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第5章165話:冬3
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昼。
冬でも最低限の狩りや漁労はおこなう。
しかし他の季節に比べると、暇な時間は多い。
なので私は寝室にこもって、読書を楽しむことにした。
寒いので部屋のすみで火魔石を使うことにする。
火魔石をランタン型の容器にセットして、部屋のすみに置いておく。
ベッドに腰掛け、クレアベルに買ってもらった本を読む。
絵本を卒業してから与えられた本である。
読む。
読む。
読む。
ゆったりした気分で、静かに、本のページをめくる。
穏やかな時間だ。
気温は低いが、部屋のすみの火魔石ランタンが活躍してくれている。
少しずつ温まってきている。
「きゃはははは!」
ふと、窓の外から声が聞こえてきた。
本から目を離す。
ベッドから立ち上がり、窓の外へと視線をやった。
クレアベルとアイリスがいた。
声はアイリスのものだ。
トキちゃんにエサをやって遊んでいるらしい。
クレアベルも、アイリスも、すっかりトキちゃんとは仲良くなっている。
微笑ましい光景である。
(なんか、こういうの、いいな)
と、思う。
私は、前世では、天涯孤独だった。
両親はすでに他界していたし、恋人や友達もいなかった。
でも、いまは、家族たちに恵まれている。
とても、満たされた気持ちである。
幸せだ。
心から、そう思った。
冬でも最低限の狩りや漁労はおこなう。
しかし他の季節に比べると、暇な時間は多い。
なので私は寝室にこもって、読書を楽しむことにした。
寒いので部屋のすみで火魔石を使うことにする。
火魔石をランタン型の容器にセットして、部屋のすみに置いておく。
ベッドに腰掛け、クレアベルに買ってもらった本を読む。
絵本を卒業してから与えられた本である。
読む。
読む。
読む。
ゆったりした気分で、静かに、本のページをめくる。
穏やかな時間だ。
気温は低いが、部屋のすみの火魔石ランタンが活躍してくれている。
少しずつ温まってきている。
「きゃはははは!」
ふと、窓の外から声が聞こえてきた。
本から目を離す。
ベッドから立ち上がり、窓の外へと視線をやった。
クレアベルとアイリスがいた。
声はアイリスのものだ。
トキちゃんにエサをやって遊んでいるらしい。
クレアベルも、アイリスも、すっかりトキちゃんとは仲良くなっている。
微笑ましい光景である。
(なんか、こういうの、いいな)
と、思う。
私は、前世では、天涯孤独だった。
両親はすでに他界していたし、恋人や友達もいなかった。
でも、いまは、家族たちに恵まれている。
とても、満たされた気持ちである。
幸せだ。
心から、そう思った。
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