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第7章・番外編

104・イブは二人で(前編)

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 内藤家のクリスマスパーティーは大満足で終わり、柚子と咲哉は貰ったプレゼントを開けて興奮している。

 「子供達へのプレゼント、ありがとうございました。柚子、咲ちゃん。ちゃんとおじちゃん達にお礼は言ったのかな?」
 私のその言葉に二人は、はーい!って。

 「おじちゃん、おばちゃん、ずかんありがとうございます!さくちゃんも、ありがとうするね?」

 「あんと!」

 柚子は元々、動物が大好きで最近は海洋生物にも興味津々だ。
 それで海の仲間の図鑑をプレゼントして貰った。
 将来は獣医か、はたまた海洋学者か!?なんてね!
 咲には面白そうな絵本だね~。

 直哉さんとのディナー待ち合わせは夜の八時でまだ時間があるし、子供達をお風呂に入れてしまおう!
 そこまで甘える訳にはいかないしね。

 そして、お風呂上がりのホカホカな二人に下着を着せると、柚子が座っている瑞樹くんのところに近付いてお腹にそっと耳を当てる。

 「もしもし?みーちゃんの赤ちゃん、きこえますか?ゆずがおねえちゃんになってあげるからね~!」
 柚子が真剣な顔でそう言って、そんな様子に皆んなで笑い合う。

 「それは嬉しいなぁ~。柚子ちゃんがお姉ちゃんになってくれるって!赤ちゃん、安心して産まれて来れるね~。」
 瑞樹くんは笑顔でお腹を擦りながら声を掛けている。

 フフッ!早くもお姉ちゃんだね?赤ちゃん産まれるのを楽しみにしているみたいだ。
 柚子なら皆んなのお姉ちゃんとして、しっかり行動できそうだ!

 ──あっ、そろそろ用意しないとな?
 それで、一応泊まるかも?って持って来ていた洋服を着ようとすると┉

 「もしかして涼さん。その服で行くつもり?クリスマスデートなのに!?」
 瑞樹くんから驚いたようにそう言われた。

 ──えっ!可怪しい?┉直哉さんからはよく、シンプルの見本って称される私の洋服だけど┉?

 「せっかくのデートだよ?地味すぎない!?よし!僕の洋服貸してあげる。メイクも含めたトータルコーディネートは僕にお任せ!」

 瑞樹くんは、どうせ妊娠中でどの服も着れないからね~って言いながら服を選んでいく。

 ──えっ、でも瑞樹くんと八つも年、離れてるんだけど┉大丈夫かな?
 瑞樹くんは私より少し背が高いくらいで体型は同じような感じだ。だからサイズは大丈夫だとは思うけど┉。
 でも若いし、どちらかと言えば可愛い系だからね?瑞樹くんは。
 私に似合うんだろうか?

 そうこうしながらも瑞樹くんに渡される服を着て、軽くメイクもしてもらう。

 自分ではまず選ばない色味だけど┉。
 でも、皆んなが口々に似合う!って言うから大丈夫なのかな?って。
 柚子からも、ママ可愛い!って言って貰ってちょっとだけ自信が付く。

 もしかして、直哉さんからも可愛いって言って貰えるかな!?
 そんな事を期待して、内藤の家を後にした。


 待ち合わせのお店の近くでは、流石クリスマスイブ!通りにはカップルだらけで。
 ここの近くにはクリスマスイルミネーションが綺麗な所があって、皆んなそこを見に来ているようだ。

 食事終わってから、直哉さんと一緒に見に行ってみようかな?楽しみ!
 そんな事を考えていると、知らず知らずにウキウキと足取りも軽くなった。

 クリスマスディナーのフレンチレストランに着いて、お店に入る。
 まだ直哉さんは来ていないようだ。
 予約の┉って伝えて、眺めの良い窓際の席に案内される。

 そのタイミングでスマホにメッセージが。
 見ると直哉さんで、仕事で少し遅れるって。
 お仕事だから、仕方がないね! 
 それから外を眺めたりスマホを見たりして一人、時間を潰す。

 そして、1時間後┉まだ直哉さんは来ない。

 一体、どうしたんだろう?
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