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7 遅くなった夜は

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先週新人歓迎会の日。
坂井さんと一緒に買ったブラウスを着ていく勇気もなくいつものような格好だった。
朝にそれに気が付いた坂井さんに悲しそうな顔をされたけど、しょうがない。
そんな誰も見てないって・・・・。

ところが予定が延期になってしまった。
昨日の夜、坂井さんから念押しの様にメッセージが来た。

「明日、絶対あの服着てね。絶対似合うから。」

自分の部屋でハンガーにかかったブラウスを見てため息をつく。
別に誰も見てないからいいじゃん。
着てはいくけど。
坂井さんが選んでくれたし、せっかく買ったんだし。

そんなことを思いながら寝たせいだろう、気にしていたせいだろう。
夢にまで出てきたブラウス。
なんとカレーとミートソースを同時にかぶる夢だった。
ブラウスはとんでもない色に染まった。
がっかりした自分を見て悲しくなって目が覚めた。
あり得なくはない・・・・。
一応替えのブラウスを持って行こう。


金曜日、歓迎会の日。近藤さん指導最終日でもある。

今日こそ悲鳴を封印してと思うのに。
今週は先週よりひどくヒヤッとすることが多かった。
破壊したものも実際に多い。

何故か・・・・当然か・・・・、慣れた高階さんが片づけを手伝ってくれる。
先週からの引き続きだし、私の周囲ではみんなのサポート能力が上がる。
これは自分の周りにはよくある現象だった。
本当に気を付けてるのに。

一日が終わり、とりあえず業務については及第点をもらえた。
ただやはりケアレスでの破壊を注意された。反省するばかり。
私の悲鳴が上がるたびに研究室が静かになる。
来週はもっと気を付けよう、来週と言わず、永遠に、生きてる限り。


実際には仕事だけじゃなくて、普通の時も良く変なことをする。
普通に歩いてるだけなのによく歩道のポールに躓く、膝は痣がよくできる。
知らない間に荷物が減っている。落し物は数知れず。
大切なものはバッグインバッグにしてファスナーを閉めて、それをバッグにチャームの類でくっつける。
財布や定期など絶対なくしたくないものはそうやって気を付ける。

良く人にもぶつかる。特に考え事をしてると急に立ち止まるらしい。
前からも、後ろからもぶつかられる。怒られる。
考え事と言っても大したことじゃない。
悩んだり、小難しい事を考えてるわけじゃないのだ。
普通に今日のご飯とか考えてるだけでも足元への注意がおろそかになり躓く、ぶつかる、転ぶ、落ちる。
今まで青あざだけですんでるのはラッキーなのだ。

それに夢の様に服を汚したりすることもある。
手に持ったものが何故か重力と引力に呼ばれてしまう。
こうして食事をこぼし、実験器具も落とす。
注意力と集中力のバランスがとても悪いみたいだ。
自覚して気を付けても防げない場合は、悲鳴が続く。

とりあえず今日の昼は色の飛び散らないチキンサラダプレートを食べた。
ドレッシングも坂井さんがかけてくれた。
こうしてブラウスはきれいなまま。
坂井さんは満足そうだけど、別に誰も気にしてないってば。


夕方終業と同時にみんなでパソコンを閉じて出かける。
予約したお店ではまず謝罪のサービスにお酒がついてきた。
席が二つ空いている。

「近藤さん、誰か来るの?」高階さんが聞いた。

「ああ、高田と新人の谷垣君が来てくれる。先に始めよう。」

室長近藤さんの音頭で乾杯する。
乾杯!カチンコチンとあちこちでグラスがぶつかる。
私は端っこの席で隣の席が埋まるまでゆったりとできる。

向かいには成田さんがいる。その隣が高階さん。二人とも優しい。
自分の並びは隣が坂井さん。自分たちの並びはすっかり決まってる感じだ。

鬼頭さんが早速近藤さんのグラスにビールを注ごうとするが気遣はいらないと
早速言われてる。しまった、そんなこと思いもしない。
成田さんのグラスが空になった時に注ごうとするとこちらもいいよと断られた。

「気をつかわなくていいから、楽々。大体女子がいるだけでもいいのよ。むしろもてなして欲しい位だから。このメンバーだったら気にしないでいいのよ。」

高階さんが私たちに言う。

食べ物が運ばれてきた。大皿がドンと中央に置かれた。

イタリアンのコース料理だ。

「いつもご利用ありがとうございます。先週はすみませんでした。お詫びにお酒をサービスさせていただきますのでどうぞ。」

ワインが二本置かれた。しかも余ったら持って帰っていいらしい。
最初はビールだったメンバーも切り替えてワインへ。
皆が結構飲める。ドボドボとグラスにいっぱい注いで回す。

