片想い

あんず

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プレゼント。

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美波の誕生日。




私と美波の間ではごく普通の日。

学校帰りの
リハビリ
診察。


診察を終え美波が
「先生また」と笑顔で帰ろうとした。


いつものスクールバッグの他に
紙袋が二つ。


私の視線に気付く。
「なんか、もらったんだ……」と
照れながら私から視線を外した。



「スゴい量の誕生日プレゼントだね。」と
声をかけると


美波はビー玉みたいな瞳をより丸くした。

「なんで?」





私は診察室の電子カルテを指差した。
「美波クンのことは何でも知ってるよ?」と
少し意地悪く言ってみた。


美波は
顔を真っ赤にして俯いてしまった。



そんな美波の表情が可愛くて仕方ない。
18歳になった男の子なのに。


「勉強の息抜きに使ってみて?
ティーセットとジャスミン茶葉なの。」


美波はまた
ビー玉みたいな瞳を丸くした。

「荷物、多いみたいだから今度持って帰る?」


「やよい先生ありがとう!スゴく嬉しい!
帰って早速使わせてもらうね。」


美波は嬉しそうに診察室を出て行った。





あんなにプレゼントもらって……
迷惑かけちゃったかな。
気を使わせちゃったかな。



結局
プレゼントあげてもあげなくても




ココロ乱れるんだ。
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