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家族。
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翌朝、抱き合って寝ていたら
「おはよう。義弥、美波。」
「おはよう。美波、今日も忙しいぞ?」
父さんと母さんの元気な声で俺は
目を開けた。
隣の美波にキスをした。
「おはよう。」
「美波と仲直りした?」
「うん。見ての通り。」
「ホント2人とも親に遠慮ないんだから。
栞菜、
私たちももう少し2人の前で仲良くしてもいいんじゃない?」
「そうだな…雅。」
そう言って父さんは母さんを抱き寄せた。
「ねぇ。何で『美波』って呼び捨てなの?」
「「えっ」」
美波がゴソゴソと起き出し
俺にキスをした。
「父さん、昨夜は仲直りしてプロポーズするので精一杯で最後まで話しできてないよ。
義弥に無理させられないし……。」
「何で、父さん? 美波何があったの?」
「義弥、僕と義弥は家族だ。
栞菜さんと雅さんが僕を
息子にしてくれたんだ。
だから父さんと母さん。
義弥は兄弟……じゃなくて?
父さん……何?」
僕は困って父さんに助けを求めた。
父さんと母さんは大笑い。
「お前たちは兄弟。
でも恋人で生涯のパートナーだろ?
僕たち家族がわかっていればそれでいい。」
「美波はもう家族よ?仲良くね?
ケンカくらいすると思うけどよく話し合って
想い合うのよ?」
「俺は夢を見てるの?
何かスゴくいい夢。覚めて欲しくないよ…」
そんなコトを呟いていると
美波が抱き締めてきた。
「義弥、夢じゃないよ。
父さんも母さんも僕たちの味方だよ。
ずっと一緒にいようね。」
「父さん、母さんありがとう。」
「義弥、お前のアパート引き払うぞ?
しばらく家に戻るぞ?
これからの事は退院してからだ。
いいか?
父さんと美波は今日はアパートの手続きに行ってくる。
母さんと待ってるんだよ?」
「わかった。」
「じゃあ、美波行くよ?」
「はい。
義弥、待っててね?行ってくるよ。」
俺にキスをして病室を出て行った。
父さんと義弥のアパートに向かった。
義弥の部屋は物がほとんどなく
あっと言う間に荷物を引き上げられた。
そのまま僕のマンション近くの
コーヒーショップに行き、父さんと
モーニングを食べた。
約束の9時に家具屋さんが引き取りに
来てくれた。
あっと言う間にマンションの中は
空っぽになった。
僕にとってニセモノの空間だったから
この部屋が空になって安心した。
不動産屋さんが来るにはまだ時間があるので
父さんは義弥のアパートの解約手続きをした。
すぐに引き渡し手続きをしてくれるというので再びアパートに向かった。
解約手続きはあっと言う間に終わった。
僕のマンションの解約も終わった。
不動産屋さんは父さんに
どの辺りのどのくらいの広さの土地を探しているのか一生懸命聞いていた。
「美波、昼ごはんは何でもいいか?」
「うん。父さんが決めて?」
父さんは僕を喫茶店に連れて入った。
「マスターいつもの2つ。
食後にコーヒーとココアを頼むよ。」
しばらくしてナポリタンと小さなサラダを
マスターが運んで来てくれた。
「「いただきます。」」
父さんと食べるナポリタンは
とても美味しくて照れ臭かった。
「美波?」
「ん。何か恥ずかしいよ?
昨日も思ったけど
今まで睦月父さんとも2人で食事に行くって
一度も無かったから。
……嬉しいよ……父さん。」
「そっかいつでも連れてってやるぞ?
母さんの買い物も付き合ってやれよ?
……あんまり美波を僕たちで連れ回すと
義弥が妬くかな?」
そう笑ってくれた。
「美波、
明日からは普通に大学に通うんだぞ。
住所変更なんかの手続きは荒木くんと
父さんでやっておくから
お前は明日からいつも通りだ。
夜だけ義弥についててやってくれ。
義弥も退院したら大学通わせるから。
そしたら高橋くんと吉岡くんも呼んで
お祝いだ。」
「父さん、ありがと。」
「思ったより早く片付いたな。
どこか寄りたいとこあるか?」
「僕、義弥のこともう不安にさせたくないから指輪買っていい?
