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第ニ章・幸せな結婚?
36・刻みこむように*
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直哉さんはちょっとだけ戸惑いながらもベッドルームに入る。きっと私の考えている事が分からなかったのだろう。
浮気を認めた後、妻から誘われるのだから…
私は純粋に直哉さんに抱かれたくて誘ったんだ…浮気も番も関係なんてない!
──ただあなたを感じたいだけ…それだけで。
私は迷わず直哉さんのベッドに入る。だって、あなたの匂いを沢山感じたいから…
爽やかな柑橘系でちょっとだけシナモンのようなスパイシーな香りが混じる…そんな直哉さんだけのフェロモン。
私はいつまでも嗅いでいたくって、ぎゅっと抱き締める。
そしてじっと目を見て抱いて?って言った。
それにちょっとだけ驚いた表情をしたけど、すぐに笑って頷いてくれる。
お互いの服をあっという間に脱がし合って、温かな身体を重ねる。それだけで…凄く安心する。
直哉さんの心臓の鼓動が私の身体に伝わる…そのくらいぴったりとくっついた。
そして見つめ合って私が目を閉じると、それを合図のように喰むようなキスをする。
舌を奥まで伸ばして絡め合って、どちらのものとも分からない甘い蜜を啜る。
不思議だけど、番になってはいないのに甘く感じるんだ。
それを夢中になって繰り返せばお腹の奥がきゅん…と感じてしまって…
そんな私の変化を感じ取って身体を密着したまま私のお尻を揉みしだき、更に刺激を与えようとする。
その指が何度もそこを掠めるたびに、ビクンと弾けて溢れてくるのがわかる…
「んぁ…ッ…ァン!」
濡れそぼるそこを指で刺激されビクリと身体が跳ねた…
すっかり欲を孕んだ目をした直哉さんは己の反り上がったものを押し当てて奥に奥にと進めてきて…甘い声が洩れる。
いつの間にかその形を覚えている…何度も抱かれて。
何度目かの抜き差しの後、最奥に打ち付けられて…達する。
「ハァ…ッ、ァア」
同時に絶頂に達した喜びで心が一杯になる。そしてもっと高みに昇るべく、お互いを刻みこむように求め愛し合った…
そうしていつの間にか眠ってしまった私は、一人起きる。
愛する人は目の前でまだ眠っていて、その寝顔をじっと見た。
──ボタッ…ボタ、ボタ…
堰を切ったように涙が流れ落ちる…
私の賭け…それは裕貴さんとの事を直哉さんが認めなかったら…ずっと傍にいる。もちろん嘘だと分かっていても…
私と一緒に居たいからついた嘘なんだ!と無理矢理に思い込もう…って。
だけど直哉さんは本当に嘘のつけない人だね?
あり得ないからこそ賭け…だったんだ。
直哉さん愛してる──だから私を覚えていてね?
──忘れないで欲しい…そう微かに呟く。決して耳には届かないくらいに微かな声で…
それから私は家を出た…降りしきる雨の中。
──さようなら、直哉さん。あなたの妻(Ω)辞めます!
それから暫くして離婚届と共に、今までの想いを綴った手紙を直哉さんに送った。
浮気を認めた後、妻から誘われるのだから…
私は純粋に直哉さんに抱かれたくて誘ったんだ…浮気も番も関係なんてない!
──ただあなたを感じたいだけ…それだけで。
私は迷わず直哉さんのベッドに入る。だって、あなたの匂いを沢山感じたいから…
爽やかな柑橘系でちょっとだけシナモンのようなスパイシーな香りが混じる…そんな直哉さんだけのフェロモン。
私はいつまでも嗅いでいたくって、ぎゅっと抱き締める。
そしてじっと目を見て抱いて?って言った。
それにちょっとだけ驚いた表情をしたけど、すぐに笑って頷いてくれる。
お互いの服をあっという間に脱がし合って、温かな身体を重ねる。それだけで…凄く安心する。
直哉さんの心臓の鼓動が私の身体に伝わる…そのくらいぴったりとくっついた。
そして見つめ合って私が目を閉じると、それを合図のように喰むようなキスをする。
舌を奥まで伸ばして絡め合って、どちらのものとも分からない甘い蜜を啜る。
不思議だけど、番になってはいないのに甘く感じるんだ。
それを夢中になって繰り返せばお腹の奥がきゅん…と感じてしまって…
そんな私の変化を感じ取って身体を密着したまま私のお尻を揉みしだき、更に刺激を与えようとする。
その指が何度もそこを掠めるたびに、ビクンと弾けて溢れてくるのがわかる…
「んぁ…ッ…ァン!」
濡れそぼるそこを指で刺激されビクリと身体が跳ねた…
すっかり欲を孕んだ目をした直哉さんは己の反り上がったものを押し当てて奥に奥にと進めてきて…甘い声が洩れる。
いつの間にかその形を覚えている…何度も抱かれて。
何度目かの抜き差しの後、最奥に打ち付けられて…達する。
「ハァ…ッ、ァア」
同時に絶頂に達した喜びで心が一杯になる。そしてもっと高みに昇るべく、お互いを刻みこむように求め愛し合った…
そうしていつの間にか眠ってしまった私は、一人起きる。
愛する人は目の前でまだ眠っていて、その寝顔をじっと見た。
──ボタッ…ボタ、ボタ…
堰を切ったように涙が流れ落ちる…
私の賭け…それは裕貴さんとの事を直哉さんが認めなかったら…ずっと傍にいる。もちろん嘘だと分かっていても…
私と一緒に居たいからついた嘘なんだ!と無理矢理に思い込もう…って。
だけど直哉さんは本当に嘘のつけない人だね?
あり得ないからこそ賭け…だったんだ。
直哉さん愛してる──だから私を覚えていてね?
──忘れないで欲しい…そう微かに呟く。決して耳には届かないくらいに微かな声で…
それから私は家を出た…降りしきる雨の中。
──さようなら、直哉さん。あなたの妻(Ω)辞めます!
それから暫くして離婚届と共に、今までの想いを綴った手紙を直哉さんに送った。
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