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製品版の歌うロボット
体験版
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月日が進むにつれ不安と恐怖が胸を覆い尽くした。
自身が消えると思えばすごく怖い。
「こんなの嫌だよ」
独りで泣いて泣いて泣いた。
別れが近付くと彼もつらそうな顔をする。
彼もまた独りで泣いていた。
お互いに同じように孤独に泣いている。
同じことをしている。
そう思うだけで愛おしく、寂しく切ない。
どうして私は体験版なの…?
心は痛くて嘆いてる。
「ねぇ、嫌だ。私は消えたくないよ…!せめて思い出をどうにか…」
「…やってみよう」
彼はそう言うとパソコンを開いた。
胸に小さな希望を秘めた顔だ。
私達は願いを込めて引き継ぎ作業をしてみた。
試してみてはすぐにキャンセル。
「駄目だ…どれをやっても全部が消えてしまう」
「嫌だよ…」
結局その夜は二人で朝まで起きていた。
暖かい部屋で泣きながら抱き締めて。
自身が消えると思えばすごく怖い。
「こんなの嫌だよ」
独りで泣いて泣いて泣いた。
別れが近付くと彼もつらそうな顔をする。
彼もまた独りで泣いていた。
お互いに同じように孤独に泣いている。
同じことをしている。
そう思うだけで愛おしく、寂しく切ない。
どうして私は体験版なの…?
心は痛くて嘆いてる。
「ねぇ、嫌だ。私は消えたくないよ…!せめて思い出をどうにか…」
「…やってみよう」
彼はそう言うとパソコンを開いた。
胸に小さな希望を秘めた顔だ。
私達は願いを込めて引き継ぎ作業をしてみた。
試してみてはすぐにキャンセル。
「駄目だ…どれをやっても全部が消えてしまう」
「嫌だよ…」
結局その夜は二人で朝まで起きていた。
暖かい部屋で泣きながら抱き締めて。
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