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終章
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バーディスルは喜ばしい日を迎えていた。
「あなた!」
褐色の肌の女が、先の戦の折に倒壊し最近新築した家に向かって怒鳴った。
家の中から、はいよーと間延びした返事が返ってくる。
「全くもう!」
ぷりぷりしながら夫が出てくるのを待っていると、お隣さんが同じ様に玄関先で怒鳴り始めた。
「あなたーっあなた! さっきから何をしてるの? 皆もう集まっているわ! 私達も行きましょうよ! ほら早く!」
しかし家の中からもごもごとした返事が返ってくるだけで、一向に彼女の夫も姿を現さない。顔を真っ赤にしながら褐色の肌の女を振り返った彼女の肌は、白い。
「あら、恥ずかしい所を見られちゃったわ」
「いえいえ、私も同じですもの」
二人はお互いの夫を見限って、肩を並べて広場へと歩き出した。
「何でこう男の人って要領が悪いの?」
「前々から分かっていたのに、ねぇ?」
ぶちぶちと愚痴をこぼしてはいるが、二人の女の表情は明るい。
「それにしてもよかった。また平和になって」
「ええ。幸い怪我人だけですんだもの」
町は砲火に曝されはしたものの、破壊されたのは建物だけで、死人がでることはなかった。それに町は既に復興されている。
二人が通る広場への道には、花のアーチが掛かっている。
もちろんそれは二人の女達のために誂えられたものではない。
世間話をしながら広場に辿り着いた二人は、高台に上って海を臨んだ。
「私達は力を失ってしまったけれど、もう何にも脅かされない暮らしが出来るんだわ」
褐色の肌の女の言葉に、白い肌の女は勢い込んで言い返す。
「力なんて無くなってよかったのよ! そんなものなくたって私達、お隣さんでいられる。友達でいられるわ! そうでしょう?」
「ええ……ええ!」
頷きあい、抱き合った所に、お互いの子供達が駆け寄って来た。
「母さん!」
「お母さーん!」
子供達の肌は、日に焼けたような健康的な小麦色をしている。
二人は子供達に囲まれながら笑いあう。それはこの島国に住む、全ての人々が選んだ未来だった。
「母さん、ほら! お船が来たよ!」
子供が指差した水平線には、小さな白い船が浮かんでいた。
「あらあら! こうしちゃいられない!」
「早く花を用意しなくちゃ!」
女達は子供達を引き連れて高台を駆け下りていく。やってくる貴人に花を捧げるために。
船はゆっくりと近付いて来る。
大国の謝罪状と賠償金と二国の王達の署名の入った和平条約を刻んだ石板と、ルーク王子の花嫁を乗せて。
広場は海上の白い船を見、感極まった人間達の喝采で埋め尽くされた。
「それで……あなたは先に来た、と?」
「そうだ!」
一方バーディスル城。ルーク王子の部屋では、船上の人であるはずのトルトファリアの姫リディアが、何故か花婿の前に立っていた。
「全く、あなたという人は!」
「だって儀式だとか何とか、面倒くさかったんだもの。あっ! ほら、ルークに早く会いたかったしさ!」
「……思い出したように付け足さなくて結構です」
額に手を置いて首を振るルークに、リディアは首を傾げてみせた。何故いけないのかさっぱり分かっていなかった。
昨夜、リディアはダン一人をお供に、バーディスルへとやって来た。現王ロイド直筆の謝罪状と和平の確約状を無造作に懐に入れて。
「一度は女王と言う権威ある座にも付いたはずでしょう。何故こんな無茶苦茶なことをするんです?」
ルークは眉間に皺を寄せて睨んだ。
だが、リディアはけろりとしている。
「女王だったことは女王だったけど、私は母上に薬を盛られていたもの。実際には何もしていないから分からないぞ。それにもう女王じゃないしな」
リディアは先の戦の責任を取り、国主の座を兄に譲ったのだ。
初めロイドは困惑したが、
「最後の瞬間に自国民でなく、ただ一人の無事を願ってしまった私には、この国の女王たる資格が無い」
というリディアの退位の理由を聞き、納得して今は立派に王都で国王として身を粉にしている。
「あなたという人は! 本来、第二王子である私が兄より先に結婚するのは外聞の悪いことなのに……あなたときたら公式の使者まで出してくるんですから」
