」声が出た。
しゃがみこむ前に背中を引き寄せられて慰められる。
高田さんにもたれて泣き出す私のしゃくりあげる声と鼻をすする音が非常階段に響く。
眼鏡を手に持ち酷い顔になってるだろう。
ハンカチはない。
何とか泣き止むと非常階段はまた静かでひんやりとした空気を取り戻した。
途中静かに上がってくる足音が聞こえたけど顔を見せずにやり過ごした。
高田さんには悪いことをしたかも。
意味深な二人がこんなところで抱き合って慰めてるなんて。
だってビクッとしてた。
上司だったりして、やばい、それはやばいよね。
急いで離れた。
「すみませんでした。私、社食と下の休憩室、探しに行ってきます。」
「俺も探してみるよ。あ、でも今はそっちの部屋、出禁になってるんだよね。」
「出禁?」思わず顔をあげた。
「そう、その話があったんだけど、また今度ね。」
ティッシュを渡された。いつもポケットに入ってるの?
ありがたく受け取り3枚抜いて返した。
「ありがとうございます。じゃあ探してきます。」
涙を拭き眼鏡をかけて非常階段を下りた。下の廊下に出て鼻をかむ。
途中の休憩室にはいなかった。ごみを捨て社食へ。
いない。
やっぱり、外?
勝手に出る訳にはいかない。研究室に戻ろう。
非常階段を上り廊下に出て部屋の前で深呼吸する。
中からドアが開いた。
「玉井!」
聞きなれた声がした。戻っていたらしい。
急いで席の前に行く。
「お前には責任の半分を取ってもらう。」
「はい、申し訳ありませんでした。」
「他のメンバーも手伝うと言ったがそれだとお前が心苦しいだろう、これから実験終了まで早出と残業をしろ。」
「はい。やります。なんでも。」
「今日は終わりでいい。来週から頼む。月曜日は一時間早く来い。」
「はい、分かりました。週末は?」
「来週からでいい。」
そんな・・・・週末は一人でやる気でしょう。
「手伝います。」
「いや、邪魔だ。」
そんな・・・・。
「冗談だ。」小さく言う。笑ってるし。
「手伝います。」もう一度行ってみた。
「いや、別に必要ない。月曜日からでいいから。もう帰れ。週末はゆっくり休めよ。」
「はい。」
トボトボと自分の席に戻る。
となりからメモが差し出された。
週末に一緒に買い物に行こうと言っていたのだ。
初給料で両親とお自分にプレゼントなどと言っていたのに。
『約束は延期にしよう。』
坂井さんを見てうなずく。
しばらくしてもう1枚メモが。
『週末一緒に差し入れに来る?徹夜の泊まりになるだろうって、成井さんが言ってた。』
『一人で大丈夫。ちゃんと謝って、もう一度手伝いたいという。明日の朝来る。』
『そう、無理しないでね。』
「ありがとう」と口パクで伝える。
「もう帰っていいぞ、むしろ帰れ。」
皆が帰り支度をする。
私は先週の頭に読んだ実験レポートを思い出す。
最初は2時間おきの観察だった気がする。
それが2日間、あとは6時間おき。
電源入れたのが5時ごろとすると・・・予定表を作る。
どこかで代われたらと思う。
せめて2時間の最後の方、6時間の1回。
土日は完全に会社から出れない。
せめて睡眠だけでもとって欲しい。
最初のデータと同じようなデータがとれるはずだ、それを参考に私が代わる。
変な数字が出たらすぐ起こす。
明日の朝まで12時間あまり。
今ここにいても絶対代わってはもらえない。明日の始発電車を狙おう。
ちゃんと寝よう。皆が気をつかって明るく声をかけて帰った。
「お前も帰れ。」冷たい声で言われた。
ハッと顔を上げる。
ガラスにはぼんやりと姿が映るけど、まだ闇が足りずにはっきりは表情は見えない。
怒ってるだろう?呆れてるだろう?許せないだろう?そうかも・・・・。
もう一度、席の前に行った。
「本当にすみませんでした。迷惑ばかりかけてます。本当に・・・・。」
「いいから。昨日付き合ってくれたから、チャラだ。早く帰って休め。月曜日遅刻厳禁。」
「はい。」顔を上げると思った以上に優しい顔をしていた。
涙腺が緩む。
「泣くな、帰れ。」
「はい。」
小さく返事して、お辞儀をして部屋を出る。
エレベーターの前でもうつむいたまま。
明日早起きしよう。
何か買って来よう。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
高嶺の花は鉄オタ先輩を口説き落としたい
樹 史桜(いつき・ふみお)
恋愛
高嶺の花だったせいで恋人いない歴イコール年齢の千秋。どうしても処女を捨てたくて、会社の先輩である品田を口説き落とすことにした。鉄道オタクの品田の鉄オタトークも、鉄オタの兄のおかげで付き合えるし、品田は現在失恋中、これはチャンスとばかりに、千秋は品田を口説きにかかる。※架空の国が舞台の独自設定のお話で、現実世界の風習や常識を持ち込まず頭を空っぽにしてお読みください。 ※濡れ場が書きたい作者の欲求不満解消用の不定期な話。 ※R18注意。 ※誤字脱字指摘はよっぽど目に余る場合のみ、近況ボードまでどうぞ。 無断転載は犯罪です。マジで。人としてやってはいけないことは認識してくださいね。
一夜の戯れと思っていたら、隣国の騎士団長に甘く孕まされました
樹 史桜(いつき・ふみお)
恋愛
女ばかりの国・ローゼンブルグ王国で騎士隊長を務めるロミは、ある日休暇で訪れた隣国でゴロツキに絡まれたところをジュリアンという男に助けられる。まるで絵画や彫刻のような美貌を持つ彼に魅了され、ロミは彼と初めてにして濃厚な熱い夜を過ごす。しかしこれは一夜の戯れに違いない……そう思ったロミは眠る彼に手紙を残して立ち去った。ところが後日、二人は思いもよらない形で再会する。彼は隣国イーグルトン帝国の騎士団長だったのだ。ずっとロミを探していた彼からあの夜のことを秘密にする代わりに期間限定の「恋人ごっこ」の賭けを迫られる。その条件は二週間内に身籠ったら、騎士を辞めて結婚することで――!?
