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第7章・番外編

83・我が家の王子様

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 あっという間にもうそろそろ産み月に。

 直哉さんは初めて体験する出産(の付き添い…)なので気持ちが落ち着かなくなっている。
 今日も心配で私から離れられなくなっているんだ。

 「あぁ、どうしよう?安全なのか?本当に…」

 そう言って心配している直哉さんに、大丈夫いざとなったらお腹切るから!って言ったら更に心配になったようだった…
しまった!!

 もう直ぐってなったら、仰向けで寝られなくなって横向きで。それを直哉さんが支えてくれて寝起きさせてくれるんだ。

 柚子の時はどうしてたんだっけ?って思うけど…
 まあ、出来るだけ大きくなるまでお腹の中で育ててあげたいし!って。

 「涼、かなり大きい子だな?男の子だったよな。普通は女の子の方が産まれた時大きかったりするんだけど…」
 叔父さんがそんなことを言って、さては勉強したな?って笑顔になる。

 最近、皆んなして休みの度に心配して来てくれるんだ。
 もしも私が一人の時に…って思ったら居ても立っても居られないらしい!
 本当に幸せだね?この子は。

 お腹の赤ちゃんは男の子だと判明しているけど、こんなに大きく育っているから将来大物になりそうだ!なんて思って楽しみにしている。

 もうすぐ会えるね?って思って心穏やかに過ごすようにしているんだ…


 安全を考えて明日から事前に入院する事になった。それで暫く家で寝られないな…と考えながら、いつものように支えて貰いながらベッドに横になる。
 胎動が昨日から少なくなってるかも?って考えてたら…うっ!

 ──お腹が!それに腰が割れるように痛い!!

 痛みに耐えながら直哉さんを見ると、見たことないような驚愕の表情を浮かべていて…
 後は頼みます…そう何とか声にして気を失った。




 ──次起きたら、なんと無事ご出産!物凄く大きな男の子だったよ?
 名前はもう決まっている咲哉さくやだ。
 伏木咲哉…我が家の王子様だ!

 その名前を考えた直哉さんと言えば、私が目を開けたら号泣してて…良かった!って何度も繰り返しながら…

 私には一切言わなかったけど、もしもの事があって私が死ぬようなことがあったら…って心配していたようだ。
 そのくらい男性オメガの出産は危険が伴う。
 考えないようにしてきたけど、私だって一抹の不安はあった。

 だけど…産科の先生からは、もう二人も産んだんだから今後は大丈夫!ってお墨付きが!?

 ──あれっ…そうなんですか?もっと産めって?
 これから一人で、男性オメガの出産率に貢献しそうだね…

 そしてこれからも家族で仲良く愛情に満ちた人生を、直哉さんとなら歩んでいける!そう確信したんだ──。
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