サラダを取り分けようとするとそれも止められた。

「いいから、いいから。」

勿論取り分けようとしたのは坂井さんで。
私は素直に飲みに集中していたから。


ワインに引き続きサラダの皿も回される。

「この二人分は取っておきましょうか?」

「そうね。お願い。」

残りを二人の皿にのせて大皿が空く。
バケットもドン、オリーブオイルもドン、冷菜は二つのお皿に盛られて一人一つ取りましょうみたいな感じだ。

「このお店はよく来るんですか?」

向かいの2人に話しかける。

「そう、大体ここが多いかな。毎回こんな感じで適当にやりますって任せてくれるからね。今まで三人だったのにいきなり倍の人数になってうれしいよ。しかもみんな飲めるし、好き嫌いもないし。」

「そうそう、皆気楽な独身者だから誘えばたいてい揃ってたけど、用事がある時は断ってもいいのよ。」

「ないです、多分。」私が言う。

坂井さんも大丈夫だと答える。

坂井さんに彼氏がいないのは確認済み、勿論私にいないのは分かってるだろう。
鬼頭君はいるらしい。優しそうだしなあ。
さすがに先輩には聞きづらい。近藤さんに彼女がいるのは知ってる。


この間休憩室で高田さんと話してるのを少し聞いてしまった。
聞いてはいけないような内容ですぐに引き返したけど。
ぼんやりとグラスを持って見つめてると大きな声がした。

「どうも、お待たせしました~。」

高田さんと新人の谷垣君が入ってきた。

「お疲れ様です。」

挨拶をして隣の席を指さす。

「この席です。」

隣に谷垣君が座り斜めに高田さんが。
早速二人に飲み物を聞いた。

「お二人はビールですか、ワインも開いてます。」

「え~、玉井ちゃん注いでくれるの?ビールがいいなあ。」

とりあえず高田さんにビールを。

「谷垣君は?」

「じゃ、僕もビールを。」

2人につぎ終わると改めてみんなで乾杯をした。

「玉井ちゃん、おでこの傷どう?」

「すっかり大丈夫です。」ペロッと前髪を捲る。

「傷跡残ったね。」高田さんが顔を寄せてきてびっくり。

「大丈夫です。前髪で隠れます。」

前髪を押さえて押し付けるようにして言う。
いきなりドアップでびっくりした。

冷菜の皿を二人の前に動かす。

「これおいしいです。お二人の分です。」

「ありがとう。いいなあ、女子。」しみじみ言われる。

「なあ、近藤、これから全部の飲み会うちと合同にしないか?」

「多くなると面倒が増えるんだよ、日程とかお店の都合とか。」

「え~、じゃあ出来るだけ誘ってよ。この中に入りたい。」

「勝手にしろ。」

吐き捨てるように言われたのを了解と受け取ったのか嬉しそうにしている高田さん。
つい表情を柔らかくして見てしまった。

「ね、玉井ちゃんも坂井ちゃんも一緒がいいよね?」

2人で顔を見合わせる。はあ・・・・としか声が出ない。

先週坂井さんに言われた、近藤さんからの伝言。
高田さんのこんな軽いノリに本気で好きになる人がいるの?
楽しいなあとは思うけど。
高田さんは目の前の皿を空にすると近藤さんのところに行って肩を組んでいる。

「谷垣君、高田さんは仕事中もあんな感じ?」

「いや、まさか。もっと普通だよ。むしろ真剣で無口。」

「なるほど。」

もしそんなギャップを見せられたらひょっとしていろいろと起こるかもしれないのか?
近藤さんの注意もきっとその辺のことを踏まえてかもしれない。
パスタが二種類大皿に盛られて運ばれてきた。
皆が一斉に皿に群がるようだ。大皿があっという間に空になるのがすごい。
高田さんも帰ってきた。

