私のどこがダメですか?

9minute

文字の大きさ
上 下
24 / 30

第二十四話

しおりを挟む

 翌朝起きると、竜也くんは昨日の事を覚えていなかったようで、頭が痛いと言っていた。

「大丈夫?竜也くんがお酒飲むとは珍しいね」

「俺も付き合いがあるからね」

「そうなんだ、大変だね」

「お水くれる?」

「うん」

 私は昨日の事を思い出してまた耐えれなくなっていた。
  
 なんで私は竜也くんに直接言えないんだろう。言ったら殴られるから?

 そうだ、私はいつだって恐怖で支配されている。いつも顔色を伺って、自分は悪くないのに。

 いや、むしろ悪いのは自分だけなのかも。

 私はそんな考えをただ頭の中で行ったり来たりするばかりで現実には何も行動出来なくて。

 薬に頼らないと正気でいられなくて。
 
 薬に頼っても支離滅裂で。


「ママ?こうえんいきたいー」

「あっうん、行こうね」

「あおいと公園行ってくるね」

「うん、気をつけるんだよ」


 唯一私を現実に引き戻してくれる存在。

 竜也くんに愛されなくてもあおいさえ居ればいいかな。

 いっその事離婚してあおいと二人で暮らそうかな。

 私はそんな簡単な事さえ出来ない情けない親だ。自分だって母親が再婚するまでは二人で暮らしていたけど、父親の事なんか覚えていなかったし寂しい思いもしなかった。

 子供は意外と親が思うほど弱くないよね。

「あおい?ママすき?」

「ママすき!パパはもっとすき!」

「‥‥‥」

 どうするかな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

プレパレーション

9minute
恋愛
何気ない日常がどれほど尊いものなのか。当たり前にある日々をどれだけ大切に、感謝をして生きていくのか、最後にならないと本当に分からないものである。 この作品はなろう、カクヨムにも掲載しています。

スキトヲルヲモイ

幻中六花
恋愛
死んだら何も伝えられないということを忘れてしまった玲奈。 好きな気持ちを伝えるために選んだ手段は、飛び降りて死ぬことだった。 この作品は『カクヨム』『小説家になろう』にも掲載しています。

JC💋フェラ

山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

友情結婚してみたら溺愛されてる件

鳴宮鶉子
恋愛
幼馴染で元カレの彼と友情結婚したら、溺愛されてる?

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...