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第四章~フレイヤ国、北東領地、ヴァジ村、再び~
第四話
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勾配の続く坂道を登った先の丘に、小さな宿屋があった。
宿屋の石積みの壁にも蔓が生い茂っていた。ソラが玄関の前で「こんばんは」と呼びかけると、直ぐに女性が顔を出した。
「いらっしゃい、あら今夜はお客様も一緒ね。入って」
民家にお邪魔するかのような場面に戸惑いながらも、ソラに従いて宿の中に入った。
ちょっとしたエントランスを抜けた部屋が居間になっていた。
居間の奥には煉瓦作りの台所があり、本当に一般家庭のようだった。暖炉が部屋の中央に設置され、何処にでも座れるように絨毯とクッションが点在していた。
「お部屋は、――そちらのお二人はカップルさんかしら?」
一瞬何を言われたのか分からず、ワンテンポ遅れて「違います!」とヴレイは声を張って否定した。
何も動じていないルピナがくすくす笑っていたので、自分の子供っぽさに恥ずかしさを感じさせられた。
暖炉の近くの絨毯に腰を下ろした三人は、出された果実酒にほっと息を吐いた。
全身に温かさが沁みわたる感覚は至福の時だ。
「食事代は必ず返す。迷惑を掛けてすまなかった」
「畏れ多いですよ、寧ろ王女様の食事代を払った最初の考古学者だと、自慢できるわ」
変な自慢だなと思いながら、ヴレイは知らん顔で果実酒を啜った。
「今か話す内容は事後に調べたのよ。五年前、ザイド君の洗礼が始まったのを切っ掛けに、彼らが目覚めてしまった」
「彼らって」とヴレイとルピナの声が重なった。
「まあまあ、順番に話すから、急ぎなさんな」
ソラは至って呑気に果実酒を啜った。
「寺院に像が二体建っているでしょ。あの像は遥か昔、まだ魔獣族が絶滅する前の、部族長だった二人よ。お互い別々の土地を支配し、敵同士ながら戦友でもあった。でも、仲違いによる『那托』の裏切りによって、『羅刹』の土地が襲われた。勢力では『羅刹』の方が勝っていたので、『那托』は敗れたけどね」
何だかよくある昔話を聞かされている気がした。この話にどう自分たちが関わっているのかと、結末を早く知りたい気持ちで気が焦った。
「魔獣族は絶滅したけど、『妖源力』を受け継いでいる家系は、知ってのとおり魔獣族の子孫と言えるわ」
確かに、それは常識的な知識だ。ヴァジ村では珍しいことでもない、寧ろ『妖源力』を持つ人間の方が多いぐらいだ。ヴァジ村のように『妖源力』が当たり前のように認識されている地域は稀だ。
ジルニクス帝国では優遇される能力なので、護衛機関にすんなり入隊できたりするが、反面、学校や社会では危険人物に思われたりと、差別は当たり前の行為と化していた。
「そうじゃな、フレイヤ国内でも、幼少期の内に『妖源力』を制御訓練する施設は幾つかあるからな」
へぇなるほど、とすっかり体も温まったヴレイは心の中で呟いた。
「でも極めて稀なケースが出現した。それが五年前。敗れた『那托』が沈まぬ怒りの矛先を向けたのが、ヴレイ君よ」
「はい?」と声が裏返りそうになり、陳腐と分かっていながらヴレイは自分に指を差した。
「無関係ですよね、俺は。え、巻き添え? 俺、巻き添え?」
「まぁ、そうなるわね、お察しするわ。『那托』は君にというより、『羅刹』の子孫にまで復讐したかったのよ。ほら末代までなんちゃらってやつ」
「なんちゃらって、そんな呑気な。で五年前、奴らが目覚めたっていうのは」
いよいよ本題に入り、ヴレイは自分の両手にチクリと針が刺さったかのような、鈍い痛みが走った。
「『那托』は自分の力を子孫に隔世させ、『羅刹』の子孫を抹殺しようとしている。だから子孫であるザイド君には『那托』の『妖源力』が隔世した。『羅刹』は『那托』の策に気付き、ヴレイ君には『羅刹』の『妖源力』が隔世した」
完全に巻き添えである。ここまで聞いて、更に疑問が浮上した。
「洗礼中にザイド君の中にいる『那托』が覚醒し、影響されてヴレイ君の中にいた『羅刹』が覚醒した。と私は考えたわ」
