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第3章136話:取り巻き

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私はとりあえず挨拶した。

「ごきげんよう。殿下」

「ちやほやされて、良いご身分だな」

「あら。殿下のほうがちやほやされているのでは?」

「いいや。俺への注目なんざ小粒こつぶだ。お前のソレに比べればな」

「そうですか」

「来週には入試結果が張り出される。お前がどれだけ無様ぶざまな点数を取ったか、楽しみにしている」

「それはそれは。殿下を楽しませられると良いのですが」

「ちっ……やはり生意気な女だ」

そう鼻を鳴らして殿下が去っていく。

相変わらずの態度だ。

取り巻きたちが後を追っていく。

あんなやつの取り巻きになるなんて、かわいそうな令息たちだと思った。




アレックスのことは思考の彼方かなたへと追いやって、私はふと考える。

(そういえば、私の取り巻きはどこかしら?)

軽く周囲を見回して、探す。

あ、いた。

マキである。

向こうもこちらに気づいたようだ。

近付いてくる。

「おはようございます、ルチル様。それとエドゥアルトさんも」

マキが挨拶をした。

まず私に。

それが終わったらエドゥアルトにも。

さすがご令嬢たちだ。挨拶一つで育ちの良さが伝わってくる。

優雅な立ち居振る舞いである。

「ごきげんよう。あとはフランカだけですわね」
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