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ふらつきながらミリアナに1歩
近づいた
やばい!どうしよう…姉様って何よ!
ミリアナは胸からナイフを取り出すと
「誰かに、、誰かに話したら
あなたの家門を潰すんだから!」
ナイフでリディーを脅してみる。
けれどリディーは引かない。
また1歩ミリアナに近づいた
「いや、な、何なのこの女!」
パニックになったミリアナがリディーに
刃を向けてきた
「えいっ!!」
「待てリディー!」
テリウスがリディーの前に飛び出した
「え?」
「えっ??」
ミリアナが突き出した刃がテリウスの
脇腹に刺さった
「お……前は…」
悲しそうな顔をリディーに向けた
テリウスの脇腹から血が流れ服が
染まっていく
「きゃーーーあ」
ミリアナの絶叫が響くと
侍女と騎士が走ってきた
「あああっ」
「きゃあっ」
侍女達はパニックで後退した
騎士達は崩れたテリウスを抱き抱えた
「殿下 !! しっかりしてください !」
「担架を持て!宮医を呼べ!」
その時ミリアナが大声で叫んだ
「この女が…この女が殿下を刺したの!」
え?何を言っているの…
身体全体に痺れが回ったリディーは
必死に耐えていたが膝の力が抜けた
ドサッ
騎士の1人がリディーを掴むと
痺れる両手を後ろに捻った
「ちが…ぅ ち、、がぅっ」
痛いっ……
リディーは腕を後ろに捻られたまま
意識朦朧の中
連れて行かれた。
「うっ……」
頭がボーッとしていた。
ここは…どこ?
ゆっくり目を開けるが暗くて見えない
ゆらゆらと揺れる灯りをボーッと見る
え?まさか地下牢??
リディーはダルい身体をゆっくりと
起こすと足枷が付いているのがわかった
ジャラ、ジャラ
つっっ…ダメだ頭がボーッとする
リディーは再びコンクリートに寝た
「わぁーキレイな花」
リディーはその花を手に取って蜜を
舐めた。
「なにしてるの!」
バシッ!
「痛いっ なにするのよー」
ラウルが困った顔で見ている
「もしかして食べたの?
食べちゃダメだよ!吐いて、吐け!」
口に指を入れられてリディーはラウルを
突き飛ばした
「いやだぁー えーん」
「待ってて僕、大人を呼んでくる」
ん…夢かなー
リディーは起きると大きく深呼吸をした
あ!私…お茶を飲んで、、
テリウス殿下が……
「ちょっと誰かいませんか!」
鉄格子を掴み辺りを見渡してみるが
人の気配がない。
嘘でしょう……
リディーは少しずつ記憶を呼び戻して
いった。
そうだ、あのお茶に入っていたのは
夢で見た遠い記憶…
あの花はとても綺麗な花だけど
蜜に毒があり私は小さな子供の時に
興味半分で花を舐めたんだわ
その時ラウルに怒られて…
数日間 熱を出してしまったのよね
確か…花の名前は
モモゴウズだ!香りに個性があるけど
甘いから気づかなくて口にしたんだ。
ミリアナのお茶に入っていたのは
モモゴウズ!
痺れがきた後に熱が出て倦怠感が襲う。
解毒の花…は…
確か…確か…夜に花を咲かせる…ダメだ
何だっけなぁ
お母さんがラウルと一緒に子爵領に
行って摘んでくれた。
そうだ!お母さんかラウルに聞けば
わかるかも!
「すみません!誰か、、ゴボッ ゴボッ」
「うるさいぞ!」
男の人だ。騎士かしら?
リディーは喉の痛みを堪えて声をかけた
「ゴボッ、毒の花…ゴボッ わかったの」
「おい!お前、気安く話しかけるなよ?
王族を刺すなんてなぁ
婚約者候補だからと自惚れたか?
処刑日が決まるまで大人しくしとけ」
門番である騎士はリディーに唾を吐くと
どこかに行ってしまった。
「うっっ喉が渇いたわ…痛いし
私がテリウス殿下を刺しただなんて…」
重症なのかしら?テリウス殿下が
目覚めていたならば証言して
くれるはずだもの……
リディーはテリウスの回復を祈った。
その頃
「テリウスが刺されるなどあっては
ならないだろう!お前達は何をしているんだ」
陛下が護衛騎士達を呼び戻し経緯を
聞いていた
「お前達は見ていなかったのだな」
「申し訳ございません」
「しばらく謹慎していろ
呼び戻しにはすぐに応じろ。
処分はこれから決める」
騎士達は軟禁されていた。
侍女達も同じだった。
誰1人としてその瞬間を見ておらず
ミリアナ嬢の悲鳴を聞いて慌てて
テリウスの元に走ったのだ。
陛下は頭を抱えた
「このような時に誰も動かんとは
情けない。今一度 叩き直すぞ」
シルワット公爵は陛下に詰め寄り
「罪なき娘を解放しろ」と、うるさい
ミリアナを護衛した騎士からは
街で何やら怪しい薬を購入したと聞いた
陛下は「身の安全を確保するため」
という名目でミリアナを自室に
軟禁していた。
陛下は眠るテリウスの部屋へと向かった
「馬鹿たれが、女子に腹を刺されるとは
情けない。言い訳があるならば
早く目を覚ませ」
陛下は宮医に聞いた
「容態はどうだ」
「はい、傷の幅は小さいのですが
深く刃が入った為、目覚めても
しばらくは絶対安静です」
「そうか…しっかり頼んだ」
陛下はテリウスの部屋を出ると
謁見室に向かった。
つづく
近づいた
やばい!どうしよう…姉様って何よ!