話の途中から嫌な予感がした。五年前、ヴァジ村を火の海にした犯人は。
「ザイド君の『那托』はおそらくヴレイ君を探して、村中を荒らした。恐らくだけど、『羅刹』の『妖源力』が覚醒したとなれば、ヴレイ君に掛かった負担は自我を崩壊させるほどだったはず、その時のヴレイ君を誰が止めたのか」
ハッと気付いたヴレイはとんでもなく脱ぎにくい手袋を脱いだ。
両手の平に刻まれた縦の傷跡。傷は手の甲を突き破っていた。刃物のような鋭利な獲物でなければ、付けられない傷痕だ。
「まさか、お袋が?」
ルピナが提案した答を出してみた。
ソラは目を伏せて、何かを視界から排除するかのように、きつく目を瞑った。
「分からないわ、母親の手元や近くには、刃物らしい獲物は落ちていなかったそうよ」
「なら、『妖源力』を使って母親がヴレイの手に傷を負わせたのではないか?」
閃いたと言わんばかりに、ルピナは大きな目を更にぱちくりさせていた。
「それはないです。ヴレイ君の母親はその時既に、『妖源力』を失っていましたから」
「へ?」とヴレイの呟きに気付いたソラが、「聞いていなかったのね」と付け加えた。
「アンドラス機の開発途中で事故があり、その時『妖源力』を失ったそうよ。これも後から調べたの、事実よ」
「では、母上ではないとすると――、まさか、ザイドか?」
話を逸らすような感じでルピナが有力候補を挙げた。ルピナなりの気遣いだと察した。
「ザイド君の意識がかろうじてあったのか、定かではないけど、ヴレイ君の『妖源力』を止めることができたのは、当時の状況下ではザイド君しかいないわ。両手を何かで突き刺したことで、『羅刹』の『妖源力』は封じ込めた、と考えられるわ」
火の中に消えたザイドは今どこにいるのだろう。もう手掛かりは残っていないのだろうか。
それとももう過去として、思い出に変えることで、ザイドへの償いになるのだろうか。
「『那托』を覚醒させたザイドには、本人の意識はあるのか?」
「さぁ、それは本人でなければ分からないわ。ザイド君の意識と、『那托』の意識が混濁しているのかもしれない」
ヴレイはグッと手を握った。もう前のザイドじゃない、あの時、手を掴んでくれたザイドはもういない。
あいつがあいつじゃない、とても現実の話とは思えない。
「こんなの、理不尽だ。どうして俺たちがこんな目に遭わなきゃいけねえんだよ」
あの頃に戻れたら、洗礼なんてさせない。直ぐにルピナに会いに行く。今度は俺がザイドの手を掴むんだ。
じわりと涙が浮いて、しゃくり上げて泣きたい衝動に襲われた。
「泣きたいなら泣けばよい」
「アホか、こんな所で泣けるかよ」
涙目を拭って、赤いだろう目を前髪で隠した。
「そんなこんなで私が祭司の代理をやらせてもらってるんだけど。代理と言っても寺院の管理をしているのは村の人たちよ。私は村長さんから寺院で魔獣族の研究を行っても良いと、許可を貰ったの。元々は大学で『妖源力』の起源を調査していたの」
自分の話は大したことないからと言うように、ソラは力を抜くように話し終わった。
話し続けて渇いた喉を潤すように、ソラは果実酒を流し込んだ。
釣られてヴレイも多めに飲んだ。
「結局、ザイドの行方は知れずか」
生きているのかも分からない。もう二度と会えないかもしれない。このまま明日がきて、フレイヤ支部と連絡を取り、救援を要請し、ルピナをエルムへ送る。ルピナとも別れ、またいつもの訓練と整備の生活に戻る。いつもの毎日に戻るだけだ。
明日からの段取りを整理すると、ふと悄然さが湧き上った。
「すまぬが、もっと早く話しておれば良かったのだが、ソラはこれが何か分かるであろう」
突然、申し訳なさそうにルピナは恐る恐る何かを腰のバッグから取り出した。
握られた手が開くと、卵より大きな石が載っていた。黒檀色をした石の中には、金色の幼虫が蠢いているかのように、鈍い光が動いていた。エルムで見せた『魔獣の卵』とかいうやつだ。
「これはまさか、『魔獣の卵』ではないのですか? これをどこで」
何故ここにあるのかといった感じで、ソラは大げさなぐらい驚いていた。
