君色

あんず

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傷付いた美月。

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朝食はワイワイと賑やかに食べた。


美月の淹れてくれたコーヒーを飲む。





「りっくんはコーヒー?」


「あぁ。くうは?」


「くうはココアかなぁ。ミキちゃんは?」




美月は俺の膝の上でニコニコと微笑んでいる。



「ミキちゃん?」



…………




「空センパイ、ありがとうございます。

美月にもココア入れてもらっていいですか?」



「……うん。」












美月の様子が明らかにおかしい……。


ニコニコしているけど

反応が薄い……



それは

凪くんも陸空センパイも気付いたようで






「ノブ、俺さ戸締りしてくから先に陸空と病院行ったらどうだ?」



「ありがとうございます。」



「陸、タクシー呼んでな?」






陸空センパイは飲み物もそこそこに
出かける準備をしてくれた。





「美月?  俺と一緒に出かけような?

ちょっと支度するから空センパイと
待っててくれるか?」




小さく頷く美月を空センパイの隣りに預け
二階の美月の部屋に手荷物を取りに行った。























「ノブ早く来い!!」



1階から陸センパイが大声で俺を呼んでいる。

慌てて荷物を掴んでリビングに向かうと…………





泣いて自分を傷付けようとする美月を
凪さんが後ろから抱え

前からは空センパイが抱きつき頬を撫でて一所懸命、美月をあやしていた。








「美月?どうした?」




「のぶ!    しのぶ!!   
ミキのお隣りなの!!!」


泣きながら両手を俺に伸ばす美月……。






「センパイ……ありがとうございます。

ほら美月……おいで?」



凪さんと空センパイが手を離すと美月は俺に抱きついてきた。





「ノブ、タクシー来たぞ。」




「ありがとうございます。

美月、一緒にお出かけ行こうな?」




「うん。  しのぶ一緒!!  抱っこして?」



「美月は甘えん坊だな?」


ふふっと幼く笑う美月。




「陸センパイ、荷物お願い出来ますか?」


「あぁ、行こうか。」




俺は美月を抱きかかえた。






「ミキちゃん、抱っこ嬉しいね?」



空センパイの声に美月はご機嫌に答えた。


「うん。嬉しいの。」










「凪さん、後お願いします。」












俺の腕の中には

幼くて

傷付いた美月がいた。










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