異世界に転生すると、私のチートスキルはチョコレート魔法でした！無双＆スローライフしながら異世界を生きる物語

第3章76話：盗賊9

ザカルが必死でこちらを分析しているようだが、チョコレート魔法を理解することなど、できやしない。

「よくもリュカを！！」

と、青髪の女盗賊が両手を前に突き出す。

次の瞬間。

彼女の手から、水の魔法弾まほうだんが放たれた。

私に向かって飛来してくる。

が。

チョコレート・ハンドが魔法弾の前に立ちはだかり、手のひらで受け止めた。

「くっ！！」

青髪の女盗賊が歯噛はがみする。

そのあいだに私は、両手にチョコレートの二丁拳銃にちょうけんじゅう――――【チョコレート・ガン】を生成。

青髪の女盗賊に照準を定めた。

「避けろ！！」

とザカルが叫ぶ。

ザカルは、拳銃を見たのは初めてであろうが……

チョコレート・ガンの形状から、飛とび道具どうぐであると理解したらしい。

だが、遅い。

すでに私は青髪の女盗賊に発砲していた。

チョコレートの銃撃炸裂光《マズルフラッシュ》がまたたく。

「がはっ！！？」

女盗賊のみぞおちを撃ち抜く。

さらに５発ほど追加で発砲して、足、腹、額、肩、脇腹を貫いた。

女盗賊は即死し、血の海に沈む。

これで３人が死んだ。

「あとはあなただけですね」

「……」

ザカルは険しい表情で、木の枝の上に退避していた。

怯おびえと恐怖の混じった、深刻な顔つきで、こちらを注視ちゅうししている。