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第6章225話:チサトンのパワーアップ

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「チサトンは、ダンジョン配信者としては、最もリスナーを大切にしてるものね~」

チサトンは年間ランキング5位。

しかしリスナーの満足度だけなら、年間1位である。

チサトンはリスナーへのサービスが最も手厚いとされているからだ。

ゆえにファンの熱狂度も非常に高い。

誰よりもファンを大切にしている配信者。

それがチサトンである。

「応援があればあるほど強くなる。それがチサトンじゃ」





ぜんのようにいだ心で。

静かな境地で剣を振るう。

剣禅一致けんぜんいっちことわり

――――無我むが境地きょうち

しかし、チサトンの場合……

応援によって得られる活力は、依然としてチサトンの心に、燃料を注ぎ続けている。

ゆえに、剣は静謐せいひつであるものの、心は凪いでいない。

たぎるような熱を宿している。

これがチサトン流の、無我の境地である。

「せいッ!!!」

振るわれる一剣いっけん

剣士ならば、感嘆のため息をついてしまうような美しい剣である。

全く無駄がない。

流れるような重心移動じゅうしんいどうと、わざのつなぎの滑らかさ。

流麗りゅうれいの一言に尽きる。

当然、攻撃力は桁違いに上がる。

「くっ!」

ルミは、チサトンの剣を、軽々と受け止めることができなくなってきていた。

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