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第4章140話:他者視点2

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坊主頭が興奮した。

「実質、隠し部屋みたいなもんじゃねえか? もしかしたらお宝があるかもしれねーぞ」

「ああ、そうだな!」

角刈りも笑みを浮かべる。

アイテムバッグの容量はもうきついが、本当に財宝が見つかるなら、いくらか素材を捨ててでも回収したい。

そう思いながら、岩の裏の部屋へと近づく。

二人は、部屋の中をのぞいた。

「ふ……ごー、ろく、しち、はち……ぐぐぐぐ、あと……2回!!」

そこにいたのは、仮面をかぶった一人の女性である。

なぜかベンチに寝転がって、

なぜか巨大なバーベルを挙げていた。

いわゆるベンチプレスである。

……いや、何してんの?

二人にとって、困惑するしかない光景だった。

「……!! おい、あの人!」

そのとき坊主頭が気づいた。

彼は言った。

「あの人、ルミさんだぞ! ルミちゃんねるの!」

「え……!?」

角刈りも驚愕する。

そしてよく目を凝らして、ベンチプレスの女性を注視した。

……確かに。

彼女は、ルミだ!

あの仮面。

あの衣服。

現在はポニーテールではなく、髪を下ろしているが……間違いない。

現在、ダンジョン配信者として世間をにぎわしている、あのルミだ。

しかし、角刈りが首をかしげる。

「いや、でも、何してるんだ? ここダンジョンだぞ? なんでベンチプレス?」

「さあ……」

坊主頭にもわからない。

いや、きっと誰にもわからないだろう。

いったいどんな理由があれば、上級ダンジョンの二階でベンチプレスを行うことになるのか?
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