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カルテット

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 「皆様、こんにちは!このあと午後3時から、弦楽四重奏の演奏が始まります。どうぞお座りになってお待ちください」

 マイクを通して、管理組合の人が呼び込みをする声が控え室まで聞こえてきて、朱里は一気に緊張が高まった。

 「うわー、どうしよう。手汗が凄いんだけど…」

 隣に座る美園がそう言って、ハンカチで手を拭う。

 「久しぶりだもんなー、人前で演奏するの。しかもオーケストラじゃなくてカルテット。ごまかし効かないよな」

 そう言う光一の言葉に奏が突っ込む。

 「おい、オーケストラならごまかしてるのか?光一」
 「ま、多少はねー」

 しれっとした顔で光一が言うと、皆は思わず笑い出す。

 緊張はいつの間にかほぐれていた。

 「久しぶりに俺達の演奏を聴いてもらえるんだ。思いっ切り楽しもうぜ!」
 「はい!」

 力強い奏のセリフに頷き、四人は笑顔で頷き合った。

*****

 時間になり、黒の衣装で揃えた四人はロビーに向かった。

 大きな拍手で迎えられ、四人は深々と一礼する。

 ゆっくりと椅子に座り、それぞれ呼吸を整える。

 やがてお互いに目配せして頷くと、一斉に楽器を構えた。

 ふうと小さく息を吐いてから、朱里が身体で合図を出す。

 タイミングを合わせて最初の一音を響かせると、観客席の雰囲気も一変した。 

 皆がハッとしたように音に入り込んでいく。  

 最初の曲は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」より第一楽章アレグロ。

 モーツァルト作曲の有名なこの曲は、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。

 前列に座る年配のご夫婦が、微笑みながら小さく身体を揺らして聴き入ってくれているのが目に入り、朱里は嬉しくなる。

 (みんなに音楽の楽しさが伝わりますように)

 四人で息を揃えながら、その場の雰囲気を楽しみつつ心を込めて演奏する。

 一曲目が終わり、大きな拍手の中、四人は立ち上がってもう一度お辞儀をした。

 他の三人が座ると、朱里はマイクを手に話し始める。

 「皆様、こんにちは!私達は青南大学管弦楽団カルテットチームです。本日はこのような素敵な演奏の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。短い時間ではありますが、どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください」

 再び拍手が起こり、朱里は笑顔で応える。

 「最初にお送りしたのは、モーツァルト作曲アイネ・クライネ・ナハトムジークより第一楽章アレグロでした。皆様も一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。続いての曲も、有名な一曲です。曲名は、あえて今は申しません。どうぞ考えながらお聴きくださいね」

 朱里はマイクを置くと席に座り、皆で間を取ってから次の曲を弾き始めた。

 ああ!という反応が客席から伝わってくる。

 良く響くロビーに、たっぷりと美しく奏でられるメロディ。

 朱里はこの曲を弾ける幸せを感じながら、仲間と音楽を紡いでいく。

 最後の一音まで響かせると、やがて静けさが戻ってくる。

 朱里達がホッと息をつくと、大きな拍手が湧き起こった。

 「ありがとうございます。さて、曲名はお分かりになりましたか?」

 すると最前列のおじいさんが手を挙げた。

 「パッヘルベルのカノン!」
 「おおー、素晴らしい。大正解です!よくご存知でしたね。クラシック音楽、お好きなんですか?」
 「いや、全然。でもこの曲は好きじゃ。グッドチョイス!」

 親指を立てるおじいさんに、客席がドッと笑いに包まれる。

 「ありがとうございます!おじいさんの為にこの曲を選びました!」
 「え?本当か?」
 「あ、ごめんなさい。嘘です」
 「なんじゃ。あー、びっくりした」

 朱里とおじいさんのやり取りに、また笑いが起こった。

 「ではここでちょっとクイズをしたいと思います」

 クイズー?と子ども達の声が聞こえた。

 「そう、クイズです。これから楽器で動物の鳴き声をマネします。何の動物の鳴き声か、当ててみてね」

 朱里が振り向いて頷くと、光一が立ち上がる。

 オーバージェスチャーで、ヒヒーン!とビオラで音を出した。

 「あー、お馬さん!」

 小さな子どもの声がした。

 「そう、大正解!ヒヒーン!ってお馬さんの鳴き声でしたね。ではもう一問。今度は何かな?」

 美園が立ち上がり、高い音からグリッサンドで指を滑らせ音を下げた。

 (上手い!美園ちゃん。これなら分かるはず)

 朱里が美園に親指を立てて頷いていると、女の子が手を挙げた。

 「ネコちゃんだー!」
 「そうです。ミヤーオって、ネコちゃんの鳴き声でしたねー。それでは次は、鳴き声じゃなくて短い曲を演奏します。何の曲か、よーく聞いて当ててくださいね。いきますよ?この曲なーに?」

 朱里が振り向くと、三人は息を合わせて短いフレーズを弾いた。

 あー!と一斉に客席がざわつく。

 「これ、知ってる!」
 「でもなんだっけ?」
 「どっかで聞いた!」

 そんな大人達のざわめきの中、男の子が大きな声で言った。

 「お風呂が沸きました!」

 それだー!と皆は声を揃える。
 そして一気に笑い声に変わった。

 「そうですね。給湯器のメロディです。でも曲名は、お風呂が沸きました、ではありません。『人形の夢と目覚め』という曲です。ぜひ覚えてくださいね。ではもう一問参りましょう。この曲なーに?」

 今度は奏がチェロで短いワンフレーズを弾く。

 ドッと笑いが起こった。

 「コンビニだー」

 子ども達が口々に言う。

 「そうです。コンビニに入店した時のチャイムですね。正式な曲名は、私も分かりません。コンビニの入店チャイム、で通じると思います」

 ええー、ほんとー?と子ども達が笑った。

 すっかり場が和んだところで、また演奏に戻る。

 「続いての曲は、有名なアニメ映画のテーマ曲です。みんなもきっと知ってるよ!一緒に大きな声で歌ってね!」

 前奏の部分だけで、子ども達が喜んで手を叩き始めた。

 朱里が、せーの!と言うと、皆で一斉に歌い出す。

 子ども達の歌声に合わせて、テンポを少し落としながら演奏する。

 途中、朱里と美園は立ち上がって客席の近くまで行き、子ども達に楽器を見せながら演奏した。

 ロビー中が同じ音楽で一体となる心地よさを感じ、朱里達は笑顔で頷いた。

 「みんな、どうもありがとう!とっても上手に歌えたね。では次は大人の皆さんも歌ってくださいね」

 そして誰もが歌える名曲を、手拍子を促しながら演奏する。

 大人達の綺麗な歌声がハーモニーとなり、朱里は思わずうっとりした。

 いよいよ、最後の曲となる。

 「皆様、本日は楽しいひとときを本当にありがとうございました。最後にこの曲でお別れしたいと思います。エルガーが最愛の妻、アリスに贈った曲です。どうぞ皆様も、大切な人を思い浮かべながらお聴きください。『愛の挨拶』」

 しっとりした朱里の口調に合わせて客席も静まり返る。

 朱里は深呼吸したあと、楽器を構えた。

 四人の音色が響き合う。
 優しくて甘い、愛の曲。

 大切な人、愛する人、私は誰にこの曲を聴いて欲しいのだろう。

 そんなことを考えながら、朱里は想いを込めて演奏した。

 最後の一音が空気に溶け込み、静寂が訪れる。

 次の瞬間、大きな拍手に包まれた。

 四人は立ち上がりお辞儀をする。
 だが拍手は鳴り止まない。

 朱里は笑顔でマイクを握った。

 「ありがとうございます!ではアンコールにお応えして、この曲で盛り上がりましょう!」

 アップテンポな曲に、すぐに手拍子が起こる。

 テレビ番組のテーマとして有名なこの曲は、これを弾きたくてヴァイオリンを始めたという男性も多いと言われている。

 子どもも大人も、おじいさんもおばあさんも、皆、笑顔で手を叩いていた。

 ロビーは熱気に包まれ、やがて四人が大きく宙に弓で弧を描きフィニッシュを決めると、わあ!っと皆が立ち上がって拍手を送った。

 深々と頭を下げた朱里は、ゆっくりと顔を上げる。
 と、次の瞬間、笑顔のまま固まった。

 (………は?)

 客席の後方に、さっきまではいなかった家族連れが急に現れていた。

 その家族連れとは。

 (え…瑛?お姉さん?優くんもいる。おじ様とおば様も?は?なんで?)