「ベフェナの避難船がエルム領地に墜落したのだ。その時はまだ息があったベフェナのジェイド王女が私に託したのじゃ。ロマノ帝国のザイド皇子に渡してくれと言い残したのじゃ」
宿屋の石積みの壁にも蔓が生い茂っていた。ソラが玄関の前で「こんばんは」と呼びかけると、直ぐに女性が顔を出した。
「いらっしゃい、あら今夜はお客様も一緒ね。入って」
民家にお邪魔するかのような場面に戸惑いながらも、ソラに従いて宿の中に入った。
ちょっとしたエントランスを抜けた部屋が居間になっていた。
居間の奥には煉瓦作りの台所があり、本当に一般家庭のようだった。暖炉が部屋の中央に設置され、何処にでも座れるように絨毯とクッションが点在していた。
「お部屋は、――そちらのお二人はカップルさんかしら?」
一瞬何を言われたのか分からず、ワンテンポ遅れて「違います!」とヴレイは声を張って否定した。
何も動じていないルピナがくすくす笑っていたので、自分の子供っぽさに恥ずかしさを感じさせられた。
暖炉の近くの絨毯に腰を下ろした三人は、出された果実酒にほっと息を吐いた。
全身に温かさが沁みわたる感覚は至福の時だ。
「食事代は必ず返す。迷惑を掛けてすまなかった」
「畏れ多いですよ、寧ろ王女様の食事代を払った最初の考古学者だと、自慢できるわ」
変な自慢だなと思いながら、ヴレイは知らん顔で果実酒を啜った。
「今か話す内容は事後に調べたのよ。五年前、ザイド君の洗礼が始まったのを切っ掛けに、彼らが目覚めてしまった」
「彼らって」とヴレイとルピナの声が重なった。
「まあまあ、順番に話すから、急ぎなさんな」
ソラは至って呑気に果実酒を啜った。
「寺院に像が二体建っているでしょ。あの像は遥か昔、まだ魔獣族が絶滅する前の、部族長だった二人よ。お互い別々の土地を支配し、敵同士ながら戦友でもあった。でも、仲違いによる『那托』の裏切りによって、『羅刹』の土地が襲われた。勢力では『羅刹』の方が勝っていたので、『那托』は敗れたけどね」
何だかよくある昔話を聞かされている気がした。この話にどう自分たちが関わっているのかと、結末を早く知りたい気持ちで気が焦った。
「魔獣族は絶滅したけど、『妖源力』を受け継いでいる家系は、知ってのとおり魔獣族の子孫と言えるわ」
確かに、それは常識的な知識だ。ヴァジ村では珍しいことでもない、寧ろ『妖源力』を持つ人間の方が多いぐらいだ。ヴァジ村のように『妖源力』が当たり前のように認識されている地域は稀だ。
ジルニクス帝国では優遇される能力なので、護衛機関にすんなり入隊できたりするが、反面、学校や社会では危険人物に思われたりと、差別は当たり前の行為と化していた。
「そうじゃな、フレイヤ国内でも、幼少期の内に『妖源力』を制御訓練する施設は幾つかあるからな」
へぇなるほど、とすっかり体も温まったヴレイは心の中で呟いた。
「でも極めて稀なケースが出現した。それが五年前。敗れた『那托』が沈まぬ怒りの矛先を向けたのが、ヴレイ君よ」
「はい?」と声が裏返りそうになり、陳腐と分かっていながらヴレイは自分に指を差した。
「無関係ですよね、俺は。え、巻き添え? 俺、巻き添え?」
「まぁ、そうなるわね、お察しするわ。『那托』は君にというより、『羅刹』の子孫にまで復讐したかったのよ。ほら末代までなんちゃらってやつ」
「なんちゃらって、そんな呑気な。で五年前、奴らが目覚めたっていうのは」
いよいよ本題に入り、ヴレイは自分の両手にチクリと針が刺さったかのような、鈍い痛みが走った。
「『那托』は自分の力を子孫に隔世させ、『羅刹』の子孫を抹殺しようとしている。だから子孫であるザイド君には『那托』の『妖源力』が隔世した。『羅刹』は『那托』の策に気付き、ヴレイ君には『羅刹』の『妖源力』が隔世した」
完全に巻き添えである。ここまで聞いて、更に疑問が浮上した。
「洗礼中にザイド君の中にいる『那托』が覚醒し、影響されてヴレイ君の中にいた『羅刹』が覚醒した。と私は考えたわ」
話の途中から嫌な予感がした。五年前、ヴァジ村を火の海にした犯人は。
「ザイド君の『那托』はおそらくヴレイ君を探して、村中を荒らした。恐らくだけど、『羅刹』の『妖源力』が覚醒したとなれば、ヴレイ君に掛かった負担は自我を崩壊させるほどだったはず、その時のヴレイ君を誰が止めたのか」