和平の証の嫁とは名ばかりの、押しかけ女房だ。
「何を言うか! ルークは私が妻になるのが嬉しくないのかっ? 酷いっ! 口付けまでした仲なのに!」
聞き捨てならんと怒り出したリディアだったが、対するルークは表情を変えないまま首を傾げている。
「いつのことです? 記憶にありませんが」
「なっ? 馬車の中でしたじゃないかっ!」
「……ああ、あの時の」
ようやく思い出した様子のルークに、リディアは安堵の笑みを浮かべた。
しかしルークはその冷たい声で希望の糸を断ち切った。
「あれは事故でしょう」
「そんな……」
半泣きになったリディアはよろよろと窓に凭れ掛かった。そして暗い瞳で不気味な笑みを浮かべ、独り言を言い始める。
「そんな……それじゃあ私の初めての唇は……ルークじゃないなら、だったら……」
暗い空気を放っているリディアに構わず、ルークは彼女が持ってきた書状に目を落とす。
「だったら私の初めての口付けの相手は……ギュンターってこと……?」
呆然としながらぽつりと呟いたリディアの言葉に、今まで無視を決め込んでいたルークが顔を上げた。
「リディア。ギュンターとは?」
顔色を変えたルークに気付かず、リディアは虚ろな笑いを浮かべて答えた。
「ギュンターはギュンターだよ。ルークも虚飾城で会っただろう? あいつ……あいつが私に……」
自分で口に出して再びショックを受け、リディアは一瞬棒立ちになる。その時リディアの顎に手が掛かり、深く口付けられた。
「?……っ!」
リディアが心底驚いているうちに唇は離れ、恥らう間も無く、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべたルークの腕に抱きすくめられた。
「えっと、ルーク? その……」
「あなたと言う人は……口付けの時に目を閉じないような精神年齢のくせに、私の心を乱すのが得手とは……完敗しますよ」
誉められているのか、貶されているのか。
喧嘩を売られているのか、愛の告白をされているのか。
さっぱり分からない。
分からないが、リディアは腕を伸ばしてルークを抱き返した。
「ふふ! そうだぞ! 私はずっとルークが好きだったんだ。私に勝とうなんて甘い!」
剣に貫かれた傷は塞がっていないのに構わず背中に回した腕に力を入れ、ぎゅうぎゅう抱き締めてくる自分の嫁に、ルークは溜め息を吐いた。
しかしリディアは気にしない。
(ルークがつれなくたって構うもんか! 何せ私は、王族でありながら恋愛結婚をするのだからな! 自ら望んだ人と結ばれるんだ。何て幸せものなんだろう)
益々盛り上がって、遂にばたばたと足を鳴らす。
そんな彼女を見下ろしながら、ルークが呟いた。
「何が勝つのかは分かりませんが……好意を持っていた期間を競うのでしたら、リディアの負けですね」
「ん? どういうこと?」
胸に顔を埋めていたリディアは顔を上げてルークの顔を覗き込む。すると今度は掠めるように、ルークの唇がリディアの唇をついばんだ。
呆気に取られているリディアに、からかいを含んだ笑顔と言葉が降って来る。
「あなたが私の浴槽に侵入してきた時には、私はもうあなたの虜でしたからね」
「っ!」
そんな昔のことを言うな! 口にするな! ギャーッ! と羞恥に叫び、暴れ出したリディアを腕の中に捕らえたままルークは笑い声を上げた。
その笑顔のどこにも、もう翳りは見られない。
春の柔らかな日差しを、短く切られたルークの髪が反射し、白い清冽な光がひと時放たれる。大国から来た花嫁の笑い声と共に、バーディスル城がこれから何十年も包まれることになる光だ。
一方、かつてその光で満たされていた虚飾城には、今はもう誰も居なかった。装飾品としての価値も無くしたため、城は近々取り壊されることになったのだ。
人の暮らしていた痕跡がまだ残っているため、余計にそれは閑散としているように見える。
リディアとルークが暮らした城。
そしてあまり知られてはいないが、カリムとロディウスが幼少の頃を過ごした城でもあった。
兄弟はとても仲が良かった。どこへ行くにも常に二人で行動していたことから、トルトファリアの金と銀の双宝玉と謳われた。
夥しい豪奢な飾りに囲まれながら、憎みあうこともなく罵りあうこともなく、何年経っても自分達兄弟は二人で生きていくのだと、信じていた頃は確かに存在していたのだ。
しかしそれももう、遠い昔のこと。
