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第十九話
しおりを挟む保育園にあおいを迎えに行った帰り、いつものスーパーが改装工事をしていたので、少し遠いスーパーに行く事にした。
途中あおいがぐずり出した為、私は通り道にあったコンビニでおやつを買う事にした。
あおいのお気に入りはえびせんで、嬉しそうにレジに持って行く。
コンビニを出て近くの公園のベンチで一休みする事にした。除菌シートで手を拭いてあげ、あおいにえびせんを渡す。
私は疲れてぼーっとしながら今晩のおかずは何にしようか考えていた。
いつもなら通らない道、スーパーなら少し歩けば何軒もある。
あおいは満足したのか、公園で遊びたそうにしている。今日は金曜日、少しくらい遅くなってもいいかと思い遊ばせる事にした。
私があおいの後をついて回っていると、
「あっパパー!」
そう言いながらあおいは指を差した。
パパは今仕事中なのにいるわけないじゃんと思いながらあおいの指差す方を見た。
すると、本当に竜也くんがいた。
それも知らない女と。
一瞬で分かった、浮気だと。
しかし意外にも冷静だった私は写真だけ撮ってその後は問い詰めないようにしていた。
本当は聞きたかった、いつからなのか、どこで知り合ったのか、私と別れるつもりなのか。
でもそれをしなかったのは、問い詰めて離婚を切り出されるのが怖かったからだ。
今の私にはあおいがいる、自分の気持ちだけで突っ走ってはいけないと思った。
私が嫌いになったのなら離婚は時間の問題、その時の為だけに写真は消さずにいた。
竜也くんはどこに行ってもいい旦那さんだねって言われるくらい外面が良かった。
選んだ私もすごいって言ってもらえてるみたいで気分がよかった。
何食わぬ顔で帰ってきた竜也くん。
いつもと変わらず優しい。
変わったのは私の竜也くんを見る目だけ。
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