「なんだか今日はいつもより可愛いね。」

パスタに夢中だったけど顔を上げた。
視線が私に向いていた。
口に入れたパスタを飲み込み聞く。

「あの、私ですか?」

「そうだよ、玉井ちゃん。そのブラウス可愛い、似合ってる。」

そう言われると隣の谷垣君も向かいの成田さんも見るでしょう。
なんだか顔が熱いんですけど。
反応できずにいる私の代わりに坂井さんが言う。

「私が選んだんです。似合いますよね。絶対似合うからって強引に買わせました。」

「坂井ちゃん、趣味いい。坂井ちゃんは今みたいなのがいい。可愛いいよ。」

坂井さんも照れる。
私も改めて坂井さんの服を見る。確かに似合う。

「高田、お前、人の部下にセクハラすんなよ。」

「何でだよ、可愛いから可愛いって言ったんだよ、ね。」

相変わらず軽い。こっちを見て言われても。

「二人で買い物に行ったの?」

「はい。この間通勤用の服を買いに行きました。」

「いいな、僕も誘って欲しい。」

「高田、いい加減にしろ。お前は自分の彼女の買い物の付き合いで十分だろう。」

「それはそれ。これからどんどん磨かれていくんだから、自分の好みも少し入れつつ。」

「寄るな、触るな。研究室出禁にするぞ。」

近藤さんの怒りを抑えた声が聞こえた。

「冗談なのにねえ。」

冗談なのか、分かりにくい。

目のまえの料理は肉料理となっていた。
お店の人が取り分けやすい様に切ってくれてそれぞれが手を伸ばす。

「美味しい!」

なんだか肉の塊、贅沢気分。

「美味しそうに食べるよね。」成田さんに言われる。

高田さんはすっかり近藤さんの隣に移動している一つずつ席がずれて目の前には高階さんがいた。

「はい、おいしいです。ここなら絶対飲み会参加します。」

「坂井さんも見たい目以上によく食べるよね。無理してないよね?」

「大丈夫です。私もよく食べる方ですから。」

この間分かったけど坂井さんの方がすごいと思う。
私は負けます。

「谷垣さんは?」坂井さんが聞く。

「僕は普通より少なめで。」

よく見ると皿にはこじんまりとパスタが残ってる。
う、そんなレベル?

「お酒は?」

「それは人並み。」

「谷垣君、細いよね。」

腕をつかむと本当に細い。シャツから推し量る胸板も薄い。
ジロジロと見てしまう。

「僕、太れないみたい。食べるほうも時間かかるし。彼女が作るのは楽でいいっていうけど一緒に外食すると自分が太るって言われる。」

ほう、彼女がいるのか。
しかもご飯を作ってくれるらしい。
いいなあ。ちょっとうらやましいぞ。

「成田さんはもしかして鍛えてますか?」

「ああ、僕は体力落とさないようにジムには行ってる。仕事が早く終わったらシャワー代わりにもなるし。マンションの下にあるから通うのが楽なんだ。」

「へえ、いいですね。」

家に近いというところだけに反応したのに。

「玉井さん興味あるの?」聞かれてしまった。

「ん?運動はパスです。」

「やっぱり、そうだと思った。坂井さんはストレッチ系?ヨガとか。」

「はい、でも部屋でやる方です。一応毎日やるようにしてます。」

毎日・・・・・?

「なんで・・・・・というか偉い。」

私なんてゴロゴロしてる方が楽でテレビの前から動かないのに。
ああ、みんなすごい。

「私には聞いてくれないの?」

高階さんが言う。

「高階さんも何かされてるんですか?」

「まさか、私は部屋では横になりたい派。動かない。」

「良かったです、私も横になりたい派です。」

この二人の生態は誰もが納得してるようだ。
自分では決して太ってないとは思うのだが。

「でも玉井さんは本当はすごくきれいな体してます。」

坂井さんの爆弾発言。

高田さんと近藤さんまで静かになる。
鬼頭君は先輩2人にしっくりと馴染んで話し込んでいたらしいがこっちを向いた。
坂井さん、なんてことを。

「あ、一緒に服を選びに行ってびっくりしたんです。」

まあ、思ったより痩せてるとよく言われてた。
いつもゆるい服を着てるせいで太って見られるのだ。

「何?もしかして裏切り者?」高階さんが睨む。

「何でですか、横になりたい派ですよ。ゴロゴロしてるのは本当です。」

「いや、よく見ると手首も細いし、足も細いし、ユルユルした服に騙された。てっきり仲間だと思ってたのに。」

え・・・・高階さんほどふくよかさはないです。

「う~ん、きっとそんなに太ってないとは思ってたけど。」

「うん、細いと思う。」成田さんと谷垣さんが言う。

「あの、私の話はそれくらいで。本当に普通です。」

遠目の三人もすっかり自分たちの話に戻ってる。

「まあ、細くないとハイソックスなんてはかないよね。」

「好きなんです、楽なんです。夕方の疲れも違うし。ストッキングが嫌いなんです。」

今日は珍しく履いている。坂井さんに言われたから履き替えた。

テーブルにデザートが運ばれてきた。
ここはティラミスでしょう。
うれしい、おいしい。

「これ食べる?」谷垣君がデザートをこちらに押し出す。

「いらないの?」

「うん、もういい。」

「ありがとう。」遠慮はしない。

坂井さんと2人で分けた。

「いい人だね、谷垣君。」

最高においしいスマイルが出た。

「ねえ、谷垣君も一個も実験器具壊してない?」

「え、壊すの?何で?」

「やっぱり・・・・。」

「玉井、残念だが研究室で出た破損備品はうちだけだぞ。」

それって私だけってことじゃないですか。
落ち込む。しかも近藤さんにも聞こえてたの?

