友達のために女装

女装小説家すみれ

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1-2.友達のために年上女性になる

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僕はアキヒコのベットの横に布団をひいて寝ることにした。 

アキヒコは
「もう長い間、ベッドの上で寝てなかった。今夜はやっと寝れそうだよ」
言った。 

自分も失恋した時の、あの自信喪失と寂しさが混じった感じは分かるから、 少しは役にたててよかったって思ったんだ。 

消灯してからどのくらい時間が経っただろうか。 
夜中の二時くらいだったと思う。
 
ふと人の気配を感じて目覚めると、横にアキヒコが寝ていた。 

びっくりした。

すぐにアキヒコも気づいて
「ごめん・・・・やっぱり、どうしても一人じゃ眠れなくて」
って言うんだ。 

さすがに一緒の布団で寝るのは抵抗あったけど、アキヒコはかなり精神的にボロボロなんだなって思った。
 
ま、一夜くらいいいかって思った瞬間、アキヒコがこんなこと言うんだ。

 「あのさあ。本当に自分でも何言ってるんだって思うんだけど、お願いがあるんだ・・・」 

「なんだよ。いきなり」

 「でも・・・ごめん。やっぱいいわ」
「なんだよ。言ってみなよ。それで判断するから」 
「・・・お前、俺のことついに頭がおかしくなったって思うよ」

 アキヒコはやたらと警戒した。

 「今のお前はボロボロなんだからさ。 頭おかしいとか思わないと思う。言ってみなよ。できることならするから」

すると、しばらく考えてアキヒコはぽつりと言った。 

「・・・女装してくれないかな」 

僕は耳を疑った。
え。女装? 

「ごめん。忘れて。悪かった」

あの真面目なアキヒコが女装してくれだなんて・・・
ものすごい勇気を振り絞ったに違いない。 
いいじゃないか。女装くらい。
それでアキヒコが少しでも気が晴れるなら。 ここはたいしたことないくらいの感じで反応してあげよう。
なぜか、そう思えた。


「いいよ」
 「え。本当?」
 「いいよ。女装って、着るものはあるの?」 

アキヒコはほっとしたというか、嬉しそうな表情をした。よかった。この表情を見れて嬉しかった。

「・・・あ。じゃあ、ちょっと待って」 
アキヒコはそういうと、元気よく立ちあがり、クローゼットを開けてごそごそ取り出していた。
よかった。

笑顔がちょっと戻ったみたいだ。 
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