虚飾城は今、沈黙と花と、春の日差しに満たされている――。
完
「あなた!」
褐色の肌の女が、先の戦の折に倒壊し最近新築した家に向かって怒鳴った。
家の中から、はいよーと間延びした返事が返ってくる。
「全くもう!」
ぷりぷりしながら夫が出てくるのを待っていると、お隣さんが同じ様に玄関先で怒鳴り始めた。
「あなたーっあなた! さっきから何をしてるの? 皆もう集まっているわ! 私達も行きましょうよ! ほら早く!」
しかし家の中からもごもごとした返事が返ってくるだけで、一向に彼女の夫も姿を現さない。顔を真っ赤にしながら褐色の肌の女を振り返った彼女の肌は、白い。
「あら、恥ずかしい所を見られちゃったわ」
「いえいえ、私も同じですもの」
二人はお互いの夫を見限って、肩を並べて広場へと歩き出した。
「何でこう男の人って要領が悪いの?」
「前々から分かっていたのに、ねぇ?」
ぶちぶちと愚痴をこぼしてはいるが、二人の女の表情は明るい。
「それにしてもよかった。また平和になって」
「ええ。幸い怪我人だけですんだもの」
町は砲火に曝されはしたものの、破壊されたのは建物だけで、死人がでることはなかった。それに町は既に復興されている。
二人が通る広場への道には、花のアーチが掛かっている。
もちろんそれは二人の女達のために誂えられたものではない。
世間話をしながら広場に辿り着いた二人は、高台に上って海を臨んだ。
「私達は力を失ってしまったけれど、もう何にも脅かされない暮らしが出来るんだわ」
褐色の肌の女の言葉に、白い肌の女は勢い込んで言い返す。
「力なんて無くなってよかったのよ! そんなものなくたって私達、お隣さんでいられる。友達でいられるわ! そうでしょう?」
「ええ……ええ!」
頷きあい、抱き合った所に、お互いの子供達が駆け寄って来た。
「母さん!」
「お母さーん!」
子供達の肌は、日に焼けたような健康的な小麦色をしている。
二人は子供達に囲まれながら笑いあう。それはこの島国に住む、全ての人々が選んだ未来だった。
「母さん、ほら! お船が来たよ!」
子供が指差した水平線には、小さな白い船が浮かんでいた。
「あらあら! こうしちゃいられない!」
「早く花を用意しなくちゃ!」
女達は子供達を引き連れて高台を駆け下りていく。やってくる貴人に花を捧げるために。
船はゆっくりと近付いて来る。
大国の謝罪状と賠償金と二国の王達の署名の入った和平条約を刻んだ石板と、ルーク王子の花嫁を乗せて。
広場は海上の白い船を見、感極まった人間達の喝采で埋め尽くされた。
「それで……あなたは先に来た、と?」
「そうだ!」
一方バーディスル城。ルーク王子の部屋では、船上の人であるはずのトルトファリアの姫リディアが、何故か花婿の前に立っていた。
「全く、あなたという人は!」
「だって儀式だとか何とか、面倒くさかったんだもの。あっ! ほら、ルークに早く会いたかったしさ!」
「……思い出したように付け足さなくて結構です」
額に手を置いて首を振るルークに、リディアは首を傾げてみせた。何故いけないのかさっぱり分かっていなかった。
昨夜、リディアはダン一人をお供に、バーディスルへとやって来た。現王ロイド直筆の謝罪状と和平の確約状を無造作に懐に入れて。
「一度は女王と言う権威ある座にも付いたはずでしょう。何故こんな無茶苦茶なことをするんです?」
ルークは眉間に皺を寄せて睨んだ。
だが、リディアはけろりとしている。
「女王だったことは女王だったけど、私は母上に薬を盛られていたもの。実際には何もしていないから分からないぞ。それにもう女王じゃないしな」
リディアは先の戦の責任を取り、国主の座を兄に譲ったのだ。
初めロイドは困惑したが、
「最後の瞬間に自国民でなく、ただ一人の無事を願ってしまった私には、この国の女王たる資格が無い」
というリディアの退位の理由を聞き、納得して今は立派に王都で国王として身を粉にしている。
「あなたという人は! 本来、第二王子である私が兄より先に結婚するのは外聞の悪いことなのに……あなたときたら公式の使者まで出してくるんですから」
和平の証の嫁とは名ばかりの、押しかけ女房だ。
「何を言うか! ルークは私が妻になるのが嬉しくないのかっ? 酷いっ! 口付けまでした仲なのに!」