2023.10.16 ノーチェブックス様より書籍化して頂きました。
旧題「ロミジュリ!〜一夜の戯れの相手は隣国の騎士団長!?〜」
逢瀬の場所は密室車両!?イケメンディレクターとの淫らな秘め事
目次
恋愛
某有名広告代理店で働く鈴木 茜 (23歳)は瓶底眼鏡の冴えないAD見習い(アートディレクター見習い)。ブラック企業の激務にも耐え日々過酷な通勤地獄も耐えて働いていた。理由は単純明解。一目惚れしてしまった別部署のイケメンディレクターの顔を見る為!人生初の淡い恋心に激務も無理難題も揉みくちゃの朝のラッシュも気にならない!
…今日もいつもと同じ通勤ラッシュだと思ってひたすら無心で耐えてたのになんだか背後に違和感が…!?
Melting Sweet
雪原歌乃
恋愛
唐沢夕純は過去の経験から恋愛はほぼ諦めモード、仕事だけを心の拠り所にし続けてきた。
ところが、同部署の部下・杉本衛也の存在が、常に夕純を悩ませ続けて……。
十歳差の年下青年と年上女性、互いの酒好きがきっかけで距離が縮まる?
※※※
☆は愛ありなR18描写が含まれます。
スイさんの恋人~本番ありの割りきった関係は無理と言ったら恋人になろうと言われました~
樹 史桜(いつき・ふみお)
恋愛
剣と魔法の世界に2LDKの自宅マンションの部屋ごと異世界転移してきた元OL。
ダンジョンで、ズタボロで魔力枯渇に陥った王都のイケメン魔術師の男に出会って、魔力交換をしてくれないかと如何わしい要求をされる。
魔力交換とは、自分と同じか、それ以上の魔力持ちの異性と性的接触をして、体の中の陰陽のバランスを取ることによって失った魔力を回復することだそうだ。
え、あたし魔力あるの?
それも規格外とな?
疲れすぎて只今絶賛発情中の魔術師さんと内心引きながらも流されてしまう元OLさんのお話。
※濡れ場が書きたい作者の欲求不満解消用の不定期な話。
※R18注意。
※誤字脱字指摘はよっぽど目に余る場合のみ、近況ボードまでどうぞ。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿させていただいております。
無断転載は犯罪です。マジで。人としてやってはいけないことは認識してくださいね。
社内で秘め事はお断り!?【R18】
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
突然、課長に命じられた、取引先への案内。
いくら、自分の親戚のところだからってどうしてだろうって思ってた。
後日、案内の礼だと食事に誘われた。
課長曰く、「食事に誘う口実のために、このあいだ案内を頼んだ」。
それってどういうことですか……!?
課長と私の、オフィスラブ!
上司と部下の溺愛事情。
桐嶋いろは
恋愛
ただなんとなく付き合っていた彼氏とのセックスは苦痛の時間だった。
そんな彼氏の浮気を目の前で目撃した主人公の琴音。
おまけに「マグロ」というレッテルも貼られてしまいやけ酒をした夜に目覚めたのはラブホテル。
隣に眠っているのは・・・・
生まれて初めての溺愛に心がとろける物語。
2019・10月一部ストーリーを編集しています。
彼と私と甘い月
藤谷藍
恋愛
白河花蓮は26歳のOL。いつも通りの出勤のはずが駅で偶然、橘俊幸、31歳、弁護士に助けられたことからお互い一目惚れ。優しいけれど強引な彼の誘いに花蓮は彼の家でバイトを始めることになる。バイトの上司は花蓮の超好みの独身男性、勤務先は彼の家、こんな好条件な副業は滅多にない。気になる彼と一緒に一つ屋根の下で過ごす、彼と花蓮の甘い日々が始まる。偶然が必然になり急速に近づく二人の距離はもう誰にも止められない?
二人の糖度200%いちゃつきぶりを、こんな偶然あるわけないと突っ込みながら(小説ならではの非日常の世界を)お楽しみ下さい。この作品はムーンライトノベルズにも掲載された作品です。
番外編「彼と私と甘い月 番外編 ーその後の二人の甘い日々ー」も別掲載しました。あわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる