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結婚披露宴
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「わー、なんて素敵な招待状。ね?大和さん」
ポストに届いた野中と彩乃の結婚披露宴の招待状を、恵真は嬉しそうに掲げてみせる。
「きれいなデザイン。ふふ、楽しみだなあ」
招待状に書かれている披露宴の日時は、
11月22日の水曜日。
午前11時~午後2時まで。
会場は、恵真が彩乃に薦めた空港ターミナルビル最上階の、あのバンケットホールだった。
その日は既に恵真と大和、そして伊沢のオフは確約されていて、その他のパイロットも出来るだけ披露宴に顔を出せるようにと、スケジューラーが必死にあれこれ考えてくれていた。
「考えてみたら、私、誰かの結婚披露宴に出席するなんて初めてかも」
「そうなの?」
「うん。いつも仕事で行けなくて。だから本当に楽しみ…。あっ!」
急に何かを思い出したように口元を押さえる恵真に、大和は、どうしたの?と尋ねる。
「私、披露宴に来ていけそうな服、持ってなくて」
「なんだ。それなら、今度一緒に買いに行こう」
「ほんと?いいの?!」
「もちろん。せっかくだから、俺も新調しようかな」
「うわー、嬉しい!」
恵真は、楽しみで仕方ないとばかりに小さく跳ねて喜ぶ。
(可愛いなあ。背中に羽でも付いてそう)
そんな事を考える自分もおかしくて、大和はふっと笑みを漏らした。
◇
夜、ベッドで眠る恵真の寝顔を見ながら、大和は一人考え込む。
(野中さんの結婚で、会社は今お祝いムード1色だ。俺と恵真がそれに続くのは、良いタイミングなのかもしれない)
それに、もうこれ以上周囲に黙っているのは、自分の中でも限界だった。
(恵真にプロポーズしよう)
心の中で決意する。
(ずっとずっと、恵真と一緒にいたい。毎日こうやって恵真に触れているだけで、俺はこの上なく幸せな気持ちになれる)
優しく恵真の頭をなでていた大和は、ふと思いついてベッドサイドテーブルに手を伸ばした。
置いてあったメモパッドから1枚切り取ると、何度も折って細くする。
それをくるりと丸くしてから、そっと恵真の左手の薬指にはめて、目印の折り目を付けた。
(これで恵真の指のサイズが分かる)
思わずニヤリとしながら、大和は丸い輪っかを大事に引き出しの中にしまった。
◇
「うーん、どれがいいかな?」
恵真がオフの日、夕方に仕事が終わる大和と待ち合わせて、二人で披露宴に着て行く服を選びに来た。
ファーマルな衣装を揃えたブティックで、数々の衣装を前に恵真は真剣に悩んでいた。
「これとかどうですか?」
黒いシックなロングワンピースを手にして、大和に聞いてみる。
「んー、それもいいけど。せっかくだから、いつもとは違った雰囲気の恵真が見たいな」
「いつもと違うって?」
「パイロットの制服のイメージじゃなくて、女の子っぽい雰囲気の恵真」
「そ、それは難しいかも?中身は変わらない訳だし…」
恵真が戸惑うと、大和は少し考えてから恵真に提案する。
「じゃあ俺に選ばせて」
「ええ?!」
「いいでしょ?ほら、俺も恵真とお揃いのコーディネートにしたいからさ」
「いいですけど…。あの、私に似合うかどうかは保証出来ませんよ?」
「大丈夫だって!」
そう言って大和は、嬉しそうにスタッフと話をしながら選んでいく。
「恵真、着替えてきて」
「え?はい」
いつの間に選んだのだろう、と不思議に思いながら、恵真はスタッフのあとをついて行く。
2階のフィッティングルームに案内され、どうぞ、とスタッフに見せられたのは、ラベンダーカラーの上品なドレスだった。
「わあ、なんて素敵…」
胸元はハートシェイプでデコルテがきれいに見え、ふんわりとしたシルエットの膝丈のスカートは、張りのある生地の上にオーガンジーが重ねてあった。
早速試着すると着心地も良く、なんだか別世界にいるような気持ちになる。
「まあ!とってもお似合いですよ」
「あ、ありがとうございます」
お世辞に違いないが、恵真は素直に受け取ってスタッフにお礼を言う。
「よろしければこちらもどうぞ。お揃いのボレロなんです」
「え、可愛い!今の季節にはちょうどいいですね」
髪も軽くアップに整えてくれ、ヒールの高いストラップシューズも持って来てくれた。
「さあ、では1階へ。お連れ様もお着替え終わりましたよ」
え、大和さんも?と、恵真は楽しみになる。
(大和さん、どんな感じなのかな?絶対かっこいいよね!)