聞き捨てならんと怒り出したリディアだったが、対するルークは表情を変えないまま首を傾げている。
「いつのことです? 記憶にありませんが」
「なっ? 馬車の中でしたじゃないかっ!」
「……ああ、あの時の」
ようやく思い出した様子のルークに、リディアは安堵の笑みを浮かべた。
しかしルークはその冷たい声で希望の糸を断ち切った。
「あれは事故でしょう」
「そんな……」
半泣きになったリディアはよろよろと窓に凭れ掛かった。そして暗い瞳で不気味な笑みを浮かべ、独り言を言い始める。
「そんな……それじゃあ私の初めての唇は……ルークじゃないなら、だったら……」
暗い空気を放っているリディアに構わず、ルークは彼女が持ってきた書状に目を落とす。
「だったら私の初めての口付けの相手は……ギュンターってこと……?」
呆然としながらぽつりと呟いたリディアの言葉に、今まで無視を決め込んでいたルークが顔を上げた。
「リディア。ギュンターとは?」
顔色を変えたルークに気付かず、リディアは虚ろな笑いを浮かべて答えた。
「ギュンターはギュンターだよ。ルークも虚飾城で会っただろう? あいつ……あいつが私に……」
自分で口に出して再びショックを受け、リディアは一瞬棒立ちになる。その時リディアの顎に手が掛かり、深く口付けられた。
「?……っ!」
リディアが心底驚いているうちに唇は離れ、恥らう間も無く、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべたルークの腕に抱きすくめられた。
「えっと、ルーク? その……」
「あなたと言う人は……口付けの時に目を閉じないような精神年齢のくせに、私の心を乱すのが得手とは……完敗しますよ」
誉められているのか、貶されているのか。
喧嘩を売られているのか、愛の告白をされているのか。
さっぱり分からない。
分からないが、リディアは腕を伸ばしてルークを抱き返した。
「ふふ! そうだぞ! 私はずっとルークが好きだったんだ。私に勝とうなんて甘い!」
剣に貫かれた傷は塞がっていないのに構わず背中に回した腕に力を入れ、ぎゅうぎゅう抱き締めてくる自分の嫁に、ルークは溜め息を吐いた。
しかしリディアは気にしない。
(ルークがつれなくたって構うもんか! 何せ私は、王族でありながら恋愛結婚をするのだからな! 自ら望んだ人と結ばれるんだ。何て幸せものなんだろう)
益々盛り上がって、遂にばたばたと足を鳴らす。
そんな彼女を見下ろしながら、ルークが呟いた。
「何が勝つのかは分かりませんが……好意を持っていた期間を競うのでしたら、リディアの負けですね」
「ん? どういうこと?」
胸に顔を埋めていたリディアは顔を上げてルークの顔を覗き込む。すると今度は掠めるように、ルークの唇がリディアの唇をついばんだ。
呆気に取られているリディアに、からかいを含んだ笑顔と言葉が降って来る。
「あなたが私の浴槽に侵入してきた時には、私はもうあなたの虜でしたからね」
「っ!」
そんな昔のことを言うな! 口にするな! ギャーッ! と羞恥に叫び、暴れ出したリディアを腕の中に捕らえたままルークは笑い声を上げた。
その笑顔のどこにも、もう翳りは見られない。
春の柔らかな日差しを、短く切られたルークの髪が反射し、白い清冽な光がひと時放たれる。大国から来た花嫁の笑い声と共に、バーディスル城がこれから何十年も包まれることになる光だ。
一方、かつてその光で満たされていた虚飾城には、今はもう誰も居なかった。装飾品としての価値も無くしたため、城は近々取り壊されることになったのだ。
人の暮らしていた痕跡がまだ残っているため、余計にそれは閑散としているように見える。
リディアとルークが暮らした城。
そしてあまり知られてはいないが、カリムとロディウスが幼少の頃を過ごした城でもあった。
兄弟はとても仲が良かった。どこへ行くにも常に二人で行動していたことから、トルトファリアの金と銀の双宝玉と謳われた。
夥しい豪奢な飾りに囲まれながら、憎みあうこともなく罵りあうこともなく、何年経っても自分達兄弟は二人で生きていくのだと、信じていた頃は確かに存在していたのだ。
しかしそれももう、遠い昔のこと。
虚飾城は今、沈黙と花と、春の日差しに満たされている――。
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