そんなのなくたって僕たちは
離れないけど
………何より、僕が不安だ。
義弥、男にも女にもモテるんだもん。」
真っ赤な顔で話す僕を見て笑い出す父さん。
「そのくらい、義弥の前でも素直にな?」
耳まで赤いであろう顔で頷き
マスターが運んできてくれた
ココアを飲んだ。
父さんに連れて行かれたジュエリーショップ。
僕が弥生さんと行った店よりゼロの数が多かった。
僕は一番シンプルなデザインの
プラチナリングを義弥とお揃いで購入した。
隣りで父さんが綺麗なデザインの小さなダイヤのついたネックレスを買っていた。
「雅もだいぶ心配したからな?」
そう言って僕にウインクした。
「おはよう。義弥、美波。」
「おはよう。美波、今日も忙しいぞ?」
父さんと母さんの元気な声で俺は
目を開けた。
隣の美波にキスをした。
「おはよう。」
「美波と仲直りした?」
「うん。見ての通り。」
「ホント2人とも親に遠慮ないんだから。
栞菜、
私たちももう少し2人の前で仲良くしてもいいんじゃない?」
「そうだな…雅。」
そう言って父さんは母さんを抱き寄せた。
「ねぇ。何で『美波』って呼び捨てなの?」
「「えっ」」
美波がゴソゴソと起き出し
俺にキスをした。
「父さん、昨夜は仲直りしてプロポーズするので精一杯で最後まで話しできてないよ。
義弥に無理させられないし……。」
「何で、父さん? 美波何があったの?」
「義弥、僕と義弥は家族だ。
栞菜さんと雅さんが僕を
息子にしてくれたんだ。
だから父さんと母さん。
義弥は兄弟……じゃなくて?
父さん……何?」
僕は困って父さんに助けを求めた。
父さんと母さんは大笑い。
「お前たちは兄弟。
でも恋人で生涯のパートナーだろ?
僕たち家族がわかっていればそれでいい。」
「美波はもう家族よ?仲良くね?
ケンカくらいすると思うけどよく話し合って
想い合うのよ?」
「俺は夢を見てるの?
何かスゴくいい夢。覚めて欲しくないよ…」
そんなコトを呟いていると
美波が抱き締めてきた。
「義弥、夢じゃないよ。
父さんも母さんも僕たちの味方だよ。
ずっと一緒にいようね。」
「父さん、母さんありがとう。」
「義弥、お前のアパート引き払うぞ?
しばらく家に戻るぞ?
これからの事は退院してからだ。
いいか?
父さんと美波は今日はアパートの手続きに行ってくる。
母さんと待ってるんだよ?」
「わかった。」
「じゃあ、美波行くよ?」
「はい。
義弥、待っててね?行ってくるよ。」
俺にキスをして病室を出て行った。
父さんと義弥のアパートに向かった。
義弥の部屋は物がほとんどなく
あっと言う間に荷物を引き上げられた。
そのまま僕のマンション近くの
コーヒーショップに行き、父さんと
モーニングを食べた。
約束の9時に家具屋さんが引き取りに
来てくれた。
あっと言う間にマンションの中は
空っぽになった。
僕にとってニセモノの空間だったから
この部屋が空になって安心した。
不動産屋さんが来るにはまだ時間があるので
父さんは義弥のアパートの解約手続きをした。
すぐに引き渡し手続きをしてくれるというので再びアパートに向かった。
解約手続きはあっと言う間に終わった。
僕のマンションの解約も終わった。
不動産屋さんは父さんに
どの辺りのどのくらいの広さの土地を探しているのか一生懸命聞いていた。
「美波、昼ごはんは何でもいいか?」
「うん。父さんが決めて?」
父さんは僕を喫茶店に連れて入った。
「マスターいつもの2つ。
食後にコーヒーとココアを頼むよ。」
しばらくしてナポリタンと小さなサラダを
マスターが運んで来てくれた。
「「いただきます。」」
父さんと食べるナポリタンは
とても美味しくて照れ臭かった。
「美波?」
「ん。何か恥ずかしいよ?
昨日も思ったけど
今まで睦月父さんとも2人で食事に行くって
一度も無かったから。
……嬉しいよ……父さん。」
「そっかいつでも連れてってやるぞ?
母さんの買い物も付き合ってやれよ?
……あんまり美波を僕たちで連れ回すと
義弥が妬くかな?」
そう笑ってくれた。
「美波、
明日からは普通に大学に通うんだぞ。
住所変更なんかの手続きは荒木くんと
父さんでやっておくから
お前は明日からいつも通りだ。
夜だけ義弥についててやってくれ。
義弥も退院したら大学通わせるから。
そしたら高橋くんと吉岡くんも呼んで
お祝いだ。」
「父さん、ありがと。」
「思ったより早く片付いたな。
どこか寄りたいとこあるか?」
「僕、義弥のこともう不安にさせたくないから指輪買っていい?
そんなのなくたって僕たちは
離れないけど
………何より、僕が不安だ。
義弥、男にも女にもモテるんだもん。」
真っ赤な顔で話す僕を見て笑い出す父さん。
「そのくらい、義弥の前でも素直にな?」
耳まで赤いであろう顔で頷き
マスターが運んできてくれた
ココアを飲んだ。
父さんに連れて行かれたジュエリーショップ。
僕が弥生さんと行った店よりゼロの数が多かった。
僕は一番シンプルなデザインの
プラチナリングを義弥とお揃いで購入した。
隣りで父さんが綺麗なデザインの小さなダイヤのついたネックレスを買っていた。
「雅もだいぶ心配したからな?」
そう言って僕にウインクした。
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