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第6章271話:理由

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父上は告げる。

「お前の開発した武器、魔法銃まほうじゅうの威力は、私の知るところでもある」

ルチル隊でのみ配備している新型武器――――魔法銃。

実はその実践テストを、父上の前でおこなったことがあった。

だから父上は、魔法銃の性能やポテンシャルについて、よく理解していた。

「ゆえに【ルチル隊】を、戦争に参戦させることに決めた。此度の相手であるジルフィンド公国軍は、精強であり、一筋縄ひとすじなわではいかない。お前の傘下にいる【魔法銃撃隊まほうじゅうげきたい】の力が必要である」

「な、なるほど」

と、私は納得する。

魔法銃の力を借りたいわけか。

実戦投入じっせんとうにゅうはもっと先になるかと思っていたが、意外と早かったな。

「あと、お前には臨時であるが、副司令ふくしれいの役目を担ってもらう」

「なっ!?」

さすがに、その発言には驚いた。

軍のトップたる父上は総司令官そうしれいかん

副司令とは、そのすぐ下に来る、軍のナンバーツーだ。

父上の次に、軍を動かす権利を持っている立場である。

「お前には、指揮官の経験を積ませたことはなかったからな。今回が、その初陣ういじんというわけだ」

と、父は言った。

私は尋ねる。

「副司令なんて、急な抜擢ばってきが可能なものなんですの? もともと副司令だった人に怒られません?」

「いいや。現在、副司令の座は空席だ。ゆえにお前を起用しても、何も問題はない」

そうなのか……。

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