ミリアナは胸からナイフを取り出すと
「誰かに、、誰かに話したら
あなたの家門を潰すんだから!」
ナイフでリディーを脅してみる。
けれどリディーは引かない。
また1歩ミリアナに近づいた
「いや、な、何なのこの女!」
パニックになったミリアナがリディーに
刃を向けてきた
「えいっ!!」
「待てリディー!」
テリウスがリディーの前に飛び出した
「え?」
「えっ??」
ミリアナが突き出した刃がテリウスの
脇腹に刺さった
「お……前は…」
悲しそうな顔をリディーに向けた
テリウスの脇腹から血が流れ服が
染まっていく
「きゃーーーあ」
ミリアナの絶叫が響くと
侍女と騎士が走ってきた
「あああっ」
「きゃあっ」
侍女達はパニックで後退した
騎士達は崩れたテリウスを抱き抱えた
「殿下 !! しっかりしてください !」
「担架を持て!宮医を呼べ!」
その時ミリアナが大声で叫んだ
「この女が…この女が殿下を刺したの!」
え?何を言っているの…
身体全体に痺れが回ったリディーは
必死に耐えていたが膝の力が抜けた
ドサッ
騎士の1人がリディーを掴むと
痺れる両手を後ろに捻った
「ちが…ぅ ち、、がぅっ」
痛いっ……
リディーは腕を後ろに捻られたまま
意識朦朧の中
連れて行かれた。
「うっ……」
頭がボーッとしていた。
ここは…どこ?
ゆっくり目を開けるが暗くて見えない
ゆらゆらと揺れる灯りをボーッと見る
え?まさか地下牢??
リディーはダルい身体をゆっくりと
起こすと足枷が付いているのがわかった
ジャラ、ジャラ
つっっ…ダメだ頭がボーッとする
リディーは再びコンクリートに寝た
「わぁーキレイな花」
リディーはその花を手に取って蜜を
舐めた。
「なにしてるの!」
バシッ!
「痛いっ なにするのよー」
ラウルが困った顔で見ている
「もしかして食べたの?
食べちゃダメだよ!吐いて、吐け!」
口に指を入れられてリディーはラウルを
突き飛ばした
「いやだぁー えーん」
「待ってて僕、大人を呼んでくる」
ん…夢かなー
リディーは起きると大きく深呼吸をした
あ!私…お茶を飲んで、、
テリウス殿下が……
「ちょっと誰かいませんか!」
鉄格子を掴み辺りを見渡してみるが
人の気配がない。
嘘でしょう……
リディーは少しずつ記憶を呼び戻して
いった。
そうだ、あのお茶に入っていたのは
夢で見た遠い記憶…
あの花はとても綺麗な花だけど
蜜に毒があり私は小さな子供の時に
興味半分で花を舐めたんだわ
その時ラウルに怒られて…
数日間 熱を出してしまったのよね
確か…花の名前は
モモゴウズだ!香りに個性があるけど
甘いから気づかなくて口にしたんだ。
ミリアナのお茶に入っていたのは
モモゴウズ!
痺れがきた後に熱が出て倦怠感が襲う。
解毒の花…は…
確か…確か…夜に花を咲かせる…ダメだ
何だっけなぁ
お母さんがラウルと一緒に子爵領に
行って摘んでくれた。
そうだ!お母さんかラウルに聞けば
わかるかも!
「すみません!誰か、、ゴボッ ゴボッ」
「うるさいぞ!」
男の人だ。騎士かしら?
リディーは喉の痛みを堪えて声をかけた
「ゴボッ、毒の花…ゴボッ わかったの」
「おい!お前、気安く話しかけるなよ?
王族を刺すなんてなぁ
婚約者候補だからと自惚れたか?
処刑日が決まるまで大人しくしとけ」
門番である騎士はリディーに唾を吐くと
どこかに行ってしまった。
「うっっ喉が渇いたわ…痛いし
私がテリウス殿下を刺しただなんて…」
重症なのかしら?テリウス殿下が
目覚めていたならば証言して
くれるはずだもの……
リディーはテリウスの回復を祈った。
その頃
「テリウスが刺されるなどあっては
ならないだろう!お前達は何をしているんだ」
陛下が護衛騎士達を呼び戻し経緯を
聞いていた
「お前達は見ていなかったのだな」
「申し訳ございません」
「しばらく謹慎していろ
呼び戻しにはすぐに応じろ。
処分はこれから決める」
騎士達は軟禁されていた。
侍女達も同じだった。
誰1人としてその瞬間を見ておらず
ミリアナ嬢の悲鳴を聞いて慌てて
テリウスの元に走ったのだ。
陛下は頭を抱えた
「このような時に誰も動かんとは
情けない。今一度 叩き直すぞ」
シルワット公爵は陛下に詰め寄り
「罪なき娘を解放しろ」と、うるさい
ミリアナを護衛した騎士からは
街で何やら怪しい薬を購入したと聞いた
陛下は「身の安全を確保するため」
という名目でミリアナを自室に
軟禁していた。
陛下は眠るテリウスの部屋へと向かった
「馬鹿たれが、女子に腹を刺されるとは
情けない。言い訳があるならば
早く目を覚ませ」
陛下は宮医に聞いた
「容態はどうだ」
「はい、傷の幅は小さいのですが
深く刃が入った為、目覚めても
しばらくは絶対安静です」
「そうか…しっかり頼んだ」
陛下はテリウスの部屋を出ると
謁見室に向かった。
つづく
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