上 下
6 / 9

6

しおりを挟む
時は過ぎてマデリーンが卒業するまで
後半年になった
南国に来てから色々と学べた
マデリーンはこのまま南国に残って
嫁いでもいいかなぁ?と考えていた

そうマデリーンが思い浮かべていたのは
ヒューランだ
厳しいけれど優しい人だし何よりも
教養と知識。紳士的な振る舞いには
いつもキュンとさせられてしまう

「やだ、どうしよう…
プロポーズとかされたら…
ふふふふふふっ」

マデリーンは1人 妄想を膨らませていた

そんな時、兄キル二ーから手紙が届いた

マデリーン元気かな?
もうすぐ帰国の準備をしなさいとね
予定では卒業式の1週間後だよ
こちらの成人パーティーに間に合わなく
なるからさ。
そうだ成人のドレス等は母上が
準備してくれるから心配しないでくれ
では近くそちらに向かう


はぁ?成人パーティー…忘れていたわ

成人式には病気や不幸がない限り
参加の義務がある。何故ならば
王家主催だからだ。

帰国するのかぁ…
ずっと会っていない友人達も
変わったんだろうなぁ
話しはしたいけれど会いたくない人も
いるし…な

成人パーティーが終わったら
また南に来ればいいのか!
ふふふっ
幸せいっぱいなマデリーンだった


キル二ーが迎えに来る日
マデリーンは港で待っていた
再会した2人は最初にヒューランを
紹介されたレストランに向かった

「ほう、マデリーンは随分と雰囲気が
変わったな」

「そう?自分ではわからないけれど」

「いや妹じゃなければ口説くよ」

「は?馬鹿なの?」

「そのぐらい綺麗になったって意味」

「はいはい、ありがとう」

「あ、そうだ婚約したんだよ」

「えーっ! あ、そうかキル二ーは
20歳だもんねぇ、どんな人?」

「帰ったら紹介するよ」

「やだ楽しみだわ」

「お前も成人パーティーで探さないとな」

「まぁ、私は急いでないわ。ふふふ」

「ヒューランはまだか?」

「来るの?」

「呼んだ」

「そうなのね」

キル二ーが手を挙げた

「こっち!」

マデリーンは満面の笑顔で振り返る

「?!」

ヒューランは女性と一緒だった

「ごめん、待たせてしまったな。
あ、紹介するね 彼女は婚約者の
ソーニャだ」

「遅れてごめんなさいソーニャです。
貴女がマデリーン嬢ね
彼から話しは聞いているわ
帰国前に会えて嬉しいわ」

「あ、あ、あ
どうもマデリーンですぅ…どうもぉー
ソーニャ様初めましてぇー」

マデリーンは固まった。

そして聞けば
ソーニャとヒューランを結んだのは
アホな兄貴でマデリーンが南に来る
直前に婚約したそうだ

だったら先に言って?
勝手にヒューランに恋心を抱いてさ、
私、、馬鹿みたいじゃない?
だいたいさ、失恋して他国に来て
素敵な男性を紹介されたらね
そこからラブロマンスが始まって
キュンキュンしちゃってからの
ハッピーエンドじゃないの?
くっそー!

マデリーンの初恋は終わった
淡い期待も終わった

さ、早く帰国しよう!

マデリーンはそう思った


南の卒業式は早い

ここの卒業式ではみんなでお揃いの
制服を着る
何故ならばこの日に着ている制服を
見た住民は祝いとして
店でお金を取らないのが決まりなのだ
つまり卒業生は1日 無料で生活が
出来る

しかしマデリーンは どうでも良かった
初恋が惨めに砕けて
挙句サーニャもいい人で
ヒューランとお似合い……
やってられない!もう来ないもん!

卒業式が終わるとすぐに帰国準備を
始めた


マデリーン南国から出発


「結婚式にはキル二ーと一緒に来てね」

爽やかに告げるヒューランに複雑な
感情を持った。

はぁ、学園の卒業を喜ぶよりも
貴方からの卒業の方が堪えるわよ…

ヒューランに今までの礼を伝えると
マデリーンはキル二ーと一緒に
船に乗り込んだ

見送りに来てくれた
ヒューランとサーニャに手を振った

さよなら…私の初恋 !


