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天国へ。
しおりを挟むママのお通夜と葬儀は
荒木さんが手配してくれて
私は何もせずにいられた。
ママの交友関係……全く知らなかった。
勤務先の医師や看護師さん、明らかに新人と思われる事務のヒトまで来てくれた。
コンビニの店長さん夫婦。
育った施設の園長先生夫妻に子供達。
……毎月、子供達にケーキを届けていたらしい。
そして私の高校の同級生たち。
……美波くんもいた。
きっと楠木くんが伝えたのだろう。
いろんなヒトから愛されてると思った。
墓地も決まり納骨も済んだ。
ママと暮らしたこの部屋を解約するコトになり
ママの遺品の整理を始めた。
ベットサイドのチェスト。
一番下の引き出しはカギがかかっていた。
カギが見当たらないのでケビンにバールで開けてもらった。
写真立てと封筒。
若いママと男の人。
恥かしそうに写っている。
小指だけ絡ませた手が初々しい写真。
封筒の中に便箋が一枚。
『弥生がずっと好きだ。 睦月』
パパだ。
きっとパパだ。
やっと会えた……。
ママの持ち物の中から
写真立てと手紙。
亡くなった時に身に付けていた
ネックレスと指輪。
それだけをロスに持って帰ろうと思った。
自分の物も
保育園から高校までの卒業アルバムと
ママとの写真だけ。
あとは全て処分するコトになった。
後のコトは荒木さんにお願いして
ケビンとロスに戻った。
クリスマス休暇は終わってしまった……
ママ
天国でパパと逢えた?
もう離れないで
天国で幸せになってね。
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