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第ニ章・先輩が彼氏に?

21・オメガとベータの違い

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 「それで?瑞樹ってば、酔ってキスしておまけに先輩のベッドで寝ちゃったの?警戒心なさすぎ~。」
 立巳が呆れた様子で、信じられない!という顔をしている。
 
 今、僕と目の前で呆れ返っている立巳と翔琉の三人で、大学のカフェテラスに来ている。
 それでこの前、先輩の家に泊まることなった経緯を話していたんだけど┉
 
 「だってさぁ、すっごく疲れてたんだって!それでいつの間にか沢山飲んじゃって、気が付いたら┉ねぇ?」

 ねぇ?じゃないってー!って言っている立巳を横目で見ながら、確かに┉って反省する。
 ちょっとお兄さんも居たからって、安心し過ぎだったかな?

 「それでさぁ『お試し』だからって言われてセックスもする訳?このまま何でも許してるとそうなるよ?結局。」
 
 意地悪そうな顔をして立巳がそう言うのを、慌てて否定する。

 「ない、ない!それはないって!!いくら僕でもそんな『お試し』なんてないって分かりますから!」

 立巳の奴、際どいこと言うなぁ~

 「そう言っておいて、先輩とそのお兄さんと三人で、朝ご飯まで食べて帰ったんだろ?俺も信用し過ぎだと思うけど。」

 僕と立巳の会話をじっと黙って聞いていた翔琉もそう言って僕をたしなめる。

 「だよね~?まあ、今回はお兄さんが居たから何も無かったんだろうけど、先輩と二人だったら?そもそもねぇお試しって誰が┉よ?誰が判断するの?一人は付き合おうってなっても、もう一人は嫌だったらそこで終わるんでしょ?不毛じゃないの?それ。」

 ──グッ!痛いところ突かれてる~

 「もうこの辺で、これからどうするのか聞いてみた方がいいんじゃないのか?せめてお試しの期間を決めておくとか。」

 翔琉の言う事は正論だ!立巳の言う事も正論なんだけど、言い方が┉キツい!
 そう思っていたら、更に┉

 「だって瑞樹、オメガだって言ってないんだよね?先輩に。それで向こうが知らないでセックスなんてしてごらんよ?たちまち妊娠しちゃうでしょ?」

 それに何故か翔琉がダメだ!って叫んだけど、そうなんだ┉だって僕が妊娠出来る身体だって知らないから。

 「私達オメガにとって、それは重要なんだよ?瑞樹は後天性だからって、意識しなさすぎ。おまけに相手はアルファで。この辺で先輩にオメガだって言わないと後悔する事になるよ?」 

 僕はそう言われて衝撃を受けた┉。

 ──妊娠┉先輩は全く望んでいないだろう。黙っていて、もしそうなったとしたら僕が傷付くだけじゃなく、先輩にも迷惑がかかる┉。

 先輩に嫌われたくなくて、今まで言ってなかったけどそれではダメなんだ┉。

 それで僕は、言おう!って決心した。
 それでもしも先輩から、もう会わないって言われてもきっと仕方がないんだ。

 ──先輩、まだオメガ┉嫌いですか?
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