席は何処？

Lv.4『好きなんだもん』

僕には好きな人が居る。ユカリさん、貴女は美しい。先生から貰った写真に写っている貴女は僕に向かってニッコリと笑っていて…。あぁ、でも邪魔だ。ハエが２匹も写っている。ハエは汚いんだ。まずはこのユカリさんの隣に座っているカエデとかいうハエから殺していこう。そう、あのボーガンで。

俺には好きな人が居る。ユカリ、お前だ。何時如何なる時もお前は俺の前の席でその長いポニーテールをゆらりゆらり…と揺らしている。お前の背中を守るのは俺だ。お前と居ることで殺されそうになったこともあるが、そんなの気にしない。日射しに揺れるお前を俺は守る。お前のとなりのあいつにも、負けないように。

私には好きな人が居る。言わずもがな、だ。わかるだろ？ただ、あいつに惚れてる奴が沢山居るのは知ってるんだよ。この間だって殺されかけたし。でもさ、誰よりもあいつを好きなのは私だ。あいつのあの横顔が好きだ。後ろの席のアスカがガン飛ばして来た。あいつのためならアスカにも勝つよ。

僕に好きな人は居ない。でもみんな好きな人がいるみたいだね。僕はいつも窓から２番目男子列から外を見てるだけ。ただ、僕見ちゃったんだよね。隣の女子が休んでる日に身を乗り出して外を見てたら前の席のひきこもりの…たしかヒロト？がこっちにボーガン向けてた。あわてて中村先生を呼んだよ。前から４番目の席だから来るの遅かったけど、ギリギリ無事でよかったよ。

※この彼、彼女は計四人です。
一区切りずつのセリフも、一人一人が話しているものです。
同一人物であることはあり得ません。
席順は以下の通りです。
この世界の如何なる恋愛、友情も許された世界でのお話です。
また、中村先生は教壇に居ることが前提です。