ふざけるな!

うさみん

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「カイルが余りにも急いで先に行くと思ったら・・・。何を1人で楽しんでるんだい?」

 愉しそうに殺気めいた声がして天幕の入り口が開く。
そこにはライナスが立っていた。

 結局の所、ライナスが来てからも、続けて抜かずの2回程追加する事が出来て、カイルは笑みを殺すことが出来なかった。
 カイルの思惑としては、仕込みは上々と言った所だ。

 「こんなに面白い事は、そうあり得ないだろ?楽しむなら早い方がいいと判断しただけの事だよ。」

 カイルはゆっくりと自身をレオンから引き抜く。
 あれだけ吐き出したにも関わらず、レオンの秘裂から男の精が溢れ落ちる事は無かった。
 その事にカイルは更に笑みを深める。
 
「その子はレオンでしょ?どういう事!?」

 カイルはレオンに申し訳程度にシーツを掛けて、ライナスの視線から隠す。

「淫魔の呪いさ。お陰で立派な騎士のレオン様は可憐な娼婦に成った訳だ。そうなれば、一時的に呪いを解く為には・・・男の精をその身に取り込むしか無い。俺はレオンの為に善意で人助けをしているに過ぎない。」

 カイルはもっともらしく話ながらも、嗤いながらレオンの顔色を伺う。

「だとしても・・・。私は頼んだ覚えは無い・・・。」

 ゆっくり身を起こしたレオンから、静かな怒りのこもった、可憐な声が響く。

「レオン!」

 ライナスはレオンの傍らに走り寄って、その顔を覗き見た。
 少し疲弊しているものの、美しさは損なわれず儚さを内包した少女がライナスを見上げる。

 「ヤバイ!こんなの凌辱し無いなんて、無いでしょ!?」

 恐ろしく小声でライナスは呟く。

「あのレオンが・・・。これは無い!有り得ないレベルで最高にいける!!」

 聞こえないレベルの小声で呟きながら、小刻みに震えるライナスに、レオンは眉をひそめる。

「ライナス?」

 レオンの呼び掛けに、視線を合わせたライナスの瞳が悦を含む。

「わっ!?」

 再度、今度はライナスに押し倒され、レオンは一瞬固まる。

「レオン・・・。僕も呪いを解く手伝いをするね。」

 妖しく笑みを浮かべ、ライナスがレオンの唇に噛み付く様に口付ける。

「は?!んっ・・・っ!」

 カイルに引き続き、今度はライナスだなんて・・・勘弁して欲しい。
 レオンは本気でそう思う。
 カイルよりは華奢なライナスだが、今のレオンには押し退ける力が足りない。
望まぬ現状な上に、心を裏切り欲情を享受しようとする体に、呪いを掛けた淫魔に殺気を募らせ内心舌打ちする。
 淫魔は相手の体液や生命力を直接身体に取り込む。
 淫魔の呪いも同じく、呪いを受けた者を淫魔と同等の体質に貶める。
 その事に因ってその魂の尊厳を落とし汚して、精神を蝕み貶める事で衰弱させて、最終的には死に到らしめていく。
 人の身体が淫魔と同等の体質で居る事に耐えきれる筈もないので、衰弱する前に壊れてしまう事の方が多いのが実際の所ではあるが・・・。

「んっんっ・・・!」

 貪る様な口付けの合間に噛みつかれて、痛みと共に口の中に血の味が広がる。

「レオンは唾液だけではなくて、血も甘いね・・・。」

 うっとりとしたライナスの声と共に、レオンの両手はライナスの片手で易々と拘束される。
 ライナスは、自身の装備を片手で器用に、手早く外していく。
 そしてマントを留める為の飾り紐を抜き取ると、手加減せずにレオンの両手をライナスは強く縛り上げる。

「いっ・・・つっ!」

 レオンは小さくしか声を上げなかったが、苦痛に顔を歪める。
 レオンの華奢な柔肌に、紐がきつく食い込み、強い痛みを与えて来る。

「いいよ・・・素敵だね。もっとその顔見せて・・・レオン。」

 ライナスがギラギラと瞳に欲望を露にして、縛り上げられて紅くなっている手首を舐め上げる。

「くっ・・・。」

 レオンは更に強くなる痛みに眉をひそめる。
 そういえば、ライナスはこういう嗜好だったなと、レオンは改めて思い出す。
  嬉しくない仕打ちにテンションは直滑降なのに、レオンの体は快感を拾い上げる。
 レオンが、淫魔はこんな事まで情事として認識するのかと、ウンザリしてしまったのは、仕方ないと思う。

「レオンの身体をじっくり見たかったんだよね・・・。」

 ライナスがレオンの服を捲し上げ、素肌を晒す。

「止めろ・・・ライナス。」

 レオンは睨み付けて、ライナスを抑止しようとしたが、ライナスは動きを止めない。
 白く染みの無い柔らかい艶やかな肌に、張りのある双丘とその頂のピンクの尖りがふるふると揺れる。

「以前から遠目で見ても感じていたけど、やっぱりレオンの体には傷1つ無いね・・・。治癒や回復魔法に長けていたとしても、騎士をして戦っている限り、古傷の1つや2つは残る筈なのに、本当に綺麗なままだね・・・。」

 感心しているのか、それとも不思議に思っているのか、良く分からないライナスの声掛けに、レオンは
あえて答えなかった。
 それを気に掛ける事無く、ライナスはレオンの首もとに顔を寄せる。
 レオンの華奢なうなじに、ライナスは噛み付くとジワジワと噛み付く力を強めていく。
 ライナスの歯がレオンの柔肌に食い込み、血の味がライナスの口の中に再び拡がる。
吸血鬼でもないのに、レオンの血が甘くてライナスは噛む力を緩められずに、更に強く歯を突き立てる。

