配信者ルミ、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第4章131話:ファンアイテム

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そういえば……友達を家に連れてくるなんて何年ぶりだろう?

大学に入るまではぼっち期間が長かったからなぁ……。

ルミは感慨深い思いを抱いた。

「適当に座ってください。とりあえずお茶を淹れますね」

「あ。お構いなく!」

コトリがリビングの座布団の上に座る。

ルミはキッチンで麦茶を淹れてから、テーブルに持っていった。

「どうぞ」

「ありがとー! すごく居心地の良い部屋だね」

「あはは。地味な部屋ですよね」

「そんなことないよ! 11階だから、夜の眺めとか良さそうだし」

まあ夜景は綺麗かな。

さて……。

ルミは意を決する。

「あ、あの……実は、話したいことがありまして」

「ん?」

コトリが首をかしげる。

ルミは、髪の毛をポニーテールへと結い上げた。

さらに、アイテムバッグから仮面を取り出して、顔に装着する。

これで……きっとコトリも気づいただろう。

ルミは言った。

「私が……ルミです」

そう告白する。

コトリは目を見開いていた。

そりゃ驚くよね。

ルミが口を開こうとすると、コトリが興奮したように言った。

「あーーー! それ、ルミちゃんも持ってるんだ!?」

「え?」

「私も持ってるんだよ。じゃーん! ルミさん仮面!!」

「!?」

コトリが自身のアイテムバッグから、仮面を取り出す。

その仮面はまさしく、ルミが持っているものと同一の代物であった。

ルミは驚愕して尋ねた。

「ど、どうしてコトリさんがそれを?」

「どうしてって、ファンアイテムだし」

「ファン、アイ……テム」

想定外の答えが返ってきて、ルミは固まってしまう。

コトリが言う。

「まあどこにでも売ってる仮面だしね! でも、ルミちゃんも持ってたなんて驚いたよ! 実はルミさんのファンだったんだね!?」

「い、いやっ、そうではなくっ!」

私が持ってるのはファンアイテムじゃなくて本物です!!

「それにしてもルミちゃん、コスプレ極まってるね? ルミさんと同じ黒髪だし、ポニーテールの長さも同じぐらいじゃない?」

同じぐらいっていうか……同一人物なので!

コトリが、自身の仮面を顔に装着したあと、言った。

「ルミちゃん見て見て! 私もルミでーすっ!」

「……」

もうどうしたらいいんだ……

まさかこんなふうに切り返されるとは思ってなかったので、ルミは途方に暮れるしかなかった。



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