ワクワクしながら階段を下りていると、途中で、恵真…と声がした。
ふと視線を上げると、スリーピースのスーツに薄紫色のネクタイとチーフを合わせた大和が、驚いたようにこちらを見上げている。
(わー、大和さん。かっこいい!)
思わず足を止めて見とれていると、同じようにじっと固まっていた大和がハッと我に返り、階段の下にやって来た。
「どうぞ」
「ありがとう」
差し出してくれる手に、恵真も自分の手を重ねる。
そのまま階段の下まで下りると、スタッフに促されて二人で鏡の前に立った。
「まあ、なんて絵になるのかしら。芸能人カップルみたい」
スタッフの言葉に、そんな大げさな、と恵真は苦笑いしたが、大和はあっさり頷いた。
「本当に。とっても可愛いよ、恵真」
「え?そ、そんな。大和さんこそ、とってもかっこいいです」
「そのラベンダーカラー、よく似合ってる。恵真が歌っていたあの子守唄が忘れられなくてね」
「あ、ラベンダーズ ブルー?」
「そう。いつか恵真が子どもに歌って聞かせるのを、一緒に聞いてみたいな」
「え…」
(いつか、子どもに?それって、私と大和さんの…)
頬を赤くする恵真の横で、大和は、
(歌ってる途中で寝ちゃうだろうけどね)
と下を向いて笑いを堪えていた。
◇
いよいよ11月22日。
待ちに待った野中と彩乃の結婚披露宴の日がやってきた。
恵真は朝からソワソワと支度をしていた。
髪をカールさせてからハーフアップにまとめ、華やかな飾りを付ける。
メイクもいつもより丁寧に時間をかけ、最後にラベンダーカラーのドレスに着替えると、大和の待つリビングへ向かった。
「大和さん、お待たせしました」
リビングに行くと、パリッとスーツを着こなし、髪も軽くセットした大和がソファから立ち上がる。
「うわっ、恵真。可愛いな」
「え、そ、そんな。大和さんこそかっこいいです」
二人とも試着の時に見ているはずなのに、改めてドレスアップしたお互いの姿に驚く。
「なんか…こんなにきれいな恵真を、誰にも見せたくなくなってきた」
「何言ってるんですか。今日の主役は野中さんと彩乃さんですよ?誰よりもお二人が輝いてますって」
「そうだな。幸せ気分を分けてもらおう」
「そうですね。ふふ」
大和は恵真の手を握る。
「じゃあ、行こうか」
「はい」
二人は手を繋いで玄関を出ると、大和の運転する車で空港ターミナルビルへと向かった。
「えーっと、披露宴は11時からだよな?」
「はい、そうです。でも私は受付を担当するので、10時には会場に行きたいんですけど」
「オッケー。大丈夫、充分間に合うよ。それにしても変な感じだな。こんな格好で職場に向かうなんて」
「ふふ、そう言えばそうですね」
そんな事を話しているうちに、駐車場に着く。
「ありがとうございました。大和さんは時間まで、どこかでお茶でも飲んでますか?」
「いや、俺も恵真と一緒に行くよ」
そう言って恵真の手を繋ぐと、するっと恵真が手をほどく。
「恵真?」
「だ、だって。誰に見られるか分からないし…」
「まーたそれか。そもそも披露宴では俺と恵真の席、隣同士だよ?」
「いえ、私は受付をするので、ほとんど入り口の近くに座ってますから」
「でも俺達の服装、リンクしたコーディネートだし」
「それは、その…。皆さん、野中さんと彩乃さんに注目されて、気づかないと思いますし」
ふーん、まあいいけど、と大和は一旦引き下がる。
(そうやって誤魔化せるのも、いつまでかなー?)
