3 / 20
3.異名
しおりを挟む
そんな波瀾万丈のホームルームが終わり、授業も終えて昼休み。
昼飯片手にたーこのところへ行くと、たーこが興奮ぎみに聞いてきた。
「奈良木ヒロさんとの婚約発表はいつ頃ですか!?」
「いやしないけど…」
鼻先を掠めるほど近くにある、マイクを持ったポーズのたーこの右手を押し退けて座る。
「学園の王子の突然の電撃婚にファンが騒いでいますが!?」
右手がまた鼻先を掠める。
「だからそのヘンな異名やめろって」
つかファンとか居ないし。
「で?その奈良木は何処に居るの?」
捕まえて誤解を解かねば。
私は婚約者じゃない。ここポイント。
「あー、王子様の旦那様?あの肉団子の中だけど?」
肉団子…?あー、うん。肉団子だわ。
クラスの中心辺りの机に、何十人という女子が群がっている。
「奈良木く~ん!」とか
「ヒロくんって言うんだぁ?」とか
「市原さんとは知り合いなのぉ~?」とか
聞こえるので、あの中心にいるのは99.9%奈良木だろう。つかまえるのは諦めよう。
というかここに居ると私まで肉団子にされかねないので取り敢えず教室を出たい。
「お、外行く感じ?」
さすがたーこ。察しが良い。
「あぁ、たーこも来るか?」
「いや、私はもうちょっと肉団子でも見てるよ。ついでにタコ次郎の布教も」
あれ、タコ太郎じゃなかったっけ?
まぁそれはおいといて、私は教室を出た。
「号外でーす!号外でーす!」
廊下で新聞部らしき生徒が新聞を配っていた。
「あっお兄さ…お姉さんも一枚!」
目の前に差し出された新聞を受け取って、部員の横を抜ける。
目指すは屋上。それも私達のクラスのある本館よりも古く、野球部などが一階を物置に使っている旧部室棟だ。
そこの三階、一番奥の部屋のベランダに取り付けられた梯子を登ると、屋上に行きつける。
そこはどうやら代々受け継がれる秘密のサボり場所らしく、今代は私とたーこが受け継いだ訳だ。
そしてそんなところに人は来ないだろう、ということで屋上へ。
梯子をひょいっと登ると、ついた、屋上だ。
「ふぃーっ」
あ、そういえば新聞、なんの号外だったんだろう?
ぺらりと丸められた紙を開く。するとどーんと大きな見出しが現れた。
「っ!?」
昼飯片手にたーこのところへ行くと、たーこが興奮ぎみに聞いてきた。
「奈良木ヒロさんとの婚約発表はいつ頃ですか!?」
「いやしないけど…」
鼻先を掠めるほど近くにある、マイクを持ったポーズのたーこの右手を押し退けて座る。
「学園の王子の突然の電撃婚にファンが騒いでいますが!?」
右手がまた鼻先を掠める。
「だからそのヘンな異名やめろって」
つかファンとか居ないし。
「で?その奈良木は何処に居るの?」
捕まえて誤解を解かねば。
私は婚約者じゃない。ここポイント。
「あー、王子様の旦那様?あの肉団子の中だけど?」
肉団子…?あー、うん。肉団子だわ。
クラスの中心辺りの机に、何十人という女子が群がっている。
「奈良木く~ん!」とか
「ヒロくんって言うんだぁ?」とか
「市原さんとは知り合いなのぉ~?」とか
聞こえるので、あの中心にいるのは99.9%奈良木だろう。つかまえるのは諦めよう。
というかここに居ると私まで肉団子にされかねないので取り敢えず教室を出たい。
「お、外行く感じ?」
さすがたーこ。察しが良い。
「あぁ、たーこも来るか?」
「いや、私はもうちょっと肉団子でも見てるよ。ついでにタコ次郎の布教も」
あれ、タコ太郎じゃなかったっけ?
まぁそれはおいといて、私は教室を出た。
「号外でーす!号外でーす!」
廊下で新聞部らしき生徒が新聞を配っていた。
「あっお兄さ…お姉さんも一枚!」
目の前に差し出された新聞を受け取って、部員の横を抜ける。
目指すは屋上。それも私達のクラスのある本館よりも古く、野球部などが一階を物置に使っている旧部室棟だ。
そこの三階、一番奥の部屋のベランダに取り付けられた梯子を登ると、屋上に行きつける。
そこはどうやら代々受け継がれる秘密のサボり場所らしく、今代は私とたーこが受け継いだ訳だ。
そしてそんなところに人は来ないだろう、ということで屋上へ。
梯子をひょいっと登ると、ついた、屋上だ。
「ふぃーっ」
あ、そういえば新聞、なんの号外だったんだろう?
ぺらりと丸められた紙を開く。するとどーんと大きな見出しが現れた。
「っ!?」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?
ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。
しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。
しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる