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【後編】魔界の救済
決戦
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僕は再び自動蘇生を自分にかけると魔王サタンに猫だましをかました。予想外の動きに魔王は怯み、掴んでいた手を離すと僕は自分で作った血だまりの上に倒れる。
「タクトーーーーー!!!!!!」
僕の名前を叫ぶ声と共に闇の空間が切裂かれ、光が溢れ出す。
「なっ、馬鹿な。我の空間がぁーーー!!!!」
ドレッドが振り下ろした聖剣で魔王が作った闇の空間がぼろぼろと崩れて徐々に消滅していく。ドレッドが剣を構えて僕のもとに駆けていくと、魔王は僕のもとを離れ、謁見の間の方へ逃げていく。
「タクトーー!!どうしたんだ、大丈夫か!?」
彼は血だまりに沈む僕を両腕で抱えて涙を流した。ドレッドが勇者に覚醒して助けてくれたことが嬉しくて僕もまた、歓喜の涙を流した。
「あぁ、なんとか生きているよ。詳しい話は後だ、急いでサタンのもとに!」
ドレッドが頷くと僕を抱えて謁見の間に向かったサタンを追う。
「マオ、何をしておる!!再び闇の空間を作る準備に取り掛かれ!!」
サタンがそう叫ぶと目の前に倒れているマオを発見する。
「クソッ、使えない奴めぇ!!四将魔はどうした、どこへいる!!」
すると謁見の間の扉が開き、四将魔が入ってくる。だがしかし、彼女達はボロボロで立っているのがやっとの状態だった。
「さ、サタンさま……!!どうか、お助けください!!」
「多勢に無勢、こんな不覚を取るとは……」
「どうかお慈悲を…お力添えを……!」
「うわぁーーん、サタンさま助けて―ーーー!!」
四将魔の後ろにはベリアル達の軍団がある。勝ち誇った顔をしており、どうやら勝負あったらしい。
「クソッ、使えない部下共め!!!貴様らなどもういらんわ!!!死ねぇ!!!」
サタンはマオと四将魔に向かってダークフレイムを唱え、彼らを焼き殺そうとする。すると四将魔の4人が叫び声をあげた。
「きゃぁあーーー!!!」
「いやぁああ!!」
「うぅ……」
「うわぁーーーー!!!」
サタンの攻撃が彼女達に直撃する前に僕はスキルを使った。
「無限収納!!」
僕がそう叫ぶとダークフレイムが消えた。次の瞬間、サタンの前にダークフレイムが現れて彼に直撃する。
「勇者、きさまぁーーーー!!!」
サタンが悲痛な叫びを上げながら僕を睨む。どうやら自分自身の攻撃は効くらしい。しかし、このダメージ量では魔王が死ぬことはない。
「ここにいては危険だ!!早くマオを連れて部屋の外に!!」
四将魔は一瞬目を丸くするも、無言で頷き駆けだす。
「調子に乗るなぁーーー!!」
サタンは再び四将魔を消しにかかるが気が付くと腕が切り落とされ、地面に落ちた。
「おっと、俺様がいることを忘れちゃ困るぜ?」
「きさまぁーーーー!!!」
ドレッドが剣を振り、サタンの身体をバラバラにしていくが、しばらくすると切った身体が元の位置に戻り、修復される。
「クソっ、不死身っていうのはマジなのかよ。」
ドレッドがそう言うと僕の方に視線を向ける。
「ドレッド、さっきはあの闇の空間で僕の能力が封じられたけど今なら倒せる!」
「本当か!?」
「うん、だからお願い!時間を稼いで!!!」
「がってんだぜ!!」
僕は全治全能のスキルを再び使って魔王サタンに洗脳を試みた。
「させるかぁーー!!!」
サタンが懇親の一撃を僕に目掛けて放つがドレッドがそれを切裂いて消滅させる。
「くそぉーー!!我の作戦は完璧だったはず!!なぜだぁーー!!!勇者め!!」
完全に平静を失ったサタンは顔を真っ赤にして再び攻撃を仕掛けるが、彼はそのままピタッと動きが止まった。
「サタンよ、己の手で幕を下ろしなさい。そして安らかな死を迎えるのです。」
僕がそう言うと、サタンは言われるがまま自分の首に両手をかける。
「おぉーー…すげぇーーー!!!」
僕の作戦が上手くいき、歓喜を上げるドレッド達だが死を目前としてサタンが正気を取り戻す。意思は戻るも自由に動かせるのは口だけで、両手は依然としてサタンの首を絞め続けている。
「ふ、ふざけるなぁーー!このサタンさまが、死んでたまるかぁーー!!」
そう言うと彼は体中の黒色のオーラを右手に集めて右手の自由を奪い返そうとする。すると徐々に首を絞める手が緩まる。
「そ、そんな……。」
「ふ、フハハハハハ!!!残念だったな勇者!!!」
勝ち誇るサタンだが、突如苦しそうな声を出すと右手の自由が徐々に失われていく。サタンの背後には肩の傷を癒してもらったマオが彼に剣を突き刺していた。
「ま、マオーーー!!!貴様ーーーー!!!!」
「今まで僕を洗脳して散々好き勝手してくれたせめてもの礼ですよ。」
マオの剣はサタンにダメージを与えていないが代わりにサタンのオーラを吸い取る。
「ふ、ふざけるなぁー!動けるようになったらまずは貴様から殺してやる!!」
サタンが激高すると今度は火・水・土・風の四属性の攻撃が魔王に直撃する。
「さっきは良くも好き勝手やってくれたな……!!」
「先代魔王の方がマシってマジみたい!!」
「貴方のような君主はもう必要ありません!」
「こうみえて私達、根深いんですよ?」
四将魔がサタンを寝返ったようだ。
「小娘どもめ、貴様らも死にに来たか!!ならば後でたっぷりと…」
「あと何てない!!」
僕はサタンに向けて大声で叫ぶ。
「力での支配なんて貴方以外誰も望んでいない!人間、魔族、そして動植物……」
「ぐっ……!!!」
「貴方は生きとし生けるもの全ての敵なんだ!貴方だけは生かしておけない!!」
僕は今まで訪れた地、出会った人々、経験したことを全て思い浮べながら、全知全能のスキルでサタンの首を絞めている手をより一層強くするように願った。
「世界中の人間と魔族よ、どうか僕達に力を貸して……!」
するとサタンは次第にかすれ声となり、苦しそうな表情で白目を剥いた。そして煙となって消えたのだ。サタンが消えると魔王城も散りとなって消滅し、僕達は魔王城の跡地の上に立っていた。
「みんな、ありがとう……!!」
僕が振り返り魔族達に礼を言おうとするも、そこには僕とドレッド以外誰もいない。
「………まさか、みんな……。」
魔王城だけではなく、魔界全土の魔族達が魔王城と共に一斉に消えたのだ。
「タクトーーーーー!!!!!!」
僕の名前を叫ぶ声と共に闇の空間が切裂かれ、光が溢れ出す。
「なっ、馬鹿な。我の空間がぁーーー!!!!」
ドレッドが振り下ろした聖剣で魔王が作った闇の空間がぼろぼろと崩れて徐々に消滅していく。ドレッドが剣を構えて僕のもとに駆けていくと、魔王は僕のもとを離れ、謁見の間の方へ逃げていく。
「タクトーー!!どうしたんだ、大丈夫か!?」
彼は血だまりに沈む僕を両腕で抱えて涙を流した。ドレッドが勇者に覚醒して助けてくれたことが嬉しくて僕もまた、歓喜の涙を流した。
「あぁ、なんとか生きているよ。詳しい話は後だ、急いでサタンのもとに!」
ドレッドが頷くと僕を抱えて謁見の間に向かったサタンを追う。
「マオ、何をしておる!!再び闇の空間を作る準備に取り掛かれ!!」
サタンがそう叫ぶと目の前に倒れているマオを発見する。
「クソッ、使えない奴めぇ!!四将魔はどうした、どこへいる!!」
すると謁見の間の扉が開き、四将魔が入ってくる。だがしかし、彼女達はボロボロで立っているのがやっとの状態だった。
「さ、サタンさま……!!どうか、お助けください!!」
「多勢に無勢、こんな不覚を取るとは……」
「どうかお慈悲を…お力添えを……!」
「うわぁーーん、サタンさま助けて―ーーー!!」
四将魔の後ろにはベリアル達の軍団がある。勝ち誇った顔をしており、どうやら勝負あったらしい。
「クソッ、使えない部下共め!!!貴様らなどもういらんわ!!!死ねぇ!!!」
サタンはマオと四将魔に向かってダークフレイムを唱え、彼らを焼き殺そうとする。すると四将魔の4人が叫び声をあげた。
「きゃぁあーーー!!!」
「いやぁああ!!」
「うぅ……」
「うわぁーーーー!!!」
サタンの攻撃が彼女達に直撃する前に僕はスキルを使った。
「無限収納!!」
僕がそう叫ぶとダークフレイムが消えた。次の瞬間、サタンの前にダークフレイムが現れて彼に直撃する。
「勇者、きさまぁーーーー!!!」
サタンが悲痛な叫びを上げながら僕を睨む。どうやら自分自身の攻撃は効くらしい。しかし、このダメージ量では魔王が死ぬことはない。
「ここにいては危険だ!!早くマオを連れて部屋の外に!!」
四将魔は一瞬目を丸くするも、無言で頷き駆けだす。
「調子に乗るなぁーーー!!」
サタンは再び四将魔を消しにかかるが気が付くと腕が切り落とされ、地面に落ちた。
「おっと、俺様がいることを忘れちゃ困るぜ?」
「きさまぁーーーー!!!」
ドレッドが剣を振り、サタンの身体をバラバラにしていくが、しばらくすると切った身体が元の位置に戻り、修復される。
「クソっ、不死身っていうのはマジなのかよ。」
ドレッドがそう言うと僕の方に視線を向ける。
「ドレッド、さっきはあの闇の空間で僕の能力が封じられたけど今なら倒せる!」
「本当か!?」
「うん、だからお願い!時間を稼いで!!!」
「がってんだぜ!!」
僕は全治全能のスキルを再び使って魔王サタンに洗脳を試みた。
「させるかぁーー!!!」
サタンが懇親の一撃を僕に目掛けて放つがドレッドがそれを切裂いて消滅させる。
「くそぉーー!!我の作戦は完璧だったはず!!なぜだぁーー!!!勇者め!!」
完全に平静を失ったサタンは顔を真っ赤にして再び攻撃を仕掛けるが、彼はそのままピタッと動きが止まった。
「サタンよ、己の手で幕を下ろしなさい。そして安らかな死を迎えるのです。」
僕がそう言うと、サタンは言われるがまま自分の首に両手をかける。
「おぉーー…すげぇーーー!!!」
僕の作戦が上手くいき、歓喜を上げるドレッド達だが死を目前としてサタンが正気を取り戻す。意思は戻るも自由に動かせるのは口だけで、両手は依然としてサタンの首を絞め続けている。
「ふ、ふざけるなぁーー!このサタンさまが、死んでたまるかぁーー!!」
そう言うと彼は体中の黒色のオーラを右手に集めて右手の自由を奪い返そうとする。すると徐々に首を絞める手が緩まる。
「そ、そんな……。」
「ふ、フハハハハハ!!!残念だったな勇者!!!」
勝ち誇るサタンだが、突如苦しそうな声を出すと右手の自由が徐々に失われていく。サタンの背後には肩の傷を癒してもらったマオが彼に剣を突き刺していた。
「ま、マオーーー!!!貴様ーーーー!!!!」
「今まで僕を洗脳して散々好き勝手してくれたせめてもの礼ですよ。」
マオの剣はサタンにダメージを与えていないが代わりにサタンのオーラを吸い取る。
「ふ、ふざけるなぁー!動けるようになったらまずは貴様から殺してやる!!」
サタンが激高すると今度は火・水・土・風の四属性の攻撃が魔王に直撃する。
「さっきは良くも好き勝手やってくれたな……!!」
「先代魔王の方がマシってマジみたい!!」
「貴方のような君主はもう必要ありません!」
「こうみえて私達、根深いんですよ?」
四将魔がサタンを寝返ったようだ。
「小娘どもめ、貴様らも死にに来たか!!ならば後でたっぷりと…」
「あと何てない!!」
僕はサタンに向けて大声で叫ぶ。
「力での支配なんて貴方以外誰も望んでいない!人間、魔族、そして動植物……」
「ぐっ……!!!」
「貴方は生きとし生けるもの全ての敵なんだ!貴方だけは生かしておけない!!」
僕は今まで訪れた地、出会った人々、経験したことを全て思い浮べながら、全知全能のスキルでサタンの首を絞めている手をより一層強くするように願った。
「世界中の人間と魔族よ、どうか僕達に力を貸して……!」
するとサタンは次第にかすれ声となり、苦しそうな表情で白目を剥いた。そして煙となって消えたのだ。サタンが消えると魔王城も散りとなって消滅し、僕達は魔王城の跡地の上に立っていた。
「みんな、ありがとう……!!」
僕が振り返り魔族達に礼を言おうとするも、そこには僕とドレッド以外誰もいない。
「………まさか、みんな……。」
魔王城だけではなく、魔界全土の魔族達が魔王城と共に一斉に消えたのだ。
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