そう思うと、恥じらう恵真の様子を楽しむ余裕も出てきた。
(とにかく、今日の恵真は格別にきれいだ。良い日になりそうだな)
大和は恵真に笑いかけてから、歩き始めた。
会場の入り口に着くと、スタッフに新郎新婦の控え室に案内された。
「失礼します。わー!彩乃さん、なんてきれいなの」
恵真は、ウェディングドレス姿でドレッサーの前に座っている彩乃に感激して声を上げる。
「恵真さん!佐倉さんも、今日はありがとうございます」
「いえ、お招きありがとうございます。野中さん、彩乃さん、本日はおめでとうございます!」
恵真と大和は、二人に祝福の言葉をかける。
「ありがとな、二人とも」
そう言って笑いかける野中も、シルバーグレーのタキシードがとてもよく似合っている。
「本当にお似合いのお二人ですね。うっとりしちゃう」
「まあ、そんな。恵真さんと佐倉さんこそ、お揃いのコーディネートでとってもお似合い。お二人の結婚式も楽しみにしていますね」
え、そんな、と恵真は頬を染める。
長居してお邪魔してはいけないからと、恵真と大和は早々に控え室を出て会場に向かう。
広々とした会場内は、あちこちに丸テーブルが設置され、真っ白なクロスの上にきれいな花が豪華に飾ってあった。
「お、恵真!佐倉さん!」
スタッフと打ち合わせをしていた伊沢が、二人に気づいて手を挙げる。
「伊沢くん、お疲れ様」
「おおー、伊沢。なかなか似合ってるな、そのスーツ」
「ほんとですか?いやー、でも佐倉さんには敵いませんよ。あれ?ひょっとして恵真とお揃いコーデですか?ひゃー、熱い熱い」
伊沢は手に持っていた司会原稿でパタパタと自分をあおぐ。
「伊沢くん、司会の打ち合わせは終わったの?」
「ああ、ひと通りね」
「じゃあ私、受付の説明を聞いてくるね」
恵真がスタッフから受付の流れを聞き終わった頃、ゲストが到着し始めた。
「あら、藤崎さん!受付してくれてるの?」
「こんにちは。そうなんです。こちらの芳名帳にご記帳をお願いします」
職場の上司や先輩、後輩、とにかく顔見知りのゲストが続々とやって来る。
恵真が一人で対応に追われていると、いつの間にか隣で大和が同じようにゲストに記帳を促し、ご祝儀を受け取ってくれていた。
「おお、佐倉くん。久しぶりだね。相変わらず良い操縦するらしいじゃないか。噂はかねがね聞いてるよ」
「ご無沙汰しております。いえ、まだまだ至らぬ事が多く、日々勉強を重ねております」
役員クラスの上司に対応してくれる大和に、恵真はホッとした。
(私なんか、顔も名前も覚えてもらってないものね。良かった、大和さんがいてくれて)
そうこうしているうちにゲストが揃い、恵真と大和も受付を離れて席に着く。
会場に控えめに流れていたBGMと照明が落とされ、司会の伊沢がマイクで話し始めた。
「えー、皆様。大変長らくお待たせ致しました。これより、新郎新婦のお二人が入場されます。どうぞ大きな拍手でお迎えください」
音楽が流れ、入り口にスポットライトが当てられる。
皆が拍手をしながら注目する中、やがて扉が左右に開いて、野中と彩乃の二人が腕を組んで現れた。
「わー、素敵!」
「野中さん、かっこいい」
皆、一斉に笑顔になる。
ゆっくりと歩きながら祝福の言葉に会釈する二人に、恵真も大和も大きな拍手を送った。
簡単な自己紹介のあと、伊沢がまず初めに二人の出会いについて話し出す。
「それはもう、運命の出会いと言っても過言ではありません。お二人がビビッと惹かれ合っている時、邪魔者の私はグランドスタッフの方を探して右往左往し、目撃した知り合いに『迷子のパイロット』扱いされておりました」
あはは!と笑い声が上がる。
「彩乃さんに一目惚れした野中キャプテンは、メールを送るのにもドキドキソワソワ。コーパイの自分に相談されるという迷走ぶりでした。が、しかし!ロンドンのお土産を渡して、遂にファイナルアプローチ!無事に恋のナイスランディングを決められたのでありました」
おおー!と拍手が起こる。
「そこからのキャプテンはもう、エンジンならぬデレデレ全開!飛行機雲で空にハートマークまで描きそうな勢いであります!」
「アホ!そんなの描くか!」
耐えかねたように、野中が口を挟む。
ゲストからまた笑いが起こった。
「とにかく!今日はそんな野中キャプテンが、目をハートにして彩乃さんを見つめるデレデレぶりを、皆様にもとくとご覧頂ければと思います」
大きな拍手の中、照れたように頭を下げる彩乃の横で、野中もペコペコしつつ、時折ジロリと伊沢に鋭い目を向けていた。