 ぱちぱちと瞬きし、これは幻か?と目を凝らした時、瑛の背後に菊川の姿を見つけた。

 (あーーー!!)

 朱里は合点がいった。
 このマンションで演奏することを伝えた、ただ一人の人物。

 (きーくーかーわーさーん!)

 思わず睨むと、菊川が苦笑いを浮かべて肩をすくめてみせた。

*****

 「ごめん、先に控え室戻ってて」

 美園にそう言い残し、朱里は楽器を持ったまま桐生家御一行様のもとへ行く。

 「朱里ちゃーん!とっても素敵だった!」

 雅が興奮気味に話し出す。

 「優もね、ノリノリだったのよ。コンサートで音楽聴くのなんて、まだまだ早いと思ってたけど、すごく興味深々だったの。ネコの鳴き声なんて、キャッキャッ言って喜んで、手拍子もしてね。朱里ちゃんに見つからないように、パーテーションの向こうで隠れて聴いてたんだけど、最前列で聴きたかったわ。あー、本当に楽しかった!」
 「あ、ありがとうございます。私達、アマチュアですし、そんなに上手くなくてお恥ずかしい…」
 「そんなことないわよ!皆さんとっても引き込まれてたし。いいわねー、こんな演奏会。子どもがいても、気兼ねなく聴けるし。第一子どもにも聴かせたいものね、音楽は」
 「そう言って頂けると…。あの、ところでどうしてここに?住人の方しか入れないと思うんですけど」

 すると、両親がにこにこと話しかけてきた。

 「朱里ちゃん、実はね。このマンションは桐生グループが手掛けたんだよ。設計も建設も販売もね」
 「ええ?そうだったんですか!」
 「それでね、菊川が教えてくれたのよ。朱里ちゃんが今日ここで演奏するって。もうそれは聴きに行くしかないでしょう?あー、でも黙ってるの大変だったわ。菊川に口止めされてね。朱里ちゃんが動揺したらいけないからって。でも本当に素晴らしかったわ!」
 「まったくだよ。朱里ちゃん、今日の演奏会の写真、大々的にホームページに載せてもいいかい?うちのマンションは、こんなに素晴らしい催しで住人の皆様に喜ばれているんだって伝えたいんだよ」

 ひえー!と朱里はおののく。

 「えっと、その、あの」
 「いやー、これはうちの他のマンションでもやるべきだな。どうだろう?カルテットの皆さんにまたお願い出来ないかな?」
 「あ、そ、その、聞いてみます…」
 「ああ。是非!」

 朱里は、とにかく着替えてきますと言って控え室に戻った。

*****

 「かんぱーい!」

 居酒屋でカルテットの四人はグラスを合わせる。

 「はあー、うまい!格別だな、今日のビールは」
 「だな!演奏もなかなか良かったんじゃない?」
 「ですよね!お客様の反応も良かったし。まあ、演奏技術はまだまだですけど」
 「そりゃーな。でも楽しんでもらえたのが何よりじゃないか?」
 「そうですよね」

 奏の言葉に頷いた美園は、朱里を振り返った。

 「それにしても、朱里の話にはびっくり!」
 「ほんとだぜー。まさか桐生ホールディングスの社長一家が聴きに来てたなんてな」
 「しかも、次の演奏も依頼してくれるなんて」

 朱里は身体を小さくさせる。

 あのあと、控え室で皆に事情を話し、瑛の両親を紹介した。

 そこで改めて演奏を依頼され、皆は恐縮しつつも快諾してくれたのだった。

 「ほんとにもう、なんでこんなことになったのやら…。すみません」
 「なんで謝るんだよ?有り難いじゃないか」
 「そうですけど…。なんだか大ごとになっちゃって。ホームページに掲載されたりするそうですし」
 「いいんじゃなーい?これで俺も、大学生活に爪跡残せるわ」

 光一の言葉に、奏があはは!と笑い出す。

 「お前、どんな爪跡だよ」
 「とにかくさ、カルテットは存続!また次に向かってがんばろうぜ!」

 すると美園も身を乗り出す。

 「そうですよね!今回とっても楽しかったから、また次があるのって嬉しいです」
 「おお。そしたらこれからもよろしくな!」
 「はい!」

 そして四人はもう一度グラスを掲げて乾杯した。
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