マデリーンは小さくなっていく
南国に別れを告げた


マデリーンが帰国してからは
成人パーティーの準備に忙しくしていた

親しくしていた友人達に帰国を知らせる
手紙を送ると
友人達の卒業の日にアビュータ家で
会う事になった


アカデミーの卒業

友人達は卒業式の後でアビュータに
集まり
マデリーンはみんなの卒業を祝った

「お帰りマデリーン、随分と
雰囲気が変わったのね」

「本当にびっくりしたわ綺麗になったわ」

「マデリーン婚約者はいるの?
求婚者が殺到するわね」

友人達はマデリーンの成長に驚いた

「ありがとう 婚約者は居ないわ
成人パーティーで探さなきゃ皆は?」

友人達はそれぞれ相手を見つけたらしい

「そう良かったわね誰が最初に
結婚をするかしらね」

マデリーンは嬉しくて微笑んだ

それからマデリーンが留学してからの
事を色々と聞いたマデリーンは
サブリナの話しを聞いて
複雑な気持ちになってしまった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は既にフラれましたので。

椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…? ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。

隣国へ留学中だった婚約者が真実の愛の君を連れて帰ってきました

れもん・檸檬・レモン?
恋愛
隣国へ留学中だった王太子殿下が帰ってきた 留学中に出会った『真実の愛』で結ばれた恋人を連れて なんでも隣国の王太子に婚約破棄された可哀想な公爵令嬢なんだそうだ

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

彼が愛した王女はもういない

黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
シュリは子供の頃からずっと、年上のカイゼルに片想いをしてきた。彼はいつも優しく、まるで宝物のように大切にしてくれた。ただ、シュリの想いには応えてくれず、「もう少し大きくなったらな」と、はぐらかした。月日は流れ、シュリは大人になった。ようやく彼と結ばれる身体になれたと喜んだのも束の間、騎士になっていた彼は護衛を務めていた王女に恋をしていた。シュリは胸を痛めたが、彼の幸せを優先しようと、何も言わずに去る事に決めた。 どちらも叶わない恋をした――はずだった。 ※関連作がありますが、これのみで読めます。 ※全11話です。

わたしのことはお気になさらず、どうぞ、元の恋人とよりを戻してください。

ふまさ
恋愛
「あたし、気付いたの。やっぱりリッキーしかいないって。リッキーだけを愛しているって」  人気のない校舎裏。熱っぽい双眸で訴えかけたのは、子爵令嬢のパティだ。正面には、伯爵令息のリッキーがいる。 「学園に通いはじめてすぐに他の令息に熱をあげて、ぼくを捨てたのは、きみじゃないか」 「捨てたなんて……だって、子爵令嬢のあたしが、侯爵令息様に逆らえるはずないじゃない……だから、あたし」  一歩近付くパティに、リッキーが一歩、後退る。明らかな動揺が見えた。 「そ、そんな顔しても無駄だよ。きみから侯爵令息に言い寄っていたことも、その侯爵令息に最近婚約者ができたことも、ぼくだってちゃんと知ってるんだからな。あてがはずれて、仕方なくぼくのところに戻って来たんだろ?!」 「……そんな、ひどい」  しくしくと、パティは泣き出した。リッキーが、うっと怯む。 「ど、どちらにせよ、もう遅いよ。ぼくには婚約者がいる。きみだって知ってるだろ?」 「あたしが好きなら、そんなもの、解消すればいいじゃない!」  パティが叫ぶ。無茶苦茶だわ、と胸中で呟いたのは、二人からは死角になるところで聞き耳を立てていた伯爵令嬢のシャノン──リッキーの婚約者だった。  昔からパティが大好きだったリッキーもさすがに呆れているのでは、と考えていたシャノンだったが──。 「……そんなにぼくのこと、好きなの?」  予想もしないリッキーの質問に、シャノンは目を丸くした。対してパティは、目を輝かせた。 「好き! 大好き!」  リッキーは「そ、そっか……」と、満更でもない様子だ。それは、パティも感じたのだろう。 「リッキー。ねえ、どうなの? 返事は?」  パティが詰め寄る。悩んだすえのリッキーの答えは、 「……少し、考える時間がほしい」  だった。

溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。

ふまさ
恋愛
 いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。 「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」 「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」  ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。  ──対して。  傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。

私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。

しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。 だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。

そんなに優しいメイドが恋しいなら、どうぞ彼女の元に行ってください。私は、弟達と幸せに暮らしますので。

木山楽斗
恋愛
アルムナ・メルスードは、レバデイン王国に暮らす公爵令嬢である。 彼女は、王国の第三王子であるスルーガと婚約していた。しかし、彼は自身に仕えているメイドに思いを寄せていた。 スルーガは、ことあるごとにメイドと比較して、アルムナを罵倒してくる。そんな日々に耐えられなくなったアルムナは、彼と婚約破棄することにした。 婚約破棄したアルムナは、義弟達の誰かと婚約することになった。新しい婚約者が見つからなかったため、身内と結ばれることになったのである。 父親の計らいで、選択権はアルムナに与えられた。こうして、アルムナは弟の内誰と婚約するか、悩むことになるのだった。 ※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。

処理中です...