乾杯のあと、食事と歓談の時間となり、会場の雰囲気も和む。
美味しい料理を味わっていると、入り口からそっと入って来るパイロット姿の同僚達を見つけて恵真は立ち上がった。
「お疲れ様です」
「お、藤崎か。お疲れ様。俺達これからフライトなんだけど、少しだけでも野中さんの晴れ姿を見たくてさ」
「ありがとうございます。今、歓談の時間ですから、どうぞ野中さんとお話してきてください」
「そうか、うん。行ってくるよ」
恵真が見守っていると、
「野中さん、本日はおめでとうございます」
「おおー!ありがとな、忙しいのに」
「いえ。ひと目だけでも、野中さんと奥様の幸せなお姿を拝見出来て嬉しいです」
というやり取りが聞こえてきた。
(良かった、この会場をお薦めして)
恵真が微笑んでいると、また新たにそっと入り口から中を覗き込むCA達がいた。
恵真は入り口まで行き、どうぞと中へ促す。
フライト前のCA達も野中に挨拶に行き、嬉しそうに言葉を交わして写真を撮る。
その後も何人かを中に招き入れ、やがて12時になると、昼休みに入ったオフィスの社員が一気に現れた。
恵真は入り口の近くに設けられたテーブルに案内し、壁際に用意されたビュッフェカウンターの料理を勧める。
「え?食べてもいいんですか?」
「はい。新郎新婦のお二人が、昼休みに来てくださる方の為にと。どうぞお召し上がりください」
「ありがとうございます!じゃあ昼休み丸々1時間、ここにいられるな」
続々と現れる社員に、恵真は大和と一緒に対応した。
料理が落ち着いた頃、前方のスクリーンに野中と彩乃の結婚式の様子が上映される。
「わあ!なんて素敵…」
受付のテーブルを前にして、会場の1番うしろから、恵真は映し出される挙式の様子に釘付けになる。
ステンドグラスが輝くチャペルの中、長いバージンロードをゆっくりと歩くうつむき加減の彩乃。
そんな彩乃を見つめる野中の眼差しも、温かく優しい。
向かい合って指輪を交換し、ベールを上げてキスをする二人に、恵真は思わず涙ぐむ。
そんな恵真の肩を、大和はそっと抱き寄せた。
お色直しの為に新郎新婦が中座し、恵真と大和がテーブルに戻ると、伊沢も同じくテーブルに戻ってきた。
「お疲れ様、伊沢くん」
「伊沢、今のうちにたくさん食べろよ」
「はい、ありがとうございます。わー、うまそう!」
パクパクと勢い良く食べる伊沢に、恵真がふと思い出したように話しかける。
「ねえ、伊沢くん。さっき話してた、迷子のパイロットって言われた知り合いって誰のこと?」
「ああ、こずえだよ」
「やっぱり!ふふ、こずえちゃんが言いそうなセリフだもんね」
「そうなんだよ。しかも嫌味たっぷりにさ。『面白いもの見ちゃったー』とかって電話してきて」
へえーと恵真は、意味ありげに笑いかける。
「伊沢くん、こずえちゃんとよく電話してるんだね」
「いや、最近はサッパリだよ」
「そうなの?」
「ああ。最後に話したのっていつだ?うーん…。あ!野中さんや彩乃さんと一緒に俺達が食事した日だよ」
ええ?!と恵真は驚く。
(それって2ヶ月以上前よね?そんなに長い間話してないなんて…)
恵真は心の中で地団駄を踏む。
(もーう!伊沢くんもこずえちゃんも、どうして自分のことになるとこんなに奥手なの?)
ぷうと膨れる恵真を、大和は不思議そうに眺めていた。
◇
「それではこれより、新郎新婦のお二人が装いも新たに入場されます。どうぞ大きな拍手でお迎えください!」
伊沢のセリフに、皆は入り口に注目する。
登場した二人に、わあ!と一斉に歓声が上がった。
野中はパイロットの制服姿、そして彩乃は日本ウイング航空のコーポレートカラーである、スカイブルーのドレスだった。
「うわー、素敵!とってもお似合い!」
恵真も大きな拍手を送る。
キャンドルサービスをしながらゲストのテーブルを回り、高砂に着いた二人が深々とお辞儀をし、顔を上げた時だった。
二人のうしろの幕がサーッと左右に開き、皆の目に滑走路と飛行機が飛び込んできた。
「ええー?!凄い!」
「ひゃー!何これ」
「素敵ー!」
口々に驚きと感嘆の声が上がる。
「なんて素敵なの?凄い…」
「確かに。この眺めは圧巻だな」
そう言ってから、大和は、ん?と首をひねる。
「恵真がお薦めしたんじゃないの?この会場」
「そうなんだけど、ここまで凄いとは思ってなくて」
「ははは!そっか。しかし絵になるなあ」
ゲストも高砂の前に集まり、飛行機をバックに新郎新婦の写真を何枚も撮る。
