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ミキ姫。
しおりを挟むきっと俺たちの事で悩んでいるんだろう。
だから
『ゴメンなさい』なんだろう。
俺たちの理想の親は栞菜さんと雅さんだ。
一生かかってもあの二人のようになれないかもしれない。
でも俺たちなりの『愛のカタチ』を見せて見守りたい……。
カケル君とヨシが遊びに来てくれた。
階段の下からヨシが美月に声をかけた。
『ミキ?おいで?』
美月は嬉しそうにリビングに顔を出した。
久しぶりに見た美月の笑顔。
スゴく可愛かった。
『お土産だよ。』
ヨシはヘアメイクからスタイリストまでこなしている。
リビング脇の和室に中性的に見えるけど
明らかに女の子の洋服やアクセサリーが
広げられた。
『着てみる?』
ヨシの言葉に頷く美月……。
着替え終わった美月の髪をヨシが纏めてる。
リビングに出てきた美月は
どこから見ても女の子だった。
『ミキ可愛いね?』
『シュン君……ありがと……』
頬を赤らめて小さな声で呟いた美月。
『まるでお姫サマだな?ミキ、可愛いぞ。
なっ クス、サク?』
カケル君に声をかけられた俺たちは顔を見合わせた。
「「美月可愛い」」
美月を恥ずかしそうに俺たちを見上げた。
ホント可愛い美月。
女の子の格好をしているからじゃない。
ホント愛しいんだ。
『ホント?』
「「ん?」」
『……父さん…ミナくん…ミキ可愛い?』
「「もちろん」」
美月の顔がパァっと明るくなった。
美波は俺の手を取り美月の元へ行った。
二人で美月を抱きしめた。
『美月、可愛くしてもらってよかったな?』
『……うん。』
それからヨシは美月を『ミキ姫』にして外に連れ出した。
『ミキ姫』の美月はホントによく笑うようになって自分から話しもするようになった。
学校には行っていないけど
今まで以上に勉強をしている。
ヨシにお礼の気持ちを伝えた。
「「美月を笑顔にしてくれてありがとう」」
『俺も翔もミキを家族だと思ってるよ?』
「「えっ?」」
『お前ら何今更?
俺も駿もお前らとハンバーグ作って泊まった時から家族だって思ってるぞ?』
『そうだよ。ヒドイな二人。二人は俺らの事家族って思ってくれてないの?』
俺は嬉しくて胸が苦しくなった。
何で俺の周りは温かいヒトばかりなんだろう……。
『義弥、嬉しいな?』
美波は俺の背中を撫でてくれた。
カケル君が
ヨシが
美波が優しくて泪が溢れた……。
『クスは相変わらず泣き虫だな?』
『もっと俺たちに頼って?』
「「ありがとう」」
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