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第2章37話:剣術教室―他者視点

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<他者視点>

チョコレート魔法を目にしたテオが、目を輝かせて感激した。

「すげー!! なんだあの能力!?」

「ヘンリックが押されてるわよ!?」

と、ラミサも同調する。

みんなが驚いているのをみて、アイリスは満足げだった。

ユズナも驚いていた。

「チョコレート魔法、でしたか。ずいぶんと風変ふうがわりな能力ですね」

それに、セレナの魔法操作能力まほうそうさのうりょく瞠目どうもくさせられる。

魔法を細かく操作するのは簡単ではない。

セレナは、文字通り魔法を、自分の身体から生えた手や腕のごとく扱っているが……

あそこまで自由自在に魔力をコントロールするとなると、相当の実力が必要だ。

「一見すると、土魔法つちまほうのようにも見えますが」

とユズナは分析を口にした。

「土魔法ではないな」

クレアベルはそう否定する。

続けて、クレアベルは告げた。

「あれはいわゆる【固有魔法こゆうまほう】だろう」

「固有魔法……」

魔法とは通常、誰でも使えるものだが……

まれに、個人しか使用することができない魔法が発現はつげんする。

それが固有魔法だ。

チョコレート魔法は、おそらく固有魔法に該当がいとうする代物しろもの

「まあ、私もセレナのような固有魔法は初めて見たがな」

とクレアベルは言った。

セレナと一緒に暮らしてきたクレアベルは、チョコレート魔法のさまざまな一面を目にしている。

形状は変幻自在へんげんじざい

斬撃性ざんげきせいを持たせたり、液体化えきじょうかさせたり、硬化こうかさせたりと……性質の変化も自由自在。

しかも食べれば美味しいという謎めいた仕様。

セレナのチョコレート魔法は、とらえどころがなく、まさしくビックリ箱のようなものである。

「固有魔法は奇怪な魔法が多い。まあセレナを神殿に連れて行けば、何かわかることもあるかもしれんが」

神殿では魔法の鑑定をおこなうことができる。

しかし、とユズナは告げる。

「最近の神殿はキナ臭いところもありますから……やめておいたほうがいいのではありませんか? 目をつけられたら、何をされるかわかりませんよ」

「……そうだな」

とクレアベルは同意した。





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