ひとしきり盛り上がり、ようやく皆がテーブルに戻ると、ケーキカットやファーストバイト、ブーケトスが行われる。
披露宴は和やかな雰囲気のまま無事にお開きとなり、ゲストも皆、笑顔で会場をあとにした。
ポストに届いた野中と彩乃の結婚披露宴の招待状を、恵真は嬉しそうに掲げてみせる。
「きれいなデザイン。ふふ、楽しみだなあ」
招待状に書かれている披露宴の日時は、
11月22日の水曜日。
午前11時~午後2時まで。
会場は、恵真が彩乃に薦めた空港ターミナルビル最上階の、あのバンケットホールだった。
その日は既に恵真と大和、そして伊沢のオフは確約されていて、その他のパイロットも出来るだけ披露宴に顔を出せるようにと、スケジューラーが必死にあれこれ考えてくれていた。
「考えてみたら、私、誰かの結婚披露宴に出席するなんて初めてかも」
「そうなの?」
「うん。いつも仕事で行けなくて。だから本当に楽しみ…。あっ!」
急に何かを思い出したように口元を押さえる恵真に、大和は、どうしたの?と尋ねる。
「私、披露宴に来ていけそうな服、持ってなくて」
「なんだ。それなら、今度一緒に買いに行こう」
「ほんと?いいの?!」
「もちろん。せっかくだから、俺も新調しようかな」
「うわー、嬉しい!」
恵真は、楽しみで仕方ないとばかりに小さく跳ねて喜ぶ。
(可愛いなあ。背中に羽でも付いてそう)
そんな事を考える自分もおかしくて、大和はふっと笑みを漏らした。
◇
夜、ベッドで眠る恵真の寝顔を見ながら、大和は一人考え込む。
(野中さんの結婚で、会社は今お祝いムード1色だ。俺と恵真がそれに続くのは、良いタイミングなのかもしれない)
それに、もうこれ以上周囲に黙っているのは、自分の中でも限界だった。
(恵真にプロポーズしよう)
心の中で決意する。
(ずっとずっと、恵真と一緒にいたい。毎日こうやって恵真に触れているだけで、俺はこの上なく幸せな気持ちになれる)
優しく恵真の頭をなでていた大和は、ふと思いついてベッドサイドテーブルに手を伸ばした。
置いてあったメモパッドから1枚切り取ると、何度も折って細くする。
それをくるりと丸くしてから、そっと恵真の左手の薬指にはめて、目印の折り目を付けた。
(これで恵真の指のサイズが分かる)
思わずニヤリとしながら、大和は丸い輪っかを大事に引き出しの中にしまった。
◇
「うーん、どれがいいかな?」
恵真がオフの日、夕方に仕事が終わる大和と待ち合わせて、二人で披露宴に着て行く服を選びに来た。
ファーマルな衣装を揃えたブティックで、数々の衣装を前に恵真は真剣に悩んでいた。
「これとかどうですか?」
黒いシックなロングワンピースを手にして、大和に聞いてみる。
「んー、それもいいけど。せっかくだから、いつもとは違った雰囲気の恵真が見たいな」
「いつもと違うって?」
「パイロットの制服のイメージじゃなくて、女の子っぽい雰囲気の恵真」
「そ、それは難しいかも?中身は変わらない訳だし…」
恵真が戸惑うと、大和は少し考えてから恵真に提案する。
「じゃあ俺に選ばせて」
「ええ?!」
「いいでしょ?ほら、俺も恵真とお揃いのコーディネートにしたいからさ」
「いいですけど…。あの、私に似合うかどうかは保証出来ませんよ?」
「大丈夫だって!」
そう言って大和は、嬉しそうにスタッフと話をしながら選んでいく。
「恵真、着替えてきて」
「え?はい」
いつの間に選んだのだろう、と不思議に思いながら、恵真はスタッフのあとをついて行く。
2階のフィッティングルームに案内され、どうぞ、とスタッフに見せられたのは、ラベンダーカラーの上品なドレスだった。
「わあ、なんて素敵…」
胸元はハートシェイプでデコルテがきれいに見え、ふんわりとしたシルエットの膝丈のスカートは、張りのある生地の上にオーガンジーが重ねてあった。
早速試着すると着心地も良く、なんだか別世界にいるような気持ちになる。
「まあ!とってもお似合いですよ」
「あ、ありがとうございます」
お世辞に違いないが、恵真は素直に受け取ってスタッフにお礼を言う。
「よろしければこちらもどうぞ。お揃いのボレロなんです」
「え、可愛い!今の季節にはちょうどいいですね」
髪も軽くアップに整えてくれ、ヒールの高いストラップシューズも持って来てくれた。
「さあ、では1階へ。お連れ様もお着替え終わりましたよ」
え、大和さんも?と、恵真は楽しみになる。
(大和さん、どんな感じなのかな?絶対かっこいいよね!)