「僕も学生の時はよく壊したよ。」

慰めに違いない。ありがとう、小さくつぶやく。

「まあ、それが玉井ちゃんの持ち味ってことで。」

高田さんの意味不明なフォロー。

「お前はまた無責任なことを言う。」

小さくたしなめる近藤さんの声が痛い。

だいたい今週は先週より悲惨だった。

「とりあえず今この店のものを壊さなかっただけでも褒めてやる。」

「そんな・・・・。」

成井さんと高階さんが同意するように笑う。

「やっぱりかわいいね、玉井ちゃん。いいなあ、違うタイプのかわいい子二人もいて。」

「高田さん、三人目もいますけど、タイプも違いますよ。」

「あ、忘れてた。いいなあ、色々いて。」

「何ですか、その言い方。もう。」

「楽しそうだね。」谷垣君が言う。

「うん、・・・多分。」坂井さんが笑う。


コーヒーを飲んでお終い。お会計をそれぞれ集めて払う。勿論新人は奢り。

「谷垣、ほっといたけど女子二人と話せたし良かったよな?」

「はい、・・・大丈夫です。」

「また一緒に参加しような。同期は大切だぞ。」

そう言った高田さんの言葉で、もしかしてって思った。
谷垣君の為に?

「いいなあ、今度は女子二人の相手は、僕ね。」

私たち二人の間でにっこりと笑ってそう言う。

やっぱり前言撤回。この人は自分の為でもあるかも。
それでも楽しい。久しぶりにたくさん飲んだ、今何時?
つい声に出てたらしく坂井さんが教えてくれた。

「おお・・・・。」思ったより遅い。開始は早かったのに。

二次会はなく終わりらしい。
帰るのが面倒になった。
飲んだ日はだいたい漫喫か友達の部屋に泊めてもらっていた。
遅く帰ると両親を起こしてしまうし。う~ん。

しょうがない、漫喫にしよう。丁度ブラウスの替えもある。
見事、ブラウスの白さは守った!!
下着類一式はロッカーに入ってる、雨の日用だ、あくまでも。

「どうしたの?」

高田さんが唸り声をあげる私に聞いてきた。

「もう遅いなあと思って。家遠いんです。」

「どこ?」

聞かれて答えたらさすがに遠いねと言われた。
大学の時も通ってたというと驚かれた。
実験の毎日でいろんな家を渡り歩いてたと言うと納得してくれた。

「近藤、責任持て。」

「はっ?」

「お前んとこ広いし、近いし、泊めてやれば。玉井ちゃんは男の部屋にも慣れてるっていうし。」

「高田さん、誤解があるようですが・・・。」

「分かってる、分かってる。」

「いや、それにいいです。漫喫にも慣れてます。」


近藤さんが迷惑そうな、痛々しいような目で私を見る。
だから大丈夫だってば。

「ごめんね、家は姉がいて狭いからちょっと、もっと気をつかうでしょう?」

坂井さんにも言われる。

「大丈夫、漫喫楽しいし。」もう、いいのに。

「うちは彼氏がいるし・・・。」

ここで高階さんが言う。思わず見た。カレシ?
いたんだ、あ、失礼か。いいなあ。

近藤さんに視線が集まる。
私は首を振って大丈夫だと言ってるのに。

「分かった、泊める。ただしソファで寝ろ。ベッドは俺のものだ。」

当たり前です。
上司の匂いのする、一緒に彼女も寝ただろうベッドに寝る訳ないです。
いいと言ったのに何故か誰もが近藤さんによろしくと言い帰っていった。
もう一度漫喫にと言ったのにドンとタクシーに押し込まれた。

「すみません。でも、本当に今度から漫喫に行きます。この辺りを開拓していいところ見つけておきます。」

「もういいよ。」

ぶっきらぼう言われてもすみませんとしか出てこないんですが。



それなのに何でこうなったんだろう?

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