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ホルバ
「父上、、サブリナ嬢ってご存知ですか」
「サブリナ?あー、子爵の養女か
知ってるが何だ?何かあったか?」
やっぱり養女だったのか…
「いや、別に…有名ですか?」
「何だそれは?まぁ有名と言えば
有名かな?おい!まさかお前…」
「違う!違います
どう有名なんですか」
「あれだよ、金のある子息に声掛けて
婚約をチラつかせて貢がせたら捨てる
ってな」
「俺の周りにはそんな被害にあった
奴は居ないですよ」
「そりゃそうだよ、お前みたいなガキ…
アレが狙ってるのは結婚適齢期が
迫って焦った男達だよ」
「嘘だろ」
「まぁ、誰とは言えんけどなぁ
実際に揉めた奴は数人聞いてるぞ
一応、気をつけろ」
ホルバは父の話しに呆然とした。
バーレン
「父上、サブリナ子爵令嬢をご存知
ですか?実は良からぬ噂を聞きまして」
「ん?そんな事より紹介したい令嬢が
居ると言っていたな、いつ紹介して
くれるんだ…
!! まさかサブリナか?」
「違いますよ」
「だったら何故サブリナの名前が出る?
絶対に反対だ!まさか…貢いだのか」
「貢ぐとは何ですか?
知っている事を教えて下さい」
「何で焦っている」
「実はその紹介したい彼女が…
僕とサブリナ嬢が仲良しだと勘違いしてしまったのです」
「待て、まずは紹介したい彼女とは誰だ」
「マデリーン・アビュータ伯爵令嬢です
ですが…勘違いされてしまった様で
彼女は離れてしまったのです」
「アビュータ伯爵令嬢を逃がしたと?
馬鹿か!同じ伯爵家でもアビュータは
侯爵に近くて外交という家柄だ
そのサブリナなどと言うのとは
比べ者にもならんぞ」
「誤解です僕はマデリーンを迎えたく
婚約を前提にお付き合いをお願い
したんです。ですが…消えたのです」
「あ!そうか、アビュータ家の令嬢は
留学したんだな」
「留学ですか?」
「お前…知らなかったのか?」
「はい」
バーレンはマデリーンと出会ってから
誤解を招く事になってしまった経緯を
素直に話した
「そうか…彼女を傷つけたんだな
傷を癒す為に留学を選んだか…
はぁ、マデリーン嬢は諦めろ」
「ですが…!」
「説得する自信はあるのか?
中途半端に近づいても溝は深くなる
お前が本気ならば良いが、違うなら
諦めろ」
「このままじゃ嫌なんです」
「行動に責任を持て。
ただサブリナは許さん。
平民出身だからでは無いぞ
詐欺師だからだ、それは覚えておけ」
「はい」
父も留学先までは知らない様だった
「この国に居ない」
その事実だけがバーレンの心に刺さった
南の国 サンス
マデリーンはサンスに滞在しながら
新しい学園生活を楽しんでいた
国全体が明るくて人々は皆、陽気だ
小さい事など気にしない
「どうにかなる」と皆が言う
海に広く面している南国には
美味しいシーフード料理がたくさんあり
毎日が楽しい。
毎日、笑顔でいるマデリーンを見て
キル二ーも安堵していた
マデリーンがサンスで暮らして1ヶ月
キル二ーは次の国に行かなければならな
かった
「マデリーンそろそろ行かなければ…
1人で大丈夫かな?」
「えぇ、大丈夫そうよ
この国は良い人ばかりだもの」
「そうか良かった
けれど心配だからさ、友人を紹介するよ明日、時間作ってくれ」
「わかったわ」
次の日
兄のキル二ーと待ち合わせたのは
サンスで人気のレストランだった
「初めましてマデリーン嬢
ヒューランです」
うわ、、南の国の人達って皆 ムキムキ
なのに…スマートな人も居るのね
マデリーンは新鮮に思った
聞けば
ヒューランは兄のキル二ーと同じ歳で
家門はアビュータ家と同じ外交官
キル二ーが初めてサンスに来た時からの
付き合いで情報共有をしている仲らしい
ヒューランは爽やかで落ち着いたタイプ
アビュータ兄妹が話す事を聞く
聞き上手らしい
ヒューランとは落ち着いて話しが出来て
楽しかった。
キル二ーがサンスを離れた後
保護者になってくれる事になり
連絡先を交換した
一方で…
バーレンは悩んでいた。
16歳になると社交界デビューがあり
夏休み明けには皆が準備に入るのだ。
バーレンはデビューの日
マデリーンを婚約者としてエスコートを
したかったのだが…
マデリーンは帰って来るのかな?