ワクワクしながら階段を下りていると、途中で、恵真…と声がした。
ふと視線を上げると、スリーピースのスーツに薄紫色のネクタイとチーフを合わせた大和が、驚いたようにこちらを見上げている。
(わー、大和さん。かっこいい!)
思わず足を止めて見とれていると、同じようにじっと固まっていた大和がハッと我に返り、階段の下にやって来た。
「どうぞ」
「ありがとう」
差し出してくれる手に、恵真も自分の手を重ねる。
そのまま階段の下まで下りると、スタッフに促されて二人で鏡の前に立った。
「まあ、なんて絵になるのかしら。芸能人カップルみたい」
スタッフの言葉に、そんな大げさな、と恵真は苦笑いしたが、大和はあっさり頷いた。
「本当に。とっても可愛いよ、恵真」
「え?そ、そんな。大和さんこそ、とってもかっこいいです」
「そのラベンダーカラー、よく似合ってる。恵真が歌っていたあの子守唄が忘れられなくてね」
「あ、ラベンダーズ ブルー?」
「そう。いつか恵真が子どもに歌って聞かせるのを、一緒に聞いてみたいな」
「え…」
(いつか、子どもに?それって、私と大和さんの…)
頬を赤くする恵真の横で、大和は、
(歌ってる途中で寝ちゃうだろうけどね)
と下を向いて笑いを堪えていた。
◇
いよいよ11月22日。
待ちに待った野中と彩乃の結婚披露宴の日がやってきた。
恵真は朝からソワソワと支度をしていた。
髪をカールさせてからハーフアップにまとめ、華やかな飾りを付ける。
メイクもいつもより丁寧に時間をかけ、最後にラベンダーカラーのドレスに着替えると、大和の待つリビングへ向かった。
「大和さん、お待たせしました」
リビングに行くと、パリッとスーツを着こなし、髪も軽くセットした大和がソファから立ち上がる。
「うわっ、恵真。可愛いな」
「え、そ、そんな。大和さんこそかっこいいです」
二人とも試着の時に見ているはずなのに、改めてドレスアップしたお互いの姿に驚く。
「なんか…こんなにきれいな恵真を、誰にも見せたくなくなってきた」
「何言ってるんですか。今日の主役は野中さんと彩乃さんですよ?誰よりもお二人が輝いてますって」
「そうだな。幸せ気分を分けてもらおう」
「そうですね。ふふ」
大和は恵真の手を握る。
「じゃあ、行こうか」
「はい」
二人は手を繋いで玄関を出ると、大和の運転する車で空港ターミナルビルへと向かった。
「えーっと、披露宴は11時からだよな?」
「はい、そうです。でも私は受付を担当するので、10時には会場に行きたいんですけど」
「オッケー。大丈夫、充分間に合うよ。それにしても変な感じだな。こんな格好で職場に向かうなんて」
「ふふ、そう言えばそうですね」
そんな事を話しているうちに、駐車場に着く。
「ありがとうございました。大和さんは時間まで、どこかでお茶でも飲んでますか?」
「いや、俺も恵真と一緒に行くよ」
そう言って恵真の手を繋ぐと、するっと恵真が手をほどく。
「恵真?」
「だ、だって。誰に見られるか分からないし…」
「まーたそれか。そもそも披露宴では俺と恵真の席、隣同士だよ?」
「いえ、私は受付をするので、ほとんど入り口の近くに座ってますから」
「でも俺達の服装、リンクしたコーディネートだし」
「それは、その…。皆さん、野中さんと彩乃さんに注目されて、気づかないと思いますし」
ふーん、まあいいけど、と大和は一旦引き下がる。
(そうやって誤魔化せるのも、いつまでかなー?)
