上 下
13 / 13

13

しおりを挟む
それから2人はきちんと向き合って
話しをした。

神殿にも王宮にも部屋は1つだけ
有事の際に休める部屋にして
王宮と神殿の間に新居を構えた

使用人も王宮から派遣された者もいて
騎士選びも皇太子殿下が協力してくれた

サーシャはつわりで横になる事が
多かったが
新居のお披露目に参加してくれて
2人の結婚式を楽しみにしていた。

サーシャの分も働きながら
ラースと決めていく新しい生活に
気持ちを踊らせながら
リディアは頑張っていた

一時はどうなるかと心配していた
騎士団の人達も神官達も
今は2人を見守っている

「さぁリディア、君の望み通り
ベッドは広々サイズだぞ」

「ちょっと、何でベッドだけ
強調するのよ」

「あ、そうだねリディアが選んだ
浴槽も2人で入れる大きさだよね」

「違うわよ」

「ん?子供たちも一緒に?
仕方ないな。でも当分は俺が独り占め
するからね」

「……」



結婚式の1週間前から街はお祝いムードで屋台が並び広場では芸人が
子供たちを笑わせ、驚かせていた

結婚式当日

全貴族が大聖堂に並んだ
そしてサーシャは時期皇后として
王族席に座っている

ラースがリディアに腕を出した

「リディア綺麗だ…」

リディアは聖女の正服ではなく
純白のウエディングドレスを選んだ

過去の記憶を塗り替えたかったから

真っ白のタキシード姿のラースも
騎士というよりも貴族らしく決め
2人はゆっくりと階段を上り
女神像の前に立った

誓いの言葉
指輪の交換
誓いの口づけ…

その時

女神像が眩い光を放ち会場の
あちらこちらに広がり
一気に参加者のボルテージが上がり
大歓声に包まれた。

「リディアよ…良く頑張りましたね
おめでとう」

「女神様 ありがとうございます」

「聖女サーシャの引退は残念だけど
貴女が頑張ればいいだけだから」

「え?」

「じゃあ頑張れ!」

「はぁ?」

リディアにとって忘れられない
結婚式になった

サーシャは聖女を引退して
皇后としての勉強に集中していた

そしてサーシャが母になった頃
リディアに新しい命が芽生えた

サーシャとリディアは
お茶をする度に話をする

「リディア様が娘を生んだら
うちの子のお嫁さんにしたいわ」

「息子なら?」

「親友にさせちゃうわ ふふっ」

それから
娘を生んだリディアのところに
皇子を遊びに来させては
サーシャが怪しい笑みを浮かべ
ラースは娘を守る様に皇子を
牽制していた。

サーシャとリディアの関係は
まだまだ続きそうだ。


リディアとラースの娘  アイリーンと
息子のライディーンが聖力を持ったのは
必然だろう

不運な境遇から
聖女としての第2の人生を選んだ
リディアは
愛する夫と可愛いい娘
ツンデレの息子に囲まれながら
幸せを掴んだ

~完~
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

聖水を作り続ける聖女 〜 婚約破棄しておきながら、今さら欲しいと言われても困ります!〜

手嶋ゆき
恋愛
 「ユリエ!! お前との婚約は破棄だ! 今すぐこの国から出て行け!」  バッド王太子殿下に突然婚約破棄されたユリエ。  さらにユリエの妹が、追い打ちをかける。  窮地に立たされるユリエだったが、彼女を救おうと抱きかかえる者がいた——。 ※一万文字以内の短編です。 ※小説家になろう様など他サイトにも投稿しています。

今更困りますわね、廃妃の私に戻ってきて欲しいだなんて

nanahi
恋愛
陰謀により廃妃となったカーラ。最愛の王と会えないまま、ランダム転送により異世界【日本国】へ流罪となる。ところがある日、元の世界から迎えの使者がやって来た。盾の神獣の加護を受けるカーラがいなくなったことで、王国の守りの力が弱まり、凶悪モンスターが大繁殖。王国を救うため、カーラに戻ってきてほしいと言うのだ。カーラは日本の便利グッズを手にチート能力でモンスターと戦うのだが…

自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?

長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。 王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、 「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」 あることないこと言われて、我慢の限界! 絶対にあなたなんかに王子様は渡さない! これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー! *旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。 *小説家になろうでも掲載しています。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

あなたが婚約破棄したいと言うから、聖女を代替わりしたんですよ?思い通りにならなくて残念でしたね

相馬香子
恋愛
わたくし、シャーミィは婚約者である第一王子のラクンボ様に、婚約破棄を要求されました。 新たに公爵令嬢のロデクシーナ様を婚約者に迎えたいそうです。 あなたのことは大嫌いだから構いませんが、わたくしこの国の聖女ですよ?聖女は王族に嫁ぐというこの国の慣例があるので、婚約破棄をするには聖女の代替わりが必要ですが? は?もたもたせずにとっととやれと? ・・・もげろ!

私は王子の婚約者にはなりたくありません。

黒蜜きな粉
恋愛
公爵令嬢との婚約を破棄し、異世界からやってきた聖女と結ばれた王子。 愛を誓い合い仲睦まじく過ごす二人。しかし、そのままハッピーエンドとはならなかった。 いつからか二人はすれ違い、愛はすっかり冷めてしまった。 そんな中、主人公のメリッサは留学先の学校の長期休暇で帰国。 父と共に招かれた夜会に顔を出すと、そこでなぜか王子に見染められてしまった。 しかも、公衆の面前で王子にキスをされ逃げられない状況になってしまう。 なんとしてもメリッサを新たな婚約者にしたい王子。 さっさと留学先に戻りたいメリッサ。 そこへ聖女があらわれて――   婚約破棄のその後に起きる物語

婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。

松ノ木るな
恋愛
 純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。  伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。  あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。  どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。  たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。

処理中です...