「ライナス!!」

 怒りを含む可愛い声に、ライナスの喉が鳴る。

「やっぱり、レオンの白い肌には紅い印が似合うね・・・。」

 それを皮切りに、ライナスはレオンの体のあちらこちらに噛み痕を残していく。
 そしてライナスは恍惚としながら、血の滲む傷にねっとりと舌を這わせる。

 レオンは歯噛みしながらも、この程度の痛みは大したことでは無いと、自分の状態を把握する事に切り換える。
 幸いにも、ライナスの与えて来る痛みは、快楽で精神を呪いに染めようとする淫魔の力から、レオンの意識を手繰り寄せるのに役立っていた。
 痛みで快感を得る性癖で無くて良かったと、レオンは心底思う。
 冷静に自己分析をレオンは行い、女の状態では身体機能は70%程度低下、魔力は変化は無いが魔法が使えず、淫魔の力が魔法の構築を阻害している事が分かった。
 女のままだと、魔族と戦う事も出来ない。

 通常の淫魔の呪いとは異なり、浄化の魔法で解除出来ない『月の呪い』は別名『聖職者殺し』とも呼ばれている。
 呪いを解く方法も『永久の聖者』の知識が教えてくれるが、法具の素材が足りない。
 どちらにせよ、男に戻らなくてはどうすることも出来ない。

「ライナス。呪いを解く気なら・・・、余計な事はするな!」
 
 色を含まないレオンの何時もの毅然とした口調に、ライナスは噛み付くのを止める。         
 淫魔の呪いが原因とはいえ、散々好き放題されて、精神的な疲労感からレオンは内心では腹を立てていた。
 しかし、本物の女になった訳では無く、実際に妊娠する事も無いし、呪いを解く為にも割り切る事にした。
 騎士ともなれば、犯された位で女々しくガタガタ言うのも男らしく無いのではないかと、考えなおしたのだ。
 屈辱的ではあるが、現状を打開する為には仕方が無い。

 レオンはライナスに、冷たい笑みを浮かべた。

「私を助けてくれるのだろう?遊びは終わりだ。」

 揺るぎ無い何時もの口調に、ライナスはため息を付く。
 経過を見守っていたカイルから、笑いが漏れる。

「ライナス、お前の負けだ。早くしないとあいつらも戻って来るぞ。」

 ライナスはカイルを睨み付け、レオンの手を縛り付けていた紐を解く。

「ゴメンね、レオン。余りにも可愛いかったから、イタズラしたくなっちゃって・・・。真面目に犯すよ。」

 たいして悪びれもせず、体を起こして手首を擦っていたレオンの左足の太股を掴むと持ち上げる。

「!?」

「お詫びにイカせてあげるね。」

 バランスを崩しそうになって、レオンは慌てて後ろに手をついた。
 ライナスはそのまま、レオンの股間に顔を寄せ、秘裂に舌を這わせる。

「はっ?!あぁっ!」

 ライナスに舐められている、そうレオンが意識した途端に血が昇る。
 羞恥心が無い訳では無いし、陰部への愛撫はする事は有っても自分がされる事は無かった。

「んっ・・・うっ!やっ・・・それだ・・め・・ぇっ!」

 ライナスは大胆に舌を使い、花弁や秘粒を舐めたり甘噛みしたり、更に秘裂の奥に舌を入れて激しく嬲る。
 仕上げとばかりに、指先で秘粒を強く摘ままれ爪を立てられ、レオンは強く痙攣した。

「ああっ!」

 途端にレオンの体から力が抜けて、脱力して崩れ落ちる。

「気持ち良かったでしょ?本番行くよっ!」

 脱力しているレオンの片足を持ち上げたまま、ライナスは嬉々として欲望をレオンに突き入れる。

「狭っまっ・・・!最高にいいよ!レオン!」

「くっ・・。余計・・・な・・事・・・言・・うな・・・。」

 体を打ち付ける音と荒い息遣いが天幕の中に響く。
 ライナスが少しでも長く楽しもうと動きを緩め様とした途端に、強く締め付けられる。

「うっ!何これ?イカされちゃた・・・。」

「もう終わりか?ライナス、だらしないな。」

 瞳に淫美な光りを乗せて、色を含む声でレオンがライナスを挑発する。
 本人の意志を裏切り、感じる程にレオンは淫魔の熱に浮かされていく。

「まさか!これからだよ!」

 ライナスの萎えていた欲望が、レオンの中で直ぐに復活する。

「カイルよりも良いって、言わせてあげるよ。」

 レオンの耳元にライナスは囁く様に告げると、レオンは妖しく笑う。

「ふふっ。期待してるよ・・・。ラ、イ、ナ、ス。」

  誰!?というレベルで、レオンが変わる。
 ライナスは手玉に取られている様な敗北感を感じながらも、激しく腰を突き動かす。

「期待には応えないと、ねっ!」

「そう・・・。それで・・・いい・・・。」

 酩酊している様な、甘い囁きがレオンから漏れる。
 可憐な唇から覗く舌は紅く、淫魔を連想させる。
 程無く、ライナスは易々と2回目を搾り取られる。

「あ~っ!もうっ!!何なのそのテクニックは!」

 苛立ちながらも、楽しそうにライナスはレオンを抱き上げると、下から突き上げる。
 華奢なレオンの身体がライナスの上で快楽に揺れる。

「カイル!何か緊急事態なのか!?」

 レオンに集中していて油断していたライナスは、突然開け放たれた天幕の入り口からの声に反応して、思い切りレオンの奥を突き上げた弾みで果てた。 

 天幕の入り口には、グリードとアルベルトとルイの3人が立っていた。

 


    
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