そう思うと、恥じらう恵真の様子を楽しむ余裕も出てきた。
(とにかく、今日の恵真は格別にきれいだ。良い日になりそうだな)
大和は恵真に笑いかけてから、歩き始めた。
会場の入り口に着くと、スタッフに新郎新婦の控え室に案内された。
「失礼します。わー!彩乃さん、なんてきれいなの」
恵真は、ウェディングドレス姿でドレッサーの前に座っている彩乃に感激して声を上げる。
「恵真さん!佐倉さんも、今日はありがとうございます」
「いえ、お招きありがとうございます。野中さん、彩乃さん、本日はおめでとうございます!」
恵真と大和は、二人に祝福の言葉をかける。
「ありがとな、二人とも」
そう言って笑いかける野中も、シルバーグレーのタキシードがとてもよく似合っている。
「本当にお似合いのお二人ですね。うっとりしちゃう」
「まあ、そんな。恵真さんと佐倉さんこそ、お揃いのコーディネートでとってもお似合い。お二人の結婚式も楽しみにしていますね」
え、そんな、と恵真は頬を染める。
長居してお邪魔してはいけないからと、恵真と大和は早々に控え室を出て会場に向かう。
広々とした会場内は、あちこちに丸テーブルが設置され、真っ白なクロスの上にきれいな花が豪華に飾ってあった。
「お、恵真!佐倉さん!」
スタッフと打ち合わせをしていた伊沢が、二人に気づいて手を挙げる。
「伊沢くん、お疲れ様」
「おおー、伊沢。なかなか似合ってるな、そのスーツ」
「ほんとですか?いやー、でも佐倉さんには敵いませんよ。あれ?ひょっとして恵真とお揃いコーデですか?ひゃー、熱い熱い」
伊沢は手に持っていた司会原稿でパタパタと自分をあおぐ。
「伊沢くん、司会の打ち合わせは終わったの?」
「ああ、ひと通りね」
「じゃあ私、受付の説明を聞いてくるね」
恵真がスタッフから受付の流れを聞き終わった頃、ゲストが到着し始めた。
「あら、藤崎さん!受付してくれてるの?」
「こんにちは。そうなんです。こちらの芳名帳にご記帳をお願いします」
職場の上司や先輩、後輩、とにかく顔見知りのゲストが続々とやって来る。
恵真が一人で対応に追われていると、いつの間にか隣で大和が同じようにゲストに記帳を促し、ご祝儀を受け取ってくれていた。
「おお、佐倉くん。久しぶりだね。相変わらず良い操縦するらしいじゃないか。噂はかねがね聞いてるよ」
「ご無沙汰しております。いえ、まだまだ至らぬ事が多く、日々勉強を重ねております」
役員クラスの上司に対応してくれる大和に、恵真はホッとした。
(私なんか、顔も名前も覚えてもらってないものね。良かった、大和さんがいてくれて)
そうこうしているうちにゲストが揃い、恵真と大和も受付を離れて席に着く。
会場に控えめに流れていたBGMと照明が落とされ、司会の伊沢がマイクで話し始めた。
「えー、皆様。大変長らくお待たせ致しました。これより、新郎新婦のお二人が入場されます。どうぞ大きな拍手でお迎えください」
音楽が流れ、入り口にスポットライトが当てられる。
皆が拍手をしながら注目する中、やがて扉が左右に開いて、野中と彩乃の二人が腕を組んで現れた。
「わー、素敵!」
「野中さん、かっこいい」
皆、一斉に笑顔になる。
ゆっくりと歩きながら祝福の言葉に会釈する二人に、恵真も大和も大きな拍手を送った。
簡単な自己紹介のあと、伊沢がまず初めに二人の出会いについて話し出す。
「それはもう、運命の出会いと言っても過言ではありません。お二人がビビッと惹かれ合っている時、邪魔者の私はグランドスタッフの方を探して右往左往し、目撃した知り合いに『迷子のパイロット』扱いされておりました」
あはは!と笑い声が上がる。
「彩乃さんに一目惚れした野中キャプテンは、メールを送るのにもドキドキソワソワ。コーパイの自分に相談されるという迷走ぶりでした。が、しかし!ロンドンのお土産を渡して、遂にファイナルアプローチ!無事に恋のナイスランディングを決められたのでありました」
おおー!と拍手が起こる。
「そこからのキャプテンはもう、エンジンならぬデレデレ全開!飛行機雲で空にハートマークまで描きそうな勢いであります!」
「アホ!そんなの描くか!」
耐えかねたように、野中が口を挟む。
ゲストからまた笑いが起こった。
「とにかく!今日はそんな野中キャプテンが、目をハートにして彩乃さんを見つめるデレデレぶりを、皆様にもとくとご覧頂ければと思います」
大きな拍手の中、照れたように頭を下げる彩乃の横で、野中もペコペコしつつ、時折ジロリと伊沢に鋭い目を向けていた。
乾杯のあと、食事と歓談の時間となり、会場の雰囲気も和む。
美味しい料理を味わっていると、入り口からそっと入って来るパイロット姿の同僚達を見つけて恵真は立ち上がった。