ハッと気付いたヴレイはとんでもなく脱ぎにくい手袋を脱いだ。
両手の平に刻まれた縦の傷跡。傷は手の甲を突き破っていた。刃物のような鋭利な獲物でなければ、付けられない傷痕だ。
「まさか、お袋が?」
ルピナが提案した答を出してみた。
ソラは目を伏せて、何かを視界から排除するかのように、きつく目を瞑った。
「分からないわ、母親の手元や近くには、刃物らしい獲物は落ちていなかったそうよ」
「なら、『妖源力』を使って母親がヴレイの手に傷を負わせたのではないか?」
閃いたと言わんばかりに、ルピナは大きな目を更にぱちくりさせていた。
「それはないです。ヴレイ君の母親はその時既に、『妖源力』を失っていましたから」
「へ?」とヴレイの呟きに気付いたソラが、「聞いていなかったのね」と付け加えた。
「アンドラス機の開発途中で事故があり、その時『妖源力』を失ったそうよ。これも後から調べたの、事実よ」
「では、母上ではないとすると――、まさか、ザイドか?」
話を逸らすような感じでルピナが有力候補を挙げた。ルピナなりの気遣いだと察した。
「ザイド君の意識がかろうじてあったのか、定かではないけど、ヴレイ君の『妖源力』を止めることができたのは、当時の状況下ではザイド君しかいないわ。両手を何かで突き刺したことで、『羅刹』の『妖源力』は封じ込めた、と考えられるわ」
火の中に消えたザイドは今どこにいるのだろう。もう手掛かりは残っていないのだろうか。
それとももう過去として、思い出に変えることで、ザイドへの償いになるのだろうか。
「『那托』を覚醒させたザイドには、本人の意識はあるのか?」
「さぁ、それは本人でなければ分からないわ。ザイド君の意識と、『那托』の意識が混濁しているのかもしれない」
ヴレイはグッと手を握った。もう前のザイドじゃない、あの時、手を掴んでくれたザイドはもういない。
あいつがあいつじゃない、とても現実の話とは思えない。
「こんなの、理不尽だ。どうして俺たちがこんな目に遭わなきゃいけねえんだよ」
あの頃に戻れたら、洗礼なんてさせない。直ぐにルピナに会いに行く。今度は俺がザイドの手を掴むんだ。
じわりと涙が浮いて、しゃくり上げて泣きたい衝動に襲われた。
「泣きたいなら泣けばよい」
「アホか、こんな所で泣けるかよ」
涙目を拭って、赤いだろう目を前髪で隠した。
「そんなこんなで私が祭司の代理をやらせてもらってるんだけど。代理と言っても寺院の管理をしているのは村の人たちよ。私は村長さんから寺院で魔獣族の研究を行っても良いと、許可を貰ったの。元々は大学で『妖源力』の起源を調査していたの」
自分の話は大したことないからと言うように、ソラは力を抜くように話し終わった。
話し続けて渇いた喉を潤すように、ソラは果実酒を流し込んだ。
釣られてヴレイも多めに飲んだ。
「結局、ザイドの行方は知れずか」
生きているのかも分からない。もう二度と会えないかもしれない。このまま明日がきて、フレイヤ支部と連絡を取り、救援を要請し、ルピナをエルムへ送る。ルピナとも別れ、またいつもの訓練と整備の生活に戻る。いつもの毎日に戻るだけだ。
明日からの段取りを整理すると、ふと悄然さが湧き上った。
「すまぬが、もっと早く話しておれば良かったのだが、ソラはこれが何か分かるであろう」
突然、申し訳なさそうにルピナは恐る恐る何かを腰のバッグから取り出した。
握られた手が開くと、卵より大きな石が載っていた。黒檀色をした石の中には、金色の幼虫が蠢いているかのように、鈍い光が動いていた。エルムで見せた『魔獣の卵』とかいうやつだ。
「これはまさか、『魔獣の卵』ではないのですか? これをどこで」
何故ここにあるのかといった感じで、ソラは大げさなぐらい驚いていた。
「ベフェナの避難船がエルム領地に墜落したのだ。その時はまだ息があったベフェナのジェイド王女が私に託したのじゃ。ロマノ帝国のザイド皇子に渡してくれと言い残したのじゃ」
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