彼女の為に注文したドレスは
どうしよう…
その前にきちんと向き合わないとな…
そう思っていた
迎えたデビューパーティーの日
バーレンは1人で会場に向かった
あれから
アビュータ家にドレスと手紙を送ったが
「受け取れません」と返された
それがマデリーンからの返事…
以前、彼女の友人に言われた
「マデリーンに捨てられたのよ!」
その通りだ、僕は捨てられたんだ
それなのに会場で必死にマデリーンを
探す僕がいる
惨めだな…
声をかけて来たサブリナを無視して
マデリーンを探す
彼女が居る訳ないのに…
会っても無視されるのに…
謝っても許してもらえないのに…
会いたいよマデリーン
君の笑顔を見たいんだ
謝罪したいよマデリーン
君としっかり向き合って話しがしたいよ
バーレンはマデリーンの居ない会場を
静かに出た
「父上、、サブリナ嬢ってご存知ですか」
「サブリナ?あー、子爵の養女か
知ってるが何だ?何かあったか?」
やっぱり養女だったのか…
「いや、別に…有名ですか?」
「何だそれは?まぁ有名と言えば
有名かな?おい!まさかお前…」
「違う!違います
どう有名なんですか」
「あれだよ、金のある子息に声掛けて
婚約をチラつかせて貢がせたら捨てる
ってな」
「俺の周りにはそんな被害にあった
奴は居ないですよ」
「そりゃそうだよ、お前みたいなガキ…
アレが狙ってるのは結婚適齢期が
迫って焦った男達だよ」
「嘘だろ」
「まぁ、誰とは言えんけどなぁ
実際に揉めた奴は数人聞いてるぞ
一応、気をつけろ」
ホルバは父の話しに呆然とした。
バーレン
「父上、サブリナ子爵令嬢をご存知
ですか?実は良からぬ噂を聞きまして」
「ん?そんな事より紹介したい令嬢が
居ると言っていたな、いつ紹介して
くれるんだ…
!! まさかサブリナか?」
「違いますよ」
「だったら何故サブリナの名前が出る?
絶対に反対だ!まさか…貢いだのか」
「貢ぐとは何ですか?
知っている事を教えて下さい」
「何で焦っている」
「実はその紹介したい彼女が…
僕とサブリナ嬢が仲良しだと勘違いしてしまったのです」
「待て、まずは紹介したい彼女とは誰だ」
「マデリーン・アビュータ伯爵令嬢です
ですが…勘違いされてしまった様で
彼女は離れてしまったのです」
「アビュータ伯爵令嬢を逃がしたと?
馬鹿か!同じ伯爵家でもアビュータは
侯爵に近くて外交という家柄だ
そのサブリナなどと言うのとは
比べ者にもならんぞ」
「誤解です僕はマデリーンを迎えたく
婚約を前提にお付き合いをお願い
したんです。ですが…消えたのです」
「あ!そうか、アビュータ家の令嬢は
留学したんだな」
「留学ですか?」
「お前…知らなかったのか?」
「はい」
バーレンはマデリーンと出会ってから
誤解を招く事になってしまった経緯を
素直に話した
「そうか…彼女を傷つけたんだな
傷を癒す為に留学を選んだか…
はぁ、マデリーン嬢は諦めろ」
「ですが…!」
「説得する自信はあるのか?
中途半端に近づいても溝は深くなる
お前が本気ならば良いが、違うなら
諦めろ」
「このままじゃ嫌なんです」
「行動に責任を持て。
ただサブリナは許さん。
平民出身だからでは無いぞ
詐欺師だからだ、それは覚えておけ」
「はい」
父も留学先までは知らない様だった
「この国に居ない」
その事実だけがバーレンの心に刺さった
南の国 サンス
マデリーンはサンスに滞在しながら
新しい学園生活を楽しんでいた
国全体が明るくて人々は皆、陽気だ
小さい事など気にしない
「どうにかなる」と皆が言う
海に広く面している南国には
美味しいシーフード料理がたくさんあり
毎日が楽しい。
毎日、笑顔でいるマデリーンを見て
キル二ーも安堵していた
マデリーンがサンスで暮らして1ヶ月
キル二ーは次の国に行かなければならな
かった
「マデリーンそろそろ行かなければ…
1人で大丈夫かな?」
「えぇ、大丈夫そうよ
この国は良い人ばかりだもの」
「そうか良かった
けれど心配だからさ、友人を紹介するよ明日、時間作ってくれ」
「わかったわ」
次の日
兄のキル二ーと待ち合わせたのは
サンスで人気のレストランだった
「初めましてマデリーン嬢
ヒューランです」
うわ、、南の国の人達って皆 ムキムキ
なのに…スマートな人も居るのね
マデリーンは新鮮に思った
聞けば
ヒューランは兄のキル二ーと同じ歳で
家門はアビュータ家と同じ外交官
キル二ーが初めてサンスに来た時からの
付き合いで情報共有をしている仲らしい
ヒューランは爽やかで落ち着いたタイプ
アビュータ兄妹が話す事を聞く
聞き上手らしい
ヒューランとは落ち着いて話しが出来て
楽しかった。
キル二ーがサンスを離れた後
保護者になってくれる事になり
連絡先を交換した
一方で…
バーレンは悩んでいた。
16歳になると社交界デビューがあり
夏休み明けには皆が準備に入るのだ。
バーレンはデビューの日
マデリーンを婚約者としてエスコートを
したかったのだが…
マデリーンは帰って来るのかな?
彼女の為に注文したドレスは
どうしよう…
その前にきちんと向き合わないとな…
そう思っていた
迎えたデビューパーティーの日
バーレンは1人で会場に向かった
あれから
アビュータ家にドレスと手紙を送ったが
「受け取れません」と返された
それがマデリーンからの返事…
以前、彼女の友人に言われた
「マデリーンに捨てられたのよ!」
その通りだ、僕は捨てられたんだ
それなのに会場で必死にマデリーンを
探す僕がいる
惨めだな…
声をかけて来たサブリナを無視して
マデリーンを探す
彼女が居る訳ないのに…
会っても無視されるのに…
謝っても許してもらえないのに…
会いたいよマデリーン
君の笑顔を見たいんだ
謝罪したいよマデリーン
君としっかり向き合って話しがしたいよ
バーレンはマデリーンの居ない会場を
静かに出た
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