異世界に転生すると、私のチートスキルはチョコレート魔法でした!無双&スローライフしながら異世界を生きる物語

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第3章81話:盗賊―三人称視点2

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<三人称視点・続き>

この液体は、最初、少女だった。

少女の姿をしていた。

でも、きっとアレは少女ではない。

魔物だ。

腹に穴をあけようが、

首をハネ飛ばそうが、

バラバラに切断しようが、

死なない人間なんて……いるわけがないのだから。

第一、こんな液体の姿をして追いかけてくるなど、人のわざではない。

魔物……

しかも、かつて彼が遭遇したことがないレベルの化け物である。

「くっ……!」

相手は、人の言語を理解する魔物だ。

竜に匹敵するほどの怪物かもしれない。

しかも、竜のようにわかりやすい見た目をしていない。

正体不明。

死なないのだからアンデッドかと思ったが、それも違った。

理解不能の化け物だ。

「ツイてねえ!」

とザカルは叫んだ。

なんで、田舎の山に入っただけで、こんな怪物と出くわすんだ?

ザカルは自分の不運を呪った。

そのとき。

「!!?」

横で、何かが走っている。

ザカルと同じように、森の下り坂を疾走する何かだ。

まるでザカルと並走へいそうするように、30メートルほど離れた位置を駆ける何か。

それは――――チョコレート・ゴーレムであった。

「ひっ!?」

人型をした茶色の魔人。

埴輪はにわのような顔をしたバケモノ。

チョコレートで生成されたゴーレム。

チョコレート・ゴーレム。

セレナにとっては、ただチョコレートで作った人型のゴーレムなのだが……

ザカルにとっては、完全に未知の生物であり、悪魔の手先のように感じられた。

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