「お疲れ様です」
「お、藤崎か。お疲れ様。俺達これからフライトなんだけど、少しだけでも野中さんの晴れ姿を見たくてさ」
「ありがとうございます。今、歓談の時間ですから、どうぞ野中さんとお話してきてください」
「そうか、うん。行ってくるよ」
恵真が見守っていると、
「野中さん、本日はおめでとうございます」
「おおー!ありがとな、忙しいのに」
「いえ。ひと目だけでも、野中さんと奥様の幸せなお姿を拝見出来て嬉しいです」
というやり取りが聞こえてきた。
(良かった、この会場をお薦めして)
恵真が微笑んでいると、また新たにそっと入り口から中を覗き込むCA達がいた。
恵真は入り口まで行き、どうぞと中へ促す。
フライト前のCA達も野中に挨拶に行き、嬉しそうに言葉を交わして写真を撮る。
その後も何人かを中に招き入れ、やがて12時になると、昼休みに入ったオフィスの社員が一気に現れた。
恵真は入り口の近くに設けられたテーブルに案内し、壁際に用意されたビュッフェカウンターの料理を勧める。
「え?食べてもいいんですか?」
「はい。新郎新婦のお二人が、昼休みに来てくださる方の為にと。どうぞお召し上がりください」
「ありがとうございます!じゃあ昼休み丸々1時間、ここにいられるな」
続々と現れる社員に、恵真は大和と一緒に対応した。
料理が落ち着いた頃、前方のスクリーンに野中と彩乃の結婚式の様子が上映される。
「わあ!なんて素敵…」
受付のテーブルを前にして、会場の1番うしろから、恵真は映し出される挙式の様子に釘付けになる。
ステンドグラスが輝くチャペルの中、長いバージンロードをゆっくりと歩くうつむき加減の彩乃。
そんな彩乃を見つめる野中の眼差しも、温かく優しい。
向かい合って指輪を交換し、ベールを上げてキスをする二人に、恵真は思わず涙ぐむ。
そんな恵真の肩を、大和はそっと抱き寄せた。
お色直しの為に新郎新婦が中座し、恵真と大和がテーブルに戻ると、伊沢も同じくテーブルに戻ってきた。
「お疲れ様、伊沢くん」
「伊沢、今のうちにたくさん食べろよ」
「はい、ありがとうございます。わー、うまそう!」
パクパクと勢い良く食べる伊沢に、恵真がふと思い出したように話しかける。
「ねえ、伊沢くん。さっき話してた、迷子のパイロットって言われた知り合いって誰のこと?」
「ああ、こずえだよ」
「やっぱり!ふふ、こずえちゃんが言いそうなセリフだもんね」
「そうなんだよ。しかも嫌味たっぷりにさ。『面白いもの見ちゃったー』とかって電話してきて」
へえーと恵真は、意味ありげに笑いかける。
「伊沢くん、こずえちゃんとよく電話してるんだね」
「いや、最近はサッパリだよ」
「そうなの?」
「ああ。最後に話したのっていつだ?うーん…。あ!野中さんや彩乃さんと一緒に俺達が食事した日だよ」
ええ?!と恵真は驚く。
(それって2ヶ月以上前よね?そんなに長い間話してないなんて…)
恵真は心の中で地団駄を踏む。
(もーう!伊沢くんもこずえちゃんも、どうして自分のことになるとこんなに奥手なの?)
ぷうと膨れる恵真を、大和は不思議そうに眺めていた。
◇
「それではこれより、新郎新婦のお二人が装いも新たに入場されます。どうぞ大きな拍手でお迎えください!」
伊沢のセリフに、皆は入り口に注目する。
登場した二人に、わあ!と一斉に歓声が上がった。
野中はパイロットの制服姿、そして彩乃は日本ウイング航空のコーポレートカラーである、スカイブルーのドレスだった。
「うわー、素敵!とってもお似合い!」
恵真も大きな拍手を送る。
キャンドルサービスをしながらゲストのテーブルを回り、高砂に着いた二人が深々とお辞儀をし、顔を上げた時だった。
二人のうしろの幕がサーッと左右に開き、皆の目に滑走路と飛行機が飛び込んできた。
「ええー?!凄い!」
「ひゃー!何これ」
「素敵ー!」
口々に驚きと感嘆の声が上がる。
「なんて素敵なの?凄い…」
「確かに。この眺めは圧巻だな」
そう言ってから、大和は、ん?と首をひねる。
「恵真がお薦めしたんじゃないの?この会場」
「そうなんだけど、ここまで凄いとは思ってなくて」
「ははは!そっか。しかし絵になるなあ」
ゲストも高砂の前に集まり、飛行機をバックに新郎新婦の写真を何枚も撮る。
ひとしきり盛り上がり、ようやく皆がテーブルに戻ると、ケーキカットやファーストバイト、ブーケトスが行われる。
披露宴は和やかな雰囲気のまま無事にお開きとなり、ゲストも皆、笑顔で会場をあとにした。
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