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第ニ章・幸せな結婚?
25・不敵な笑み(ちょっとだけ*)
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あれから伊織の言う通りになって、ヒートの時は直哉に抱かれる…
忙しいのに私と一緒に休暇を取ってくれて、二人で部屋に籠もる。
どうして?って聞くと、何でもするって言ったよね?って。
涼は俺の妻だから…って。
──私、ホントはあなたのオメガになりたいんだ…
そんな事を思いながら、見えないようにポロッと涙を流して、直哉さんをぎゅって抱き締めた。
「涼、今日一緒に撮影現場に行くぞ!」
編集部に入るなり東雲さんからそう言われる。
「はい!分かりました。現場は何処ですか?」
「ブライダルフェアだ。KANAI の。」
──KANAIの!?まさか、居たりしないよね?裕貴さん…
「来月号の特集がそれだからな。今から行くぞ!」
もしも会ったら…と一抹の不安はあるものの、重役のあの人が撮影現場にまで来ないだろうと現場に急ぐ。
「わぁ、凄い規模ですね!流石にKANAIです。」
フェアの開催は明日からになっていて、もう既にブースのセッティングは済んでいるようだ。後は微妙な調整をするのみになっている。
各担当者がせわしなく動いていて、準備に余念がない。
その一画に装花など生花を扱った「Flower」ブースがある。
そこでモデルを使った撮影があるんだ。
「凄く綺麗だな!こんなの見てるともう一度結婚したくなるんじゃないのか?涼。」と東雲さんがニヤニヤしながら言う。
──全くこの人は…
それなら自分がしたらいかがですか?って言ったら、痛いところを突いたようで、渋い顔になる東雲さんを見て大笑いした。
「…涼が、涼が酷いこと言う…おっ!撮影が始まるようだ。急ぐぞ!」
そこに登場した男女のモデルに息を呑む…なんて綺麗!
本当に同じ人間なんだろうか?それにしても素敵だ…ん?あの人は…
「涼さん、お仕事でここに?」その男性のモデルはなんと優さんだった。
そう言えば、涌井さんとも仕事で知り合ったって。ブライダルモデルもされているんだね…
「はい!『ETERNAL FLOWER』の来月号に掲載させていただくために来ているんです。優さん、凄く素敵ですね!」
そう言いながら今日はよろしくお願いしますと頭を下げる。
こちらこそ!と笑顔の優さんは私の肩をポンとたたいてスタッフの元に戻った。
「直哉さんの弟だろ?兄弟揃って凄いイケメンだなぁ~」と驚く東雲さんの隣で、私は全く違う事を考えていた…
なんでだろうか…この違和感。
何かを言われた訳でも、嫌な態度を取られた訳でもないんだ…
何故かこの人はきっと表の顔は笑っていても、裏では違うのだろう…そんな気がするのだ。
行くぞ!という東雲さんの声に我に返り、駆け出した。
「は…ぁん。ふっ…ぅん!」
噎せ返るような甘い香りが充満する…
艶のある肌にじわっと汗が滲んでその香りが官能を孕んだものに変わった。
「は、早くぅ…もっとして!」
男の上で激しく腰を振り、余りの快感に嬌声をあげ…仰け反る。
「…くっ、ハァ…ァ。お前、いきなり呼ぶ…の、やめろって!」男はそう言って睨む。
それに…裕貴は笑う。
「ハ、ハハッ。何…言ってんの?この僕が抱かせてやるって言ってんだよ?直ぐ来なきゃ、ハァ…」
二人はベッドの上で荒い息を落ち着かせる。そして…
「ねぇ優。あんた復讐したいと思わないの?…涼にさ。」
そう言って裕貴は不敵な笑みを浮かべた──。
忙しいのに私と一緒に休暇を取ってくれて、二人で部屋に籠もる。
どうして?って聞くと、何でもするって言ったよね?って。
涼は俺の妻だから…って。
──私、ホントはあなたのオメガになりたいんだ…
そんな事を思いながら、見えないようにポロッと涙を流して、直哉さんをぎゅって抱き締めた。
「涼、今日一緒に撮影現場に行くぞ!」
編集部に入るなり東雲さんからそう言われる。
「はい!分かりました。現場は何処ですか?」
「ブライダルフェアだ。KANAI の。」
──KANAIの!?まさか、居たりしないよね?裕貴さん…
「来月号の特集がそれだからな。今から行くぞ!」
もしも会ったら…と一抹の不安はあるものの、重役のあの人が撮影現場にまで来ないだろうと現場に急ぐ。
「わぁ、凄い規模ですね!流石にKANAIです。」
フェアの開催は明日からになっていて、もう既にブースのセッティングは済んでいるようだ。後は微妙な調整をするのみになっている。
各担当者がせわしなく動いていて、準備に余念がない。
その一画に装花など生花を扱った「Flower」ブースがある。
そこでモデルを使った撮影があるんだ。
「凄く綺麗だな!こんなの見てるともう一度結婚したくなるんじゃないのか?涼。」と東雲さんがニヤニヤしながら言う。
──全くこの人は…
それなら自分がしたらいかがですか?って言ったら、痛いところを突いたようで、渋い顔になる東雲さんを見て大笑いした。
「…涼が、涼が酷いこと言う…おっ!撮影が始まるようだ。急ぐぞ!」
そこに登場した男女のモデルに息を呑む…なんて綺麗!
本当に同じ人間なんだろうか?それにしても素敵だ…ん?あの人は…
「涼さん、お仕事でここに?」その男性のモデルはなんと優さんだった。
そう言えば、涌井さんとも仕事で知り合ったって。ブライダルモデルもされているんだね…
「はい!『ETERNAL FLOWER』の来月号に掲載させていただくために来ているんです。優さん、凄く素敵ですね!」
そう言いながら今日はよろしくお願いしますと頭を下げる。
こちらこそ!と笑顔の優さんは私の肩をポンとたたいてスタッフの元に戻った。
「直哉さんの弟だろ?兄弟揃って凄いイケメンだなぁ~」と驚く東雲さんの隣で、私は全く違う事を考えていた…
なんでだろうか…この違和感。
何かを言われた訳でも、嫌な態度を取られた訳でもないんだ…
何故かこの人はきっと表の顔は笑っていても、裏では違うのだろう…そんな気がするのだ。
行くぞ!という東雲さんの声に我に返り、駆け出した。
「は…ぁん。ふっ…ぅん!」
噎せ返るような甘い香りが充満する…
艶のある肌にじわっと汗が滲んでその香りが官能を孕んだものに変わった。
「は、早くぅ…もっとして!」
男の上で激しく腰を振り、余りの快感に嬌声をあげ…仰け反る。
「…くっ、ハァ…ァ。お前、いきなり呼ぶ…の、やめろって!」男はそう言って睨む。
それに…裕貴は笑う。
「ハ、ハハッ。何…言ってんの?この僕が抱かせてやるって言ってんだよ?直ぐ来なきゃ、ハァ…」
二人はベッドの上で荒い息を落ち着かせる。そして…
「ねぇ優。あんた復讐したいと思わないの?…涼にさ。」
そう言って裕貴は不敵